1日目:入学式
この正門をくぐるのは、今日で三度目だった。
確か一度目は校内見学のときで、二度目が試験のとき、三度目が今だ。
地面を一歩一歩踏みしめて、俺は入学式の会場へと向かう。
聖メシア学園。この学園は、将来有能な魔法使いや魔女になるための学校だ。
だが、俺は魔法使いなんかじゃなかった。
会場へと向かう中、風に乗って真っ赤なバラが目の前を通り過ぎていく。
果たして、俺が選んだ選択肢はこれでよかったのか。本当に、これでよかったのだろうか・・・。
本当に・・・。
俺の名前は佐伯 緑。
少しヘンな名前の他に超能力が使えること以外は、いたって普通の中学生だ。
どうして超能力者が魔法使いの学校に入学することになったかというと、答えはひとつ。
『六年ぶりに会うある人と再会を果たすため』
超能力といえば念力とか予言とか、そういうものが多いのだが俺は少し違う。
俺の能力は、「緑」という名前の通り、自然系の超能力だ。例えば微弱ながらも風をおこしたり、気持ちが高ぶると自然のあらゆるものを味方につけられるのではないかとも言われた。
普通の超能力者はここには入れないが、俺のような特殊な能力の人ならまだ入れる。それを聞いて親は反対したが、どうしても『再会したい人』がいるために反対を押し切って入学した。
・・・あれは先輩の人たちだろうか。クラス替えの発表が書いてある掲示板のところに、たくさんの人が集まっている。時折、やったぁー! とか、最悪・・・。という声がこっちにも聞こえてくる。
そんな光景を目にしているいる間に、もう入学式の会場についてしまった。
俺のほかにも、いかにも新品ですといいたげなしわひとつない制服をビシッと着た新入生たちが周りをうろうろしている。
そんな光景を見ている中で、俺は目を見張った。
濃い紫の長い髪、高めな身長、そしてほかの人とは違うオーラを放っている『あの人』。
俺は、真っ先に『あの人』がいる方向へ走り出した・・・・・・。




