第33話 ホムンクルスのニコラ
空達はカルディアダンジョン最下層最後のボス戦に挑んでいた。
現れたのは錬金術師フラメルに精製されたホムンクルスだった。
「リル?ホムンクルスって?」
空がリルに聞いた。
「ホムンクルスは、錬金術師が作った人造人間で生まれながらにして全知を持っていると言われているわ。実際に存在するなんて思わなかったけど。」
「そもそもホムンクルスを精製できる錬金術師は神シャダイだけでした。フラメルがホムンクルスの精製に成功しているのが事実なら天空神を脅かす存在になりますね。」
ヴァーナも答えた
「天空神とは誰?」
空が質問をする
「えーとですね…」
ヴァーナが答えようとするとニコラが攻めてきた。
「お喋りは終わりです。主人の命により排除します。」
ニコラは右腕を引き、リルに突き立てた。
すると腕の石から石の針が大量に放たれた。
リルは先見眼で先読みをし石の槍を華麗に避けた。
リルは宙で回転し避けながら魔法詠唱に入った
「赤き炎よ、この身の敵になるものを全て貫け!」
「火魔法 槍炎火」
リルの周りに3本の火の槍が現れたの、放たれた
ニコラは腕を地面に叩きつけると、地面が変形し石の壁が出来上がり攻撃を防いだ。
そして石の壁は崩れ中から2mほどの石の槍が出てきた。
ニコラはそれを手に取りリルに向かった。
ニコラの槍捌きにリルが剣で対抗する。
だが間合いの違いがリルを苦しめる。
リルの剣技をもってしてもニコラの槍捌きには遠く及ばなかった。
(まずいな…)
「ヴァーナ、僕も参戦してくる。後ろは任せた!」
空はリルの元へ走っていく。
「わかりました。」
ヴァーナは返事をした
ニコラは戦闘中にリルに話しかけてきた
「その剣技エブリス流ですか。火麗な舞で古から知られている流派だ。その剣技を使えるということはあなた…」
「うるさいわね!!口を開いてる暇なんてないわよ!!」
リルはニコラの言葉を遮った
「赤き火よ我に纏いその力を見せよ!」
「火魔法 身炎上火」
リルの剣、足に火が纏う。
リルのスピードは格段に上がった。
ニコラの槍の突きをリルは受け流し、そのまま回転して距離を詰めた。
「くらいなさい!!」
【剣技 火炎の渦】
リルは回転しながらニコラに向かい横に剣を振った。
しかしニコラは槍を持ち直し柄でリルの剣技を受け止めた。
ニコラは柄でリルの剣を弾き、リルとの距離を空け槍を回転させ槍の剣先をリルに向かい突き立てた。
リルはその槍捌きに圧倒され、守りがあまくなった。
リルの顔目掛け槍が一直線に迫る。
リルは何もできずに目を瞑った。
するとキンッと剣が弾く音がした。
目を開けると空の漆黒の剣が槍を弾いた。
「リル!大丈夫かい?」
空が横からニコラとリルの間に入り言った。
「…助かったわ。ありがとう空。」
リルと空は少し後退して距離を取った。
空はニコラに向かって言った
「2対1でも卑怯なんて言わないでくれよ。勝たなきゃいけないからね。」
ニコラは答えた。
「いいえ。そんなこと言いませんよ。それに私も本領発揮といきましょう。」
ニコラは地面に左手を置くと、そこに魔法陣が現れた。
そしてもう1本槍が精製されたのだ。
「私は元々二刀流です。いきますよ!」
空とリルに向かってきたニコラ
その槍捌きは目で追うのがやっとなほど速い
空とリルは距離が詰められず徐々に後退している。
(…まずいな。このままじゃジリ貧だ…)
空はニコラの槍を必死に捌きながら言った
「ヴァーナ!入れ替える!」
その一言でヴァーナとリルは理解した。
「青き獣よ、水蘭なるその姿で敵を駆逐しろ。」
ヴァーナが詠唱に入った
「闇魔法 物体交換」
するとヴァーナとニコラの位置が入れ替わった。
そしてヴァーナはニコラの方を振り向き魔法を放った。
「水魔法 水流白鯨」
一角をもつ鯨がニコラに放たれる
「風魔法 上風鶺鴒」
空が風魔法で巨大な鳥を作りヴァーナの魔法に放ち、組み合わさった。
鯨の一角から竜巻のような風が吹き、鯨全体を包んでいく。
その回転力と風力は周りの岩や石たちも巻き込む凄まじさだ。
そして魔法はニコラに一直線に放たれ、直撃した。
砂埃が舞い視界が霞む。
だがその中に黒い人の影があった。
そして砂埃を槍で斬り裂き、ニコラの姿が現れた。
(くそ、これでもダメか!)
空は悔しがる。
だが現れたニコラの姿は右足が無くなっていた。
「やったわよ!空!ヴァーナ!右足がなくなった分戦いやすいわ!」
リルは手応えが有り喜んだ。
ニコラの右足から魔法陣が出る。
すると地面が細長く持ち上がりニコラの右足と合わさった。
そして右足が精製されたのだ。
「…嘘でしょ。そんなの不死身じゃない!!」
リルが驚いている。
「ヴァーナ、どう思う?」
空がヴァーナに問いかける
「先ほどのゴーレムと似てますね。違いといえば魔法陣が出るか否か。…錬金術の類だと思います。」
(スキル 鑑定)
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ホムンクルスLv.68 ランクC
スキル 錬金術【地】
地面で思い通りのものが精製できる。
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「ヴァーナの読み通りだ!錬金術だ。地面があいつの武器だ!」
「地面?ということは属性は【地】ですか?厄介ですね。」
ヴァーナは言った
「錬金術に属性なんてあるの?」
リルが質問をした
だがニコラは待ってくれない。
地面に手を置き魔法陣が発動した。
「空様、リルさん説明は後です!きますよ!」
ヴァーナが言った。
すると地面が動き始め、泥の狼が現れた。
「そんなのもありなの!?」
リルが驚く。
「行け!!泥狼」
ニコラがそう言うと、狼たちは空達に向かって走り出した。
「くるぞ!30体はいる!僕とリルで倒す!こぼれた狼はヴァーナ!まかせたよ!」
空が指示を出した。
「闇魔法 闇剣斬三」
空の剣が漆黒に染まり、3本の闇のオーラが湧き上がる。
空が狼に向かって突っ込み、剣を振った。
空の魔法は闇のオーラが別で動き、1振りで4体は狼を倒していった。
【剣技、火蝶舞踊】
リルは自身に纏った炎でスピードを上げ1体1体を確実に倒していった。
その姿は火の蝶が華麗に舞っているようだった。
空とリルは狼を次々に倒していく。
それを見ていたニコラは右手を前に出し、錬金術を発動した。
「錬金術 地縛」
右手から放たれた土はリルに一直線に向かって行った
ヴァーナはそれに気づき急いでリルの元へ走る。
リルはニコラの錬金術に気づいた。
しかし、すでに避けきれない距離だった。
ニコラの放った土はリルに当たる直前に大きく開いた。
そしてそのまま後ろの壁まで直撃し、張り付いたのだ。
だがリルはヴァーナに押され。
ヴァーナが代わりにその攻撃を受けた。
壁に張り付いたヴァーナは口から血反吐を吐き、気を失っている。
リルはそれを見て怒りが湧いた。
「このやろぉぉ!!!」
リルの纏った炎は大きく燃え上がった。
リルの立っている地面は熱で溶けている。
そしてリルは全力でニコラの方に走った
そしてそのスピードのままリルは剣を振り抜いた。
ニコラは二つの槍で守ったが、リルの一太刀は強烈で、ニコラの槍もろとも斬り裂いた。
その一撃を食らったニコラ。
胸には斜めに大きな傷ができ、その周りは火が燃えており錬金術では治せなかった。
「まさか…ここまでとは。」
そう言いながらもニコラはまだ立っている。
リルは纏っていた炎が消えた。
そして全力の炎の反動なのか、リルはその場で膝をつき息が荒れた。
「…はぁ。…はぁ。…っ、倒れなさいよ!」
「…まだ倒れるわけにはいきません。」
ニコラは右手を出した
「錬金術 地縛」
リルに向かって土が放たれた。
そして直撃しヴァーナの隣の壁まで勢いよく飛び、壁に張り付いた。
リルは戦いの消耗のせいもあるのか気を失った。
「残るはあなた1人ですよ。」
ニコラは言った
空は狼たちを全て斬り裂き言った
「…はぁ。…はぁ。許さない!!」
ニコラは地面から槍を2本精製し、両手に持って空のほうに走った。
「火、闇魔法 黒刃炎斬!!」
空の剣は漆黒に染まり、刃から黒炎が湧き上がった。
そして空はその剣を構えてニコラに向かい走った。
カルディアダンジョン最下層地下5階層ボス部屋。
その中央で錬金術の槍と黒炎の剣がぶつかり合った。
投稿が遅れて申し訳ございません。
カルディアダンジョンは次の話で最後になります!
ニコラと空の決着わくわくしますね!
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