第74話 戦後
ギンッ
ギンッ
空とルシファーの剣が重なり合う音が訓練場に響き渡っていた
「やるじゃないか!だが疲れがでてきているぞ?」
「ハァハァ。そりゃ、完全魔装解放の魔王相手にこっちは何もやってないんだぞ?」
「これが格の違いだな!!光魔法 天体虚光」
ルシファーから無数の光の矢が放たれた
「闇魔法 天空」
空の周りには20本の黒剣が現れ、ルシファーの技を斬り裂いていった
このままじゃ、ジリ貧か…
「次で終わらせるぞ!空!!」
「仕方ない…。……限界突破!!!」
空の周りに黒い魔法が集まり、弾け飛んだ
「な!!これは!勇者の!」
闇に包まれた空の姿は、漆黒の黒髪に、赤い瞳、全身真っ黒な服に変化していた
そして、空の剣はより黒く。リルの剣はより赤黒く変化した
「まさに、闇の勇者か…」
ローレンはその姿を見て言った
「まさか限界突破とは…驚いたな」
「いくぞ。ルシファー!!闇魔法 虚空」
空は両剣をルシファーに向け、剣先に大量の闇の光を集め、放った
「受けて立つ!俺が出せる最強の技だ!光魔法 天使光矢」
ルシファーの光魔法で弓が生成され、自身の剣を矢として弓を引き、放った
両者の技がぶつかり合う
と、思ったその時
「限界突破!!光魔法 光龍一閃」
激しい光と共にローレンがその間に入り、両者の技を止めたのだった
「そこまでだ。流石にこれ以上は演習場が持たないぞ」
空は辺りを見渡すと、壁や地面が抉れ、今にも崩れそうな演習場へと形が変わっていた
「フッ。たしかにローのいう通りだな。仕方ない。ここまでだな」
空は限界突破を解除した
「俺としたことが夢中で戦いすぎたかな。すまないねロー。」
ルシファーも完全魔装解放を解いた
「それで、俺はイブリースに通用するか?」
「あぁ。限界突破まで使えるなんて期待以上の成長だ。これならなんの心配もなく送り出せるよ。後はコウが帰ってくるまでゆっくり休むといい」
「そうさせてもらうよ」
そして、空達は演習場を出てルシファーの城まで歩いていた
「ところで空。なんでそんなに雰囲気が変わったんだ?まるで別人じゃないか?」
ローレンが空に言った
「あぁ。これか。今の俺は元々の空の中にいた俺だ」
「どうゆうことだ?二重人格ってこと?」
「簡単に言えばそうだな。元々、前の世界での俺はもう1人の俺の方が主体だったんだ。魔力の扱いは精神的なものだろ?両親に鍛え上げられてくうちに徐々に俺達は別れていったんだ」
「歴史上最強の魔剣士とそちらの世界での最強の魔法使いに育てられた息子にしてはかなり弱いと思っていたけど…。なるほどね。日常生活では前の空が、戦いでは今の空が適しているということか。つまりは、今の空は前の空よりも魔力量や経験値が違うってことでいいのかな?」
ルシファーが言った
「あぁそうだ。本来こちらの世界で表に出るべきは俺の方だった。しかし、何故かもう1人の俺が出てきてしまい、俺の方は出れない状況になってしまったんだ。まぁ、ヴァニのおかげでなんとかなったけどな」
「なら、今の空にも話しておくべきじゃないか?ルシファー」
「そうだね。空、これから城で会議が始まる。一緒に出席するといい」
「なんの会議だ?」
「この前の戦争と、今の世界について。そして、これからの戦いについてだよ」
「…。そうか。なら出させてもらうよ」
城の会談室に入ると、見覚えのある顔ぶれが揃っていた
アンデル国王、アンデル王国でみた大臣達、火の勇者などだ
その中には大臣達と同じ高貴ある服をきた人達や勇者に匹敵する魔力を持った冒険者達が何人かいた
「…主は…」
「アンデル国王。この者は前に一度顔を合わせた空です。空にもこの会議に出席してもらうよう俺とルシファーで言いました」
「…そうか。真白 空だったか?久しいな」
「あぁ。アンデル国王も健在のようで」
「き、きさま!!無礼だぞ!」
「国王に対してその言動!ふざけるな!」
「ローレンさん。斬っていいですか?」
「落ち着け!!!よい。前とは違い、強くなったようだな」
「それなりの試練は乗り越えてきたつもりだ。」
大臣や他の冒険者から視線がビンビンと感じた
ふぅ。仕方ない
「俺が新顔で嫌悪感を抱いている者もいるようだな。だが、ナメられるのは嫌いでね。」
空は魔力を高めた
「な、なんだこの魔力は」
「勇者…?雰囲気は魔王だぞ」
「ヒィーーー」
「空!この場は話し合いの場だぞ?魔力で脅すのはやめないか」
ルシファーが行ってきた
「悪いな。これで俺もこの場にいても問題ないか?アンデル国王」
「ハッハッハッ!いいだろう!お主もいいよな?ノンデル」
「フッ。こんな魔力を見せられて断ることはせん。」
ノンデル…
「ノンデル王国の領主か?」
「あぁ。そうだ。この場にはアンデル国王、聖騎士団長、光の勇者候補生、大臣各位、オリエンス国王、騎士団長、火の勇者候補生、大臣各位、そしてこのワシ、ノンデルが参列している。それと魔国アンゲルス領主から光の魔王ルシフェル。ちなみにだが、ワシとアンデルは兄弟だ」
堂々たるメンツだな…
「なんで他国の主要メンバーや大臣、勇者がここに集まっているんだ?それに他の勇者達はどうした?」
「俺から話そう。前に会ったな?改めて火の勇者、ヒヌアン・ウェスタだよろしくな。シンプルに言わせてもらうが先刻の戦争で水の勇者ヒュードルが亡くなった。そして、俺達は戦争に負けて人国の領土が奪われた。今もアンデル王国と西の国ウェスタン王国の国境付近でラインが引かれジリ貧の戦いの真っ只中だ。人国の被害は、北のノンデル王国がやられた。そして徐々に下に撤退して、今の状況ってことだ」
「戦争に負けた?勇者4人と大軍を引き連れてか?魔王1人に?」
「詳しくはそうではないのだ。ローレン!空に説明をすると同時に、今し方状況の確認としよう」
アンデルがローレンに言った
「そうですね。実はな…」
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