第34度 決着
ニコラの槍と空の黒炎の剣がぶつかり合った。
2人の周りには黒い炎と土埃が舞い散った。
2人とも後ろに跳び一旦後退
その間に空は付与魔法をした。
「闇魔法 重力操作」
空は自身を軽くし、身軽にした。
そしてニコラは槍の剣先を1本から3本。
つまりトライデントの形にしたのだ。
2人とも武器を構え、お互いの場所に走った。
槍の方が刀身が長い為、槍が空に向かって先に突き刺した。
空はそれを剣で受けた。
しかしもう一方の槍が空に向かってくる
空はそれをしゃがんで回避。
そして前に出てニコラの下から剣を振るった。
ニコラは槍を地面に刺し、それを支えにして飛び、空の攻撃を回避した。
その間に空は左手を前に出し、魔法を発動しようとした
だがニコラは槍を放ちその隙を与えない。
2人とも1歩も引かない戦いだ。
部屋の中はキンッ、キンッ、と金属音が鳴り響く。
空は魔法発動のために後退して戦うが、槍の二刀流であるニコラの槍捌きに引くことが出来なかった。
最初に均衡が崩れたのは空の方だった。
槍の刀身の長さと、二刀流による不規則な攻撃、さらにトライデントでの攻撃範囲の広さが空を追い詰めた。
それに空は魔法を出そうとしても出せない状況で、精神力と神経を削られていった。
ニコラの突き技に空が剣で受けたが、受けきれずトライデントで頬が斬られる。
そしてその隙にもう一方の槍が空に向かってくる。
空は避けきれず、脇腹に槍が刺さったのだ。
ニコラは槍を脇腹から抜き、言った。
「ここまでですね。」
ニコラは槍を掲げて、空に向け突き放った
しかし空は力を振り絞り、自身を回転させ剣を振り、弾いた。
頬と脇腹からは血が出ている。
空は立っているのに限界を感じでいた。
「…ま、…まだ終わってないぞ!!」
空は言った。
「強がりなのは分かります。今すぐにでも倒れそうじゃないですか。あなた如きがフラメル様の錬金術は扱えませんよ。」
「…どーゆう…ことだ?」
「どうせ死ぬなら教えましょう。私を倒すことが出来たらダンジョン攻略の証として私の持つスキル錬金術【地】が継承されます。それとレベル上限解放、それに、この世の知りたいことを1つ教えて差し上げます。私は全知なので。…ですがあなたは弱すぎる。その資格はなさそうですね。」
「…他のダンジョンクリア者も錬金術をもらったのか?」
「いいえ、違います。ほかの方々はゴーレムを倒して終わりです。先ほどのゴーレムは魔力感知が入っています。フラメル様は自分の魔力と波形が合う者は私のところに通すようにとゴーレムに錬金術をかけていたようです。他の方々もゴーレムを倒せばレベル上限開放はできるようですけどね。」
「そうゆうことか…。フラメルは何の目的でそんなことをしている!!」
「わかりません。主人の思想は全知の私をもってしてもわからないです。…さぁ、お話は終わりですね。楽にして差し上げます。」
ニコラは槍を掲げた。
空に突き刺した。
すると空の周りに黒い靄が漂った。
その靄はニコラの槍を塵とかしたのだ。
ニコラは驚きすぐに後退した。
「なんです!?それは。」
空の周りの靄は背中に周り、だんだんと翼の形に変形した。
すると空は顔を上げ言った。
「この技は4大禁忌の1つ。」
「闇魔法 天長主剣」
「そ、そんな大それた名の技があってたまるか!!ふざけるのも大概にしろ!それは天使に対しての罵倒だ!!」
ニコラは酷く怒り、槍を空に向け放り投げた。
しかしその槍は空に届くことなく塵になる。
「この技は僕が視認したものは全て塵となる。仲間がいると使えない技だ。」
そう言い空はニコラに向かって歩いていった。
「くそっ!!」
「錬金術 泥狼」
複数の泥の狼が精製され空に向かって走っていく。
だがそれすらも空の前では無に帰った。
「やめろ!来るな!それは天使じゃない!悪魔だ!」
「あぁ。それでもいい。」
空はニコラに近づき剣を振りかざした。
ニコラは一刀両断され塵となり勝負はついたのだ。
そしてリルたちを縛っていた土は解けた。
空の魔法も解け、闇の翼は消えていった。
空はリルたちの元へ行こうとしたが、足が動かなくなりその場で倒れた。
(…まずい…。この技は魔力消費が多すぎる…は、早くポーションを…)
そのまま空は意識を失ったのだ。
どのくらい眠っていただろうか、空に意識が戻り目を開けるとそこにはリルとヴァーナがいた。
「やっと目を覚ましたわね!大怪我してたからポーションを飲ませたのよ。」
「空様!!大丈夫ですか?どこか痛むところはありますか??」
リルとヴァーナが空にポーションを飲ませてくれたようだ。
「…ありがとう。…大丈夫。もお。大丈夫だよ。」
空はそう言ってゆっくり立ち上がった。
「私たちがやられた後1人であいつを倒してくれたのね。不甲斐ないわ…ごめんなさい。そして、ありがとう。」
リルが空の手を握って言った。
「私の方が役立たずでした。申し訳ありません。」
ヴァーナは空の前で頭を下げた。
「そんなこと言わないでよ。勝てたんだからいいんだよ!そんなことよりも聞いてほしいことがある!」
空はそう言って、ニコラから聞いた話を2人にした。
数分黙ってヴァーナが話した。
「…ダンジョンには隠し部屋があると言われています。それが真のボス部屋かどうかはわかりません。ですが誰もたどり着かなかったところに私たちがたどり着いたのならここが本当のボス部屋なのかもしれません。」
「フラメルはなぜ錬金術を授けるのかしら。何か秘密がありそうね。」
リルが不思議そうに言った
するとヴァーナは話し始めた
「昔、錬金術師は3人実在しました。不老不死の石を作った【ニコラ・フラメル】、その石が入った魔剣を作り、ホムンクルスも作った【パラケルスス】、そして魔力の5元素を解明した【ロバート・ボイル】です。この3人は神を脅かす存在として殺されています。もしかすると神や魔王に関係することかもしれませんね。」
突然部屋の中央から魔法陣が現れ光り出した。
空達は武器を構えた。
するとニコラと同じ姿をした者が半透明の映像で映し出されたのだ。
敵意はないことを確認して近づいてみると悠長に話し始めた。
「カルディアダンジョン攻略おめでとうございます。さて、攻略者の皆様はレベル上限が50解放されます。」
そう言われて空達はすぐにステータスを確認したところ200から250まで上限が上がっていた。
「次に、スキル錬金術【地】を授けたいと思います。最後に勝利なされた、黒髪のお方に差し上げます。」
空はステータスを確認すると錬金術【地】が手に入っていた。
「最後になりますが、あなた方が知りたい事を1つだけお答えさせていただきます。どうぞ。」
空達は話し合った。
「僕は知りたいことがありすぎて絞れない。…リルは何かある?」
「私も多すぎて絞らないわよ!ヴァーナは?」
「わ、私の質問などくだらないです。空様かリルさんがお使いください。」
空達は数分考えて言った
「女神カサンドラはなぜ封印された!?」
ニコラの形をした者は答えた
「……女神カサンドラは神、魔王、勇者の結末を予言で見ました。それを神に報告すると、神界から追放され魔王にあけ渡されます。すると魔王に予言の内容がバレ、封印されました。………以上です。」
そう言いその者は消えていった。
「結局見てはいけない予言を見たのかしら?」
リルが訳が分からずに聞いた
空も困惑しているようで答えられなかった。
「推測ですが、神、魔王、勇者の均衡が崩れるのではないですかね。」
ヴァーナは答えた。
するとまた中央に魔法陣が現れた。
どうやら空間魔法のようだ。
「とりあえず帰ってから情報を整理しよう!」
空はそう言って、3人で魔法陣の上に乗った。
魔法陣は光り輝き、3人の視界が真っ白に染まった。
そして目を開けるとそこはカルディアダンジョン入り口だった。




