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異世界最強魔剣士の父と現実世界最強の魔導師の母をもつ子供が異世界転移  作者: めいがしん
第3章 〜グルーシスダンジョン攻略篇〜
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第39話 魔国アンゲルス

獣人族の女1人は右肩から血を流し、地面に倒れている。

そしてもう1人の獣人族の女は盗賊に捕まり身動きが取れない状態だった。


「…娘を!…娘を離してください!!」

倒れた獣人族がかすれた声で言った


「!!やめて!離してっ!…お母さん!早く血を止めないと!!」

捕まっている獣人族の娘は涙目で声を荒げ言った


獣人族は親子で、倒れている方は歳が30後半の白いエプロンをつけた犬の獣人族の女

そして、捕まっている方は20後半の身長は170はあるだろうスタイルの良い犬の獣人族の女だ


盗賊の男は捕まえている獣人族の娘の頬を舐めて言った

「これだけ品質のいい獣人はなかなかいない。こいつは貰っていく。…お前はいらねぇーからここでくたばっとけ。ハハハハ!!」


盗賊の男が短剣を抜き獣人の母に斬りかかろうと剣を振り上げた


「やめてぇ!!!お母さんだけは!なんでもするから!だれか!助けて!!」


それを見た空達

リルは盗賊が剣を抜いた瞬間に走っていた


リルは盗賊に斬りかかった

盗賊は突如の襲撃で焦ったが、すぐにリルの攻撃を短剣で受けた


キンッと刀がぶつかり合う音がした瞬間

「闇魔法 物体交換オブジェクトトレース

空の近くにあった小石と獣人の母親が入れ替わった


空は入れ替わった母親に向かって言った

「大丈夫ですか!?すぐにポーションを渡すから少し待っててください。」


「…た、助かりました。私のことはいいんで娘を…!娘をお願いします。」

母親は流血が激しく意識が薄いなかかすれた声で言った


「なんだお前ら!いきなり現れたと思ったら。闇魔法か!いい魔法だ。俺から逃したことは褒めてやるよ!オラっっ!!」

そう言って盗賊は勢いよく短剣を振り、リルを飛ばした


「!?」

リルは驚いたが空中で体勢を整え、空の脇まで後退し着地した。


(あの男リルを片手で吹き飛ばした!?しかも短剣で。やり手だ…)

「リル、大丈夫?」


「平気よ!それより、あいつやり手よ。私の攻撃を片手の短剣で受け止めるなんて。」


「あぁ…。そうみたいだね。気を引き締めよう。」


「どーした?早く来いよ!この女は見捨てるのか?」

そう言うと盗賊は女の頬をつまんで空達を挑発してきた。


ギギッとリルの歯を食いしばる音が聞こえる


「…リル落ち着いて。あいつの挑発に乗っちゃダメだ。」

(あいつはあの子のことを品質と言った。つまり売り物にする気なんだ。なら絶対にあの獣人を殺さない。)

「リル!話を…」

空がリルに話をしようとした瞬間、盗賊は獣人の頬から手を胸に向け下ろそうとした。


リルは先見眼で盗賊が獣人の胸を触るのを見たのだ

種族は違えど同じ性別としてリルは許すことができない行為をした盗賊にリルの怒りは沸点を迎えた


空の話を聞くよしもなく、盗賊に突っ込んだ

「!!この!!外道め!!」

リルが叫び剣を構え、獣人がいる方とは逆の方から剣を振り抜いた


だが盗賊はリルの動きを予知していたかのように簡単に短剣でリルの一撃を止めたのだ

「攻撃が単調すぎるぜ。そんな攻撃で俺をやろうなんて甘いんだよ!」

そう言って盗賊はリルの腹部を蹴り、突き飛ばした


リルは腹部を押さえて言った

「うっ!…あんたみたいなクズ許さないわ。

赤き火よ我に纏いその力を見せよ!」

「火魔法 身炎上火フレイムフェスティオ

リルの体と剣に炎が纏った

「ハァァァァァァ!!」

リルは盗賊に向かい剣を突き立てた

(くらいなさい。エブリス流最速の突き技よ)

【剣技 真炎創火しんえんそうか

リルの剣の柄頭つかがしらが勢いよく爆ぜ、剣先が盗賊に向かい伸びた


盗賊はこの技に確実に負けることを悟った。

片手しか空いていない短剣でリルの攻撃を防ぐのは不可能であり、柄頭が爆ぜることで攻撃のタイミングが速くなりガード不可となったのだ。

そんな中、盗賊ができる最善の手は獣人を盾にすることだった。


リルの剣技が盗賊に到達する少し前に盗賊は獣人をリルの剣先の前に移動させ盾にしたのだ。


リルはそれを先見眼で見た。

そしてリルの剣技は盗賊に到達することなく止んだのだ。


盗賊は笑いながら言った

「ハハハハ!!あまちゃんが!!だからガキは扱いやすい!バカが」

すると盗賊は短剣をしまい、リルの腹部を殴ったのだ。


盗賊の腕は風魔法で強化されており、殴られたリルは勢いよく吹っ飛んだ。


「……くそったれ。」

リルが小声でそう言うとアナトレー運河の水の中に落ちてしまった。


「リル!!…くそ!!」

空は慌ててリルを追いかけようとした。


「おい!あの女を追ったら、こっちの女は連れていくぞ?」

盗賊は獣人の髪の毛を掴みそう言った。


「くそ!くそ!!!」

そう言って空は盗賊に向かって剣を突きつけたのだ。


空は最悪の選択をせまられた。

リルか獣人どちらかを見捨てなくてはいけないと。

だが空はこの状況ですぐに答えを出したのだ。

それは盗賊を最速で倒して獣人を助け、リルも救い出す。

空は両方とも救い出す、その選択をとった。


キンッキンッと空と盗賊の剣が打ち合う音が響く。

「ほらどーした!そんなんだとさっきの女は溺死するぞ!」

盗賊は空の剣を弾きながら言った。

空は歯を食いしばりながら剣を振った。


「…お前。人を殺すのを躊躇ちゅうちょしてやがるな。あまいんだよ!!クソガキ!」

盗賊は空の剣を弾き、空に蹴りをくらわせた。


空はその勢いで後ろに飛ばされ後退した。

「…ハァ。ハァ。」


本来、空の力は盗賊を上回っている。

だが、それは相手を殺すならということだ。

空はこの状況下でも2人を助けると言う1番難しく、甘い判断をする男だった。

リルと空の違いはその覚悟にあった。

それもそのはず、空は異世界、そしてリルはこの世界の住人であるので、覚悟の違いはあからさまに出ていた。

空の中では魔物を殺すのと人を殺すのでは段違いに異なっていたのだ。


空は深呼吸をして息を整えた。

そして右往左往に動いていた瞳孔はまっすぐ盗賊に向けたのだ。

空はフィレック鉱山の時同様に、重くそして冷たい雰囲気になった。

一線を越える。その覚悟が決まったようだ。


「…いくぞ。」

空が剣を構えて盗賊に向かおうとした時。


ドスッと音がした。

すると盗賊に黒い羽が5本刺さっていた。


盗賊は空と盗賊の間の宙を見上げていたので、空も上を見上げた。

するとそこには、黒と白の翼が生えた黒い服を着た金髪の男が翼を羽ばたかせて浮いていた。

そして腕にはリルを抱えていたのだ。


そして地面にゆっくりと降りてきたその男に空がすぐさま近寄った。

「リル!リル!」

リルは返事がなかった。


だがその男が言った

「安心しろ。気を失ってるだけだ。すぐ目覚める。」

空はホッとしたのか表情がやわらいだ。


「てめぇー!いきなり現れて何者だ!この……」

盗賊は言葉を途中で止めた。

すると盗賊に刺さっていた黒い羽は少しずつ白く変色していったのだ。

そして完全に白く色変わりすると、盗賊の男はまるでミイラのように萎れて倒れた。


白い羽は獣人の母親に3本、娘に2本刺さった。

すると白い羽は黒く変色して、2人の傷は癒やされたのだ。


「住民を助けてくれてありがとう。」

男は空に礼を言った。


「僕は…」

空は下を向き、言葉を詰まらせた。

自分の弱さと情けなさ、そして覚悟の足りなさ全てを実感したのだ。


すると男はそれを察したのか空の肩をポンっと手で叩いたのだ。


空は男の包容力と優しさに涙目になった。


「男だって泣いていいんだ。ただ次は同じ理由で泣かない。そう誓って今はたくさん泣くといい。」

男は優しい声で空に言った。


空は泣いた。

泣き顔を見られるのが恥ずかしいのか下を向きながら肩を震わせて泣いたのだ。


そして1時間後

少しの揺れと水の音でリルが目を覚ましたのだ。

リルは空の背に乗りながら橋の上を渡っていた。

空はリルが起きたことに気付いて状況を説明した。


男が助けた獣人の家族は男と空に礼を言って橋を渡りアンジュ大陸に渡っていった。


男は空達の目的を聞いてアンジュ大陸を案内しようと提案したのだ。

そして空はリルを背に乗せ男とアナトレー大橋を渡っていた。


リルは男に助けてもらったことを聞いてお礼を言った。


「当たり前のことをしたまでだよ。」

男は笑いそう答えた。


アナトレー大橋を渡きりアンジュ大陸に足を踏み入れた空達。

アンジュ大陸は少し空が薄暗く、赤く染まっていた。

土も赤く、木々は少し枯れているようだ。

周りを見渡すと沢山の山達があり、山脈といってもいいのかもしれない。


アナトレー大橋から何もない荒野を2時間ほど歩くと街が見えてきた。


「あそこが魔国アンゲルスだ。」

男が指を挿して言った。


アンゲルスに着くと門番にはトカゲのような獣人が鎧を着て構えていた。

空達に向かって歩いてきたが男が言った。

「この者達は大丈夫だ!」

その一言で獣人は門の前に戻った。


アンゲルスに入るとそこには色々な種族が街を歩いていたのだ。

人間、エルフ、ドワーフ、獣人、中にはゴブリンやトロールなどもいた。


空は慌てて男に聞いた

「魔物達がいるけど大丈夫なの??」


「あぁ!ここにいる者達は全員理性を持っている。野良の魔物とは違うし、こちらから手を出さなければ襲ってこないから安心するといいさ。」


すると街の人たちがこちらを向いて近寄ってきた。


空とリルは少し緊張して固まった。


街の人たちは言った。

「ルシファー様!お帰りなさい!」

「ルシファー様!」

「ルシファー様今日もかっこいいわ!」

「ルシファー様どこに行ってたのですか!」

「ルシファー様その人達は?」


どうやら空達ではなくて男に言っているようだ。


「ねぇ!一体何者なの?」

男に空がきいた。


「…そういえば、名乗ってなかったね。

ようこそ。魔国アンゲルスへ!。

俺の名前はルシフェル・アンゲルス。ここの領主で光の魔王だ。」


空達はルシフェルの言葉に呆気を取られていた。

投稿が遅れてすいません。

今回は筆者が好きなキャラが出てきました。

光の魔王ですね。

とても優しく、そして強い魔王になっております。

空に大きな影響を与えてくれる魔王になっておりますのでお楽しみに。


この作品が少しでも面白いと思っていただけたら。

評価、ブクマ、感想おまちしております。

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