第7話 フィレック砂漠
ロックウルフの討伐に向けフィレック鉱山を目指した空達。
アンデル王国からフィレック砂漠に向かう商人の馬車に乗せてもらいフィレック鉱山に向かっていた。
フィレック砂漠とはアンデル王国東に位置する広大な砂漠で面積は約30000㌶ある。
馬車の荷車の中に座っていた空達に商人が話しかけてきた。
「遅くて悪いな!この砂漠で馬の足が取られるしこの暑さだ、馬に水魔法で水かけてやらねーと馬の方がダメになっちまう。さっき砂漠に入ったからあと1時間くらいで鉱山には着くと思う!ゆっくりしててくれ!」
「いえ、乗せてもらって助かりました。ありがとうございます。」
とリルは気を使い丁寧に返した
「ところで空。やりたいことってなんだったの?」
「そうだね!その前にこの世界には付与魔法として一般的なのは闇魔法なの?」
空は質問する
「そうね。闇魔法が一般的よ。そもそも闇魔法を使用できる魔術師自体希少と言われているわ。闇魔法を使う術師は味方や自分自身に付与魔法や、この前の空みたいに物体の移動とかサポートとして使うみたいね。他には呪術魔法としてもつかうけど呪術魔法は条件がそろわないと発動できないから使い勝手は悪いみたい。闇魔法の中位、上位魔法を使えるのは魔王や国家の騎士団長クラスと言われているわ。」
(なら、僕の闇魔法はリルにも使えるってことか…)
「なら、例えば火魔法は付与魔法として使えるの?」
「それこそ使える人はいないと思うわ。3大魔法の中でも火は攻撃力、制圧力ともに優れているけど付与に全く向いていないのよ。」
「それはなんで?」
「例えば、風魔法は武器に付与したら威力、殺傷力共に上がるわ。でも火の場合は武器に火魔法を付与すると武器の方の耐久力が負けてしまうの。だから火魔法は単体として使うのが基本になるわね。」
空が考え込んでいるとリルはそのまま話した
「火魔法を武器に付与したいなら紅玉石で打った武器を使えばいいわ。」
「紅玉石って?」
空が質問するとリルが答えた
「この世界には5大魔法の元となってる魔石があるの。火の紅玉石、水の蒼玉石、風の翠玉石、光の白晶石、闇の黒曜石よ。それぞれの魔石を使って製作した武器には属性魔法が付与されるからその属性に合った魔法を付与すれば強化されるってこと」
空が興味を持って話を聞いていると、商人が叫んだ。
「なんだあれは!!」
空達はすぐに荷車から降りると目の前に魔物が3体現れた。
魔物は鹿のような姿をしていて長い角が真上に沿っていた。
(スキル 鑑定)
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デザァトガゼル Lv.32 ランクD
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(鑑定レベルが上がったから簡易化されてる!)
空は少し喜んだ
「リル!Lv.32 のDランクだ!ゴブリンファイターよりはレベルは高いけどランクは低いみたい!」
「わかったわ!気を引き締めましょう!」
(闇魔法)
重力操作
空はリルに闇魔法を使った
「リル!闇魔法で軽くした!頼んだ!」
「オッケー!ありがとう!」
リルは剣を構え地面を蹴って前に出た
砂漠で足を取られると思っていたが普段通りの足捌きにリルは空の魔法のおかげと確信した。
(この速さなら…)
リルはその速さのまま先頭のガゼルを1突き、そのまま横に回転しもう1匹のガゼルを切り裂いた。
その瞬間残り1匹のガゼルが角を突き立てリルに突進したが、リルは剣でいなした。
リルがガゼルに視線を向けるとガゼルはすでにリルの方に走っていた。
(まずい。体勢が悪い。砂漠慣れしてるだけあって速いわ。)
(風魔法)
風切
風の刃が地面の上を通り風の強さに砂漠の砂が舞った、その直線状にいたガゼルの4足が切られた。
空はすかさず
「リル!今だ!」
リルはまた地面を大きく蹴りガゼルに向かった。
その勢いのままガゼルの首をはねた。
戦闘が終わるとリルは空の元に行き
「サポートありがとう。最後は助かったわ!」
「レベルの割には大したことは無かったね!流石にガゼルのスピードは速かったけど。もう少し数が多かったら大変だったかもね。」
「そうね!とりあえずコンビは完璧ね!」
リルは空にピースをしながら言った
商人の元へいくと
「さすがCランク冒険者だ!助かった!」
空達は照れながら荷台に戻った。
そしてまた馬車は走り出した。
1時間ほどで馬車は止まり
「ついたぞ!ここがフィレック鉱山だ!」
と商人は言った