第70話 魔王と勇者
ローレンとの稽古が終わり、入れ替わるようにルシフェルとの稽古が始まった
ルシフェルはローレンの肩をポンっと叩き言った
「ブフッ!人類最強君お疲れ様。まさか1発受けるとはねっ。」
ルシフェルは小馬鹿にしたようにローレンを笑った
「う、うるせーな。空は元々やる男だと思ってたよ!言っとくけどルシファーもこのあと痛い目見るからな!」
「まぁ、確かにローレン以上の剣術には驚かされたよ。まぁ、剣術だけならね。」
ローレンは空の元にいき耳元で囁いた
「空。こんな堕天使なんかコテンパンにしてやれ!」
「フフッ。2人は本当に仲がいいね。…大丈夫だよ。魔術でもルシフェルに負ける気はない!」
「いい目だ。よし!脳筋君はさっさと退いた!やることも山積みだろ?あとは任せときなよ。」
「へーへー。じゃ、空!頑張れよ!ルシファーは相当な堅物だからな、覚悟しといたほうがいいぜ」
「さて、空。この間双剣術のメリット、デメリットについては話したね。空は双剣術のデメリットを力で対抗するのではなく柔軟に相手の攻撃を受け流すことにより、パワーもスピードも落とすことなく剣を振れたのかな?」
「さすがルシフェルだ。その通りだよ。力と力で戦えば、自ずと強い方が勝つ。僕は力だけでは敗者になりやすいから、攻撃を十二分に乗せて受け流し、体の軸を使って攻撃することでローライト流を完成させた。スピードは確かに若干劣る部分もあるけど。僕はスピード特化じゃないから、そこは強化魔法でなんとかするよ。」
「よくできているな。ここまで勇者と戦い続けてきただけのことはある。自分の弱点を知り、それをカバーするだけではなく、プラスにもっていくその思考…。嫌いじゃないよ。だけど、問題はそこだけじゃない。確かに、強化魔法なら双剣術でも使用は可能だ、じゃ、遠距離魔法はどうかな?」
「遠距離魔法?」
「そう。この間のイブリース戦、自分で振り返ってみてどう思う?」
「………!遠距離魔法を使っていない!?」
「そうゆうこと。イブリースは近距離メインの相手だ、遠距離魔法を使う暇がなかったのも頷けるが、使えなかったってことはないかい?」
「確かにそう言われてみると、双剣で両手が塞がっているから、魔法を放つって言う概念が無かった。」
「それに気づいただけでもいいとしよう。俺との稽古では魔法も使っていいからね。攻撃の幅を広げて戦いながら、経験を積むといい。まぁ、話はこれぐらいにして始めるとしようか。」
「よろしく!ルシフェル!」
「前々から思っていたけど、ルシフェルじゃ、硬いから、ルシファーでいいよ。」
「…。わかった。いくよ!ルシファー!!」
空は剣を抜き、双剣を構えた
魔王が相手なら最初から全力でいく。
「トーレ、あれできるかい?」
『あれですか…。前回とは違って、私と空の魔力回路は完全に繋がってます。可能ですよ。』
「よし!特級契約魔法 特精風魔」
体に風が纏い、空を中心に地面から砂埃が巻き上がった
「闇魔法 重力操作」
空の体が軽くなった
「契約魔法か!しかも、特級精霊の強化魔法に自身の強化魔法の掛け合わとは、今までよりも魔力コントロールが長けたね。」
空は地面を強く蹴り、ルシファーに果敢に攻めていった
「闇魔法 天長主剣 夜空」
空の周りに黒いオーラが漂い、剣に纏った
そして、その剣をルシファーに向け振り抜いた
(攻撃力もスピードも今までの比じゃない!!夜空を放たずに、剣に込める事で攻撃力を上げたのか!)
ルシファーはすぐに剣を抜き、空の剣を受けた
「光魔法 光剣」
2人の剣が交わり、黒と白の、光と闇が対峙した
流石、魔王!
相当な威力のはずなのに振り切れない。
「ギッ!ギッ!」
(光剣でも押し返せない!?)
2人はすぐさま後退し、間を開けた
「トーレ、魔力コントロールはどうだ?」
『問題ありません。羅不廻翼も、問題ないかと。』
「了解!闇魔法 羅不廻翼」
空の周りに漂っていた、黒いオーラは空の背中にいき、左翼と成った
「闇魔法 天空」
空の周りに黒い塵が集まり、10本の黒剣と成った
『空、私が天空の黒剣を操ります。空は攻撃に集中を!』
「あぁ、助かる。行くぞ!」
「すでに羅不廻翼も完全に操れるのか…。こちらもそれに答えよう!!光魔法 天体虚光」
ルシファーは右手を構え、いくつもの光の矢を、放った
空はそれを真正面から突っ込んでいった
ルシファーの矢を空の黒剣が全て斬り裂いていく
トーレのおかげでこっちに集中できる…
「風魔法 風擦剣、火、闇魔法 黒刃炎斬」
空の両剣に、魔法が宿った
「行くぞ!ルシファー!」
ルシファーの矢を一気に斬り刻み、距離を詰めた
「ローライト流 双剣術 黒陽」
空は、剣の炎と闇で剣筋を歪ませ、風で剣速を上げた2段斬りを見せた
(遠距離魔法を使わずともこれほどまでの強さ…。こっちの魔法を全て斬り裂くなんて!…確かにローが負けるわけだ!!)
空が両剣をルシファーの前に立てた
「ハハハ。強いな。まいった。」
「ハァハァ。っよし!」
するとそれを見ていたローレンが言った
「ルシファー!見せてやれよ!その状態じゃ魔法の威力も半分以下だろ?」
「見ていたのかい?…そうだな。空にもいい機会かな。…じゃ、見せよう。」
ローレンの隣に黒い塵が現れ、そこからルシフェルの側近である、ヴァニが現れた
「?。なんだヴァニも見にきたのか?」
ローレンが言った
「…ルシファー様…の…魔力…感じ…た。あれを…やるなら…そう見られる…機会…無い…。」
「…観客が多くなったね。まぁ、いいか。」
「さっきから言ってるあれって?」
空はルシファーに剣を構えながら言った
「蚊帳の外だよね。悪かったね。勇者と魔王はそれぞれある特殊な状態になれるんだよ。勇者はそれを【限界突破】と言い、魔王は【完全魔装解放】と言うんだ。己の魔力コントロールを研ぎ澄ませ、全ての雑念が取れた状態の事だよ。」
…スポーツでいうところのゾーンってことか?
そんなことができるのか??
「百聞は一見にしかず。この状態の魔王と勇者は別格だ。よく体験するといい。……いくよ。【完全魔装解放 堕天使】!!」
突如、ルシファーを光の魔力が包んだ
空はすぐさまその異様な魔力に距離を空けた
な、なんだ!
ルシファーの周りに漂っていた大量の魔力が一瞬で消えた…、…いや…、体に入っていったのか?魔王独特の強さとも言える魔力が無い。これは一体…。
そして、光の魔力が弾け飛び、同時にルシファーが現れた。
その姿は今までのルシファーとは別の姿をしており、頭の上には白い輪っかが浮いており、その周りはギザギザと黒く尖っている。そして、翼の後ろには巨大な輪が何重にも重なっていた。
!!!!。魔力が戻った…。いや!戻ったどころの話じゃ無い!増幅したのか!?これが本来あるべきルシファーの魔力量…。さっきの5倍…、ちがうな…10倍は多い!それに、あの姿はなんだ?まるで別人じゃないか…!
「フフッ。驚いたかい?これが魔王の完全魔装解放だよ。…かかってくる勇気はあるかな?」
「…言われなくても!!」
空はルシファーに剣を向けて向かっていった
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