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Place  作者: ゆきだるま
屋上
2/6

屋上2



「ありがとな、――――。だけど」


彼の右足が、ゆっくりと後ろにずれていく。

それに気付いた赤髪の少年は、叫ぶ。


「ダメだ!!!――――!!」

「サヨナラだ」


流れるような動作で、彼は地面を蹴った。

ふわりと体の浮く独特の感覚、衝撃に目を閉じる。


しかし、彼を襲ったのはぐんっと身体ごと引っ張られ感覚だった。

左手首から伝わる体温に苦笑し、彼は目を開けて上を見る。


そこには案の定、歯を食いしばった少年の顔。


赤髪の少年は、彼が別れを口にするのとほぼ同時に動き出し、間一髪、彼の左手を掴んだのだった。


「あほがっ!!おまっ、ふざけ.....んな!!」


胸をフェンスに圧迫され、途切れ途切れになりながらも、少年は彼に文句を飛ばす。

彼は、そんな少年を静かに見つめる。


上半身は既にフェンスから乗り出ていて、2人分の体重を支えているのは、少年の左手のみ。


苦しいはずだ、落ちるのも時間の問題だろう。


小さく息を吐くと、青髪の彼は口を開く。


「おい、その手を離せ」

「こ、断る――っ!!!?」


瞬間、彼の体が下へとずれる。少年は右手に意識を集中し、絶対に離さないと決意を込めて強く握りしめる。


しかし、汗で滑りやすくなっているうえ、圧迫感から痺れてきていた右手では、大した違いはなかった。


「早く、そっちの手、出せ!おいっ、聞いてんのかっ」


赤髪の少年は、彼が考え直し、自分の手を取り、共に生きることを懇願し、声を絞り出す。


切迫した赤髪の少年の声を聞きながら、彼は目を閉じる。そして、自由な手を、自らのズボンのポケットへ。

取り出したカッターの刃を、カチ、カチ、カチ、とゆっくりと少年に見せつけるように出すと、自らの左手首へ。


一連の行為を目にして、少年は、彼に問う。

これから彼が行うことを拒むように.....


「なに、する気だ.....?」


聞こえているのだろうが、彼は答えなかった。

その代わりに、右手を一気に横へ。


「っあ゛あ゛あああああああ!!」




描写が難しい...


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