第31話 ルークミノタウロス
ダンジョン4階層
空達の前にルークミノタウロスが立ちはだかった。
ルークミノタウロスに吹き飛ばされたリルは頭から血を流していた。
だが、それでも立ち上がり剣を構えた
「…はぁ…はぁ。きなさい!まだ、終わってないわよ!」
ミノタウロスはリルの方を向き雄叫びを上げる
「ヴォォォォ!!」
(ミノタウロスの1発であそこまでまで消費するなんてこれ以上はリルの体力がもたない。)
「ヴァーナ!魔法で攻撃してこっちにミノタウロスを呼び寄せる!僕が先に1発入れるから、こっちに向かってきたらヴァーナの魔法で迎撃を頼む!行くぞ!」
「わかりました!」
ヴァーナは迎撃準備の為詠唱を行った
「水の獣よ水と共に流れその身で敵を削りとれ!」
「水魔法 水斬鮫」
ヴァーナの上に水の鮫が現れた
「水、風魔法 風林水柱」
空の周りに風の力で長回転した水の槍が10本、ミノタウロスに向かって放たれた
だが、ミノタウロスは空の魔法全てを斧を振り消し去った。
(…嘘だろ。全部を消し去るなんて…。!!まずい!リルの方へ行く!)
ミノタウロスはゆっくりリルの方に歩いていく。
「ヴァーナ次の魔法までつないでくれ!」
「わかりました!いっけー!」
水の鮫がミノタウロスに向かい放たれた
しかしミノタウロスはそれを拳でねじ伏せた。
「火、闇魔法 黒槍炎殺」
空の周りに10本の闇の槍が現れ、それを炎が纏い燃え上がる。
(これなら、当たった瞬間に消え去る!)
「くらえ!!!」
空が槍を放った
ミノタウロスはそれを斧で消し去ろうとするが途中でやめた
違和感に気づいたミノタウロスは身軽に飛び壁などをうまく使い全ての槍を避けた。
空は唖然としていた
(なんであんな巨体でそんなに軽く避けれるんだ…しかも僕の魔法は当たったらダメだと考える頭まであるのか!!)
リルはミノタウロスの隙を見て全力で突っ込んだ
空達の方を見ていたミノタウロスはリルの方を振り向いた
だがリルの方が速い、ミノタウロスの膝よりも下に姿勢を下げ、下から炎を纏った剣を振り上げた
【剣技 火天の昇竜】
リルは剣を下から上に一直線に振り上げた
剣から炎が吹き荒れ、ミノタウロスに当たったと思った
しかしミノタウロスは斬られる瞬間少し後ろに避けることにより致命傷を避けたのだ
だがミノタウロスの左脚から左肩にかけて1本の傷ができていた
リルは手応えの無さから次の技を出そうとした瞬間、リルの火の付与魔法が解けた
(今の私だと付与状態で出せる技は2つが限界なのね…!でも付与無しでもいける!)
そのまま上に振り上げた剣を右手の手首の切り返しで刃の向きを逆にし、ミノタウロスに向かって2歩前に出て切り裂こうとした。
だが付与無しのリルのスピードはミノタウロスのそれには劣ったのだ。
ミノタウロスの蹴りがリルの右の脇腹に入った
リルは吹き飛ばされ左の壁に激突
壁はえぐれリルがくいこんでいる。
空達の場所からリルの姿はちょうど見えない。
だが、えぐれた壁の足元近くから血が流れているのがわかった
「リルーッ!!!…よくも…よくも!!やってくれたなぁー!!!」
空は額に血管が浮き出るほど怒り、そして殺意が黒い殺気として空の周りを包んだ。
ヴァーナはその殺気に身震いした。
かける言葉も見つからないほど空は殺気を放っていた。
空は静かな声で言った
「…ヴァーナ。魔物とヴァーナの位置を入れ替えるこれを使ってリルを回復させてくれ。後は僕がやる。」
そう言ってスキルで収納していた紫色の特ポーションを渡した。
ヴァーナは何も言わずにそれを受け取った
「闇魔法 物体交換」
ミノタウロスとヴァーナの位置が変わる
そして目の前に現れたミノタウロスに空はすぐさま殴りかかった。
ミノタウロスは拳での攻撃に驚いたが、所詮拳の攻撃受けても平気だと思った。
そして斧を空の方に振ったのだ
「火、風、闇魔法 黒炎火風」
空の殴りかかった左腕に黒炎が渦を巻いて纏った
そしてミノタウロスに当たる瞬間
(スキル 爆拳、バジリスクの近縁種!)
空の左手はバジリスクの近縁種で硬質化されそして爆拳で爆ぜた
空の攻撃はミノタウロスのみぞおちに入り黒い炎が吹き荒れ爆発したのだ。
ミノタウロスは3mほど後方に吹き飛んだ
驚くべきは空だ、3つの系統の魔法を組み合わせ、さらに3つの魔法をスキル2つに組み合わせるという神業まで使ったのだ。
空の身長は175cm、それに対してミノタウロスは4mを超えてくる。
その巨体を3mは吹き飛ばした空の攻撃の威力は並外れていた。
ミノタウロスのみぞおちは丸く無くなっていて、穴が体を貫通していた。
ミノタウロスはそれでも立ち上がり咆哮を上げた。
「ヴォォォォ!!!」
それに対して空は剣を抜き、ミノタウロスに向かって構えた。
「闇魔法 闇剣斬三」
空の剣は漆黒に染まり、3本の黒のオーラが剣に漂っている。
空はミノタウロスに向かおうとしたその時。
リルが空の手を握った。
空の剣にかけていた魔法は解け、空はリルに抱きついた。
「…リル!リル!!リルがやられた時もおダメかと思った…。よかった…。」
「…大丈夫よ。心配してくれてありがとう。空。一緒に倒しましょう!」
空とリルはミノタウロスの方を向いた。
リルは右手、空は左手を前に出した
「赤き虎よこの身に宿い全てを焼き尽くす牙となれ。紅蓮の炎に怯えて炭となるがいい」
「赤蒸天虎」
「風魔法 風蛇尾巻」
リルが放った紅蓮の虎に空の風の蛇が巻きつく。
そして暴風吹き荒れる巨大な虎となり瀕死のミノタウロスを焼き払ったのだ。
空は剣を拾い、リルと一緒にヴァーナのところに歩いて行った。
「お2人ともご無事でなによりです。」
「ヴァーナ!回復ありがとね!とても助かったわ。」
リルがお礼を言う。
「ヴァーナ僕からもありがとう。」
空も続けてお礼を言った。
「…そんな。私は何もしていません。ただ見ていただけです。それでもお2人なら勝てると信じていました。」
ヴァーナは言った
3人は顔を見合わせてルークミノタウロス討伐に笑ったのだ。
そして3人は前へ進んだ。
するとルークミノタウロスが歩いてきた道から冒険者の鎧や武器が血塗れで落ちていた。
「これは!冒険者の物で間違い無いわ!」
「ルークミノタウロスは私たちと戦う前に他の冒険者と戦って殺してきたのかもしれませんね。」
(…そうか。あの血塗れの体は他の冒険者達の返り血だったのか。)
「…行こう。」
空がそう言って3人は先に進んだ。
そしてダンジョン地下4階層ボス部屋の前にきたのだった。
この世界は冒険者や魔物は殺されると黒い灰になって消えます。
冒険者は武器、装備などを残して、そして魔物はドロップアイテムなどを残して消えます。
ルークミノタウロス戦読んでいただきありがとうございました。
個人的にはリルと空の魔法が大好きです。




