第59話 スーラとの戦い④
コウは獣化による超スピードでスーラを圧倒していった
鉤爪による攻撃はスーラに確実に1発1発と打撃を与えていく
(速いわね。これが獣人族だけに与えられたユニークスキル。攻撃を防ぐだけで精一杯。)
「ハァ…。ハァ。しょうがないか…。本気で行くよ!!」
スーラが大きく瞳孔を開き、体に電撃が走った
そして、コウの右腕の攻撃をスーラが弾いた
「!?。速さが上がった?どうゆうことですか。」
スーラの体を見渡すとバチバチと雷の音が聞こえ、青白い光を纏っていた
「雷王拳」
「この技は雷を纏うことで神経細胞の電気信号速度を底上げする。簡単に言えば運動神経がかなり上昇して今までの倍は動けるってこと!さぁ!!楽しもうか!!」
スーラは素早くコウに向かっていき、コウと対峙した
コウとスーラはお互いに引けを取らない攻撃を繰り出した
(獣化とほぼ同じスピードなんて!!私はこれ以上の技は持ち合わせていない。空が信じてくれる…ならそれに答えるしかない!!!)
「ハァー!!!」
コウとスーラの攻防は20秒ほど続いた
コウの獣化はHPを消費して身体能力を強化するものであり、スーラの攻撃を食らってるコウは獣化の消費HPとスーラの攻撃によるHP消費によりこの時点で限界を超えていた
「ハァハァ。ハァハァ。ま、まだですよ。」
「はぁー。残念。獣化といえどこのモードの私には勝てないか。限界なんでしょ?終わりにしてあげる。」
(空に託された30秒。1秒1秒が長く感じる。まだ20秒ほど…。獣化は切れた。)
「ハァハァ。……。まだだ!!足掻いてやる!!地に這いつくばろうと、敗北を味わおうと、絶対に諦めるもんか!!!」
コウの姿はボロボロで地面に片足がついていた、体力をギリギリまで消費し、すでに立っていられる状態ではなかった
「いいね!!そうゆうの嫌いじゃない!!私が終止符を打ってあげる!!」
「物体交換」
空とコウの位置が入れ替わった
「ありがとう。コウ。」
「!?。へぇーここで交代ね。はっきり言って空。あなたじゃ役不足…」
(もう我無闇還状態、それに剣先にさっきより強い闇の光が)
「先に教えとく、虚空は闇の光を貯める時間と比例して威力が跳ね上がる。コウが繋いだ時間無駄にはしない!!」
「今の私はさっきよりも倍の速さで動けるのよ?避けられないとでも?」
「どうかな??虚空!!!」
空の放った虚空は最初に見せたそれよりも遥かに大きく膨大な攻撃範囲と威力をみせた
(大きい!!避けられない!!)
「雷双大蛇」
スーラの周りを巨大な2匹の雷の蛇が囲い、守りの体制に入った
空の技がスーラの防御技に衝突する
すると、空の技の威力でスーラの雷の蛇が徐々にヒビが入っていった
「!!!。嘘!!私の最強の防御技よ??何て威力なの!なら。それ以上に強固にするだけ!!」
スーラは技に大量の魔力を注いだ
注がれた大量の魔力によりヒビが治り強固な盾となった
くっ!一瞬で持ち直した…。
これ以上威力のある技はもう僕には出せない。
リル。コウ。いつも僕の作戦を疑いもなく信じてくれる。なら僕はそれに真に答えるだけ。
僕がここできめなきゃ誰がきめるんだ!!
魔力を込めろ!!
「はぁーーーーーーーー!!!!」
空の虚空が更に威力を増した
スーラの防御技に徐々にヒビが入っていく
「な、何て力!!負けてられるか!!!」
スーラは更に魔力を込めて技の精度を上げた
「はぁーー!!!」
ヒビは治り完全に空の攻撃を防いだ
「はははは!!空!!防いでいるわよ!!あなたの最高の攻撃も私には効かないわね!あなたの魔力がつきその技が消えた瞬間が貴方達3人の敗北になるわね!」
空はニッコリと笑った
するとスーラの足元の地面から3匹の土の生き物が目の前に飛び上がった
「錬金術 土竜」
「え!?」
スーラは予想外の出来事に反応ができない
「終わりだ。爆ぜろ(バーンアウト)」
空の言葉と同時にスーラの雷の盾の内部で大爆発が巻き起こった
同時に空は技を使い切りその場に倒れた
「ハァハァ。ハァハァ。」
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(数分前)
「2人とも聞いてくれ。まずスーラにあの蛇の防御技を使用させる為に僕が攻撃を仕掛ける。そして、あの防御技はスーラの周りを囲っている。スーラと技の間には一定の距離が空いているように見えた。そこに土竜で攻撃をしてスーラの技を逆手に取る作戦だ。」
「なるほど。ですがそう簡単にスーラが技を出しますか?」
「たしかにそうね。空だけの攻撃ならはっきり言って防御技を出す前に叩かれる気がするけど。」
「虚空で攻撃するつもりだ。この技は闇の光を貯める時間と比例して威力が上がる。そして、威力が上がった攻撃はそれ並みの防御技をする必要がある。そこでスーラの技だ。はっきり言うと僕の技でもスーラの守りを崩すのは無理だと思ってる。そこで土竜の出番だ。スーラが防御を固めれば固めるほど爆発の威力は拡散することなくその場に留まり威力が上がる。それを直接スーラに叩き込む。…。たが、それでもスーラを致命傷に追い込むことはできても、決定打には欠けるだろう。だから、ここまでは本命を隠すための手順でしかない。本命は…」
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スーラの防御技が消え爆煙が立ち込めた
「ハァハァ。まさか虚空を囮に使うなんてね。そして私の技を利用した爆発。それも爆発を100%の威力で当てる作戦。やるじゃない。でも、まだ私は立っているわよ。」
スーラはボロボロの体でそこに立っていた
それは空の思惑通り爆発は致命傷になったが決定打には欠けていた
すると爆煙をかき消すように高速でスーラの前に赤い炎が現れた
「!!」
「本命は。私よ!!」
赤い炎を纏ったリルが剣を抜きスーラの前に現れたのだった
空は地面に倒れリルの方に左手を伸ばした
残りの魔力でできる技は限られてる。
リル。あとは頼む。
「闇魔法 重力操作」
あともう少し。リルに力を。
「闇魔法 天長主剣」
火魔法で強化され赤い炎を纏ったリルの周りに空の天長主剣による黒いオーラがリルを包んだ。
そして、重力操作によりリルの重力は半減されスピードが加速された
(体が軽い。これなら。)
「お母さん。力を貸して。」
リルがつぶやいた
「プロミネンス流 真紅一閃」
リルの漆黒に染まった赤い剣から出された居合い切りは紅一点の輝きと速さを見せつけてスーラを斬り裂いた
「そ、そんな。速すぎる。」
スーラは真っ二つに斬られ爆発を起こし、跡形も残さず消え去ったのだった
「ハァハァ。お母さんありがとう。」
リルが前屈みになり涙目に小さくつぶやいた。
そして空達の方を向いて言った
「空!!コウ!!勝った!!やったのよ!!私たち!勝ったのよ!」
リルは手を上げながら空の元へと向かって走った
「ハハ。元気だな。僕を信じてくれてありがとう。」
空は立つこともできなくその場に寝そべっていた
「やりましたね。本当に勝ったんですね。」
コウは足を引きずりながら空の元へと歩いてきた
そして3人は抱き合い、勝利を噛み締めたのだった。
3人が勝利に浸っていると突如入り口から爆発が起こった
3人は驚きすぐさま爆発の方を見た
煙と共に現れたのはボロボロで今にも消えかけているダークドライアド、トーレを左腕に抱えている茶色の鷲のような顔立ちをした鳥の魔人が立っていた
「やっと、ついたぜ。ったく、手こずらせやがって!!ん?お前コウか?光の魔王の側近の。」
コウは驚いた顔で言った
「何であなたがここに!!それにトーレに何をしたんですか!??」
「ん?あー。こいつか。お前の隣にいる空とリル?だっけか?そいつらの居場所を教えてくれねーからボコしただけだが?」
「!!。なんてことを。」
「コウ。あいつ何者なの」
「あいつは…。」
「あー!いい。いい。俺が自分で名乗るから余計なことは言うな。俺の名はサムパーティ。水の魔王ラーヴァナ様の側近5等級だ。空、リル会いたかったぜー!!」
ご愛読ありがとうございます
さて、今回のお話について少し触れたいと思います。
リルが新しく見せた剣技プロミネンス流ですが、
お気づきの方もあると思いますが、エブリス流は父親の剣技でプロミネンス流は母親の剣技になります。
リルの両親については第3章の最後か第4章に執筆したいと思いますので心待ちにしていただけると幸いです。
この作品が少しでも面白いと思っていただけたら
ブクマ、評価、感想いただけると幸いです。




