第3話 森厳の魔物
次の日、空とリルは宿屋を出てギルドに向かった。
ギルドに入り左手のクエスト情報を見る。
空達が気になったのは2つだ
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薬草採取
難易度 ☆☆☆☆☆★
場所 アンデル草原
内容 大量発生した酔幻草の採取
×10
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討伐
難易度 ☆☆☆☆★★
場所 アンデル森厳
内容 ゴブリンの角×10
コボルトの爪×10
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どっちにするか決めかねていると簡素な鎧と武器をもった筋肉質な男が話しかけてきた。
「よぉ、俺はEランク冒険者グランだ!お前たちクエストは初めてか?なら最初は薬草採取にしとけ!コボルトやゴブリンに比べたら薬草はゴルは安いが安全だ!」
と空の肩を叩きながら教えてくれた。
(ここの人達は本当に親切だと思い知らされるな)と空は思った。
「親切にどうも。だがこっちにするよ」
と空は討伐の方をとった。
なぜかと言うと空は試したい魔法やレベルの上がり具合を見るのにはもってこいのクエストだとおもったからだ
するとグランは
「粋のいい兄ちゃんだな!そうか!気をつけて行けよ!ガハハハ…」
と去っていった
リルはとても呆れていたが不満はないようだ。
「じゃ、空。そのクエスト受付に出して受理してもらおう!」
空は首を縦に振り受付で受理してもらった。
「よし、いこう!」
と空が言うと
「足引っ張らないでよね!」
とリルが恥ずかしそうに返してきた
2人はアンデル森厳に向かった
道中リルが質問してきた
「空、なんで討伐の方にしたの?」
「魔法で試したいことがあるんだ、あとユニークスキル 無限の才能ってあるんだけどそれがなんなのか確かめたいってのもあって」
「無限の才能?聞いたことないわね。ステータス表示で説明は書いてないの?」
「それが、書いてないんだ」
「ふーん?」
リルはすこし浮かない顔をしながら首を傾げた
そして森厳に2人は到着した
森厳はとても大きく奥の方は日がすこしさしているくらいで薄暗い、風で木が揺れると怪しげな音を立てる。
空はリルの方を見ると顔が緊張からか固くなっているのがわかる。
「リル、大丈夫?」
そう空が聞くと
「大丈夫よ!でも薬草採取やりながらゴブリン達を討伐したことはあるけど、敵の本拠地まで入って討伐しに行くのは初めてなの足を引っ張ったらごめんね」
とすこし弱気な返事をしたので
「そんなこと気にしないで自由にリルの戦い方でやってよ!僕は今日はサポートだ、リルに怪我をさせないようにするからお互い頑張ろう」と励ましの言葉をかけつつリルが健闘できるよう言葉をかけた。
2人は森厳の奥に入っていった
するとすぐにゴブリン達が現れた
(スキル 鑑定)
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ゴブリン Lv.5
体力 60/60
攻撃力 60
防御力 50
魔法力 0
装備 ゴブリンのこん棒Lv.1
スキル 無し
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すかさず空が鑑定をする
「リル、ゴブリン5匹全員この前と同じだ!前衛任せるよ!」
「りょーかい!!」
リルは自信満々の返事をし、腰から片手剣にしては細い頭身をした剣を抜いた
「さぁー、いくわよ!」
リルがゴブリン達の方に突進をすると、ゴブリン達もこん棒を上げてリルの方に向かっていく。
リルはそのスピードのまま地面を蹴り、高く飛び上がりゴブリン達の背後につく、ゴブリン達が振り向く間も無く、1番後方のゴブリンの首を跳ね次々と倒した。
残るゴブリンは1匹。
ここまでで空は確信した。
(リルの連撃は4回だ。なら後1匹は僕が…!)
空は右手に火魔法弱を丸く溜めたそして、そのままゴブリンに放った。
(簡単な魔法だ、一瞬でも隙さえつければリルが倒す。)
「火炎球」
空の魔法はゴブリンの後頭部に当たった。
頭は吹き飛びはしなかったがゴブリンが倒れかけた。
すかさずリルが最後のゴブリンの首を跳ねた。
「リル、ありがとう!助かったよ!」
「こっちこそ、最後の魔法助かったわ!いいコンビね!」
そうリルが笑いながら言った
(よかった、緊張も解けたみたいだ)
2人はそのまま奥へと進んだ。
そのあとも2人は順調にゴブリンとコボルトを討伐していき気づけば
「ステータスオープン」
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所持金 4500ゴル
素材 ゴブリンの角×25
コボルトの爪×15
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「僕たち相当倒したみたいだね」
「ステータスオープン。本当だ!こんなにゴルとアイテム溜まってる!」
「リルのおかげだよ!魔力もあまり消費せずに来られた!そろそろ帰ろうか!」
「そうね!空の試したいことできなかったのは悪いけど私もすこし疲れたわ。」
そうゆうと2人は入り口の方に歩いていった。
すると後ろから
「逃げろーーー」
「こいつはやばい!全員逃げるんだーー!」
と冒険者の声がした。
2人は振り向くと冒険者達10人くらいがボロボロの装備と血だらけで走ってくる!
「リル!僕たちも行こう」
そう言うとリルは首を縦に振った
入り口に向かって走る冒険者と並行して走りながら空は何があったのか尋ねた
「はぁ…はぁ…あいつはやばい全員手傷を負わされ、5人が殺された。こんな森にいるなんて聞いてない!あいつはC級モンスター、ハイゴブリンナイトだ!!」
そう言うと後ろから草木を倒し、逃げる冒険者よりも速く追ってくる影が見えた。
ゴブリンにしては身長が高く、体格も良い、そして何より拳には白い布が巻いてあり殆どが赤く染まっていた。
そしてそのゴブリンは返り血でより忌々しさが増していた。
(どう考えても逃げるより追いつかれる方が早い!くそ!どーする!)
その時リルが立ち止まった
「私が戦う!!」
そしてリルはそのまま魔法詠唱に入った
「赤き虎よこの身に宿い全てを焼き尽くす牙となれ。紅蓮の炎に怯えて炭となるがいい!!」
「赤蒸天虎」
リルの赤い髪が蒸気で逆撫で、その周りを髪の毛よりも赤い火が包んでいく。
そしてリルは両手を開き前に出した、するとリルの後ろにあった火は回転しながらリルの両手を通り掌から放たれた。
放たれた瞬間赤い火は虎の形になりゴブリン目掛けて走っていくのであった。
その時冒険者が叫んだ
「あれは火の上位魔法だ!」
全員が立ち止まり勝利を確信したのだ。
たが空だけはリルが違うことを考えていた
リルが放った虎はゴブリンに直撃した…
と思われた。
ゴブリンの右のパンチと風圧で火の上位魔法はかき消されたのだ。
もちろんゴブリンも無傷ではない。
右の腕が重度の火傷を負っており遠目で見ても皮がめくれあがっているのが分かる。
「ガァァァァァァーーー」
とゴブリンが叫び止まっていた足がリルの方に動き出す。
リルは混乱。そして魔力を使い切り立ち竦んでいる。
「闇魔法」
と誰かがボソッと呟いた
「物体交換)(オブジェクトトレース)」
するとリルとゴブリンがこちらにくるときに倒した小さな木が入れ替わったのだ。
リルはゴブリンの後ろに。
そしてリルを殺そうとしたゴブリンは何が起きたのかわかっていない。
その目の前に空が立ち塞がったのだ。
「僕が相手になるぞ!亜人!」
(スキル 鑑定)
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ハイゴブリンナイト Lv.15
体力 600/1890
攻撃力 350
防御力 20
魔法力 15/60
スキル 爆拳
打撃の当たったものが爆発する
装備 バンテージ
スキル 攻撃+50%
属性攻撃-60%(魔力消費)
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(なるほどだからリルの魔法が効かなかったってことか!でも、魔法力も少ししかなければ次の魔法は防げないだろう!)
ゴブリンの左のパンチが空の方に向かってくる
空は間一髪でよけて後ろに後退した。
(思ったより早いな…スキル 爆拳で触れない方がいいのは分かった)
すかさずゴブリンは空に左のパンチを打っていく
「闇魔法 重力操作」
空は身軽になりゴブリンの拳は全くと言っていいほど当たらなくなった
「どうしたの?もお疲れた?」
そう、空が挑発するとゴブリンは突進してきたのだ
空が華麗に後ろに避けて右手を前に出した
「水、風魔法 風林水柱」
空の周りにでた8本の水の槍がゴブリンに剣先を向けた。そして風の力で水の槍がその場で渦を巻いた。そのまま風の力で威力強化された水の槍8本は瞬きの間にゴブリンを貫いていた。
「ふぅー疲れた。」
と右手の袖で額の汗を拭いた空
周りの冒険者は何が起こったのかも分からないまま唖然としていたが、数秒後に
「ウォォォォォーやったぞーー!」
と歓喜が沸いたのだ
そんな歓喜のなか空はすぐにリルの元へ近寄った。
「リル、大丈夫かい?」
「…あの場所を移動した魔法…空の…?」
「そうだよ。試したかったことっていうのは闇魔法がどれだけ使えるかだったんだ。でもリルが無事で本当に良かった。倒せたのはリルの火魔法のおかげだよありがとう。」
「次は…いいとこ渡しなさいよね」
と冗談を言えるほどの状態だったので空は安心した。
空はリルを背中に乗せ冒険者達と森厳を出たのだった。
「ステータスオープン」
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ステータス
真白 空(17) 男 ↑Lv.16/200
種族 人
職業 魔法剣士
体力 1620/1620↑
攻撃力 250↑
防御力 180↑
魔法力 300/300↑
使用可
魔法 火、水、風、光、闇
スキル 鑑定Lv.1→Lv3
この世のあらゆる物質を鑑定できる
スキル 無詠唱
詠唱無しで魔法使用可能
スキル 収納
素材や武器をアイテムボックスに
収納可能なお許容量は無限
ユニーク
スキル 魔力演算Lv.20/20
魔法同士の組み合わせができます
無限の才能
爆拳
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所持金 35000ゴル
素材 ゴブリンの角×25
コボルトの爪×15
ゴブリンバンテージ×1
ゴブリンの骨×1
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「へへっ。やった!」
空は笑って言った。