第15話 会談に向けて
魔人ガルダが立ち去ると脅威が去ったおかげか空の肩の力が抜け地面に座り込んだ。
ローレンは剣を鞘に納め、空の元に歩いてきた
「空。また国を救ってくれたんだね!感謝するよ!」
「今は鎧着てるけどいいの?」
と空はニヤケながら冗談を言った。
「見られてないからOKさ!」
ローレンは片目を瞑り空に笑いかけた。
「王国までヴァイスに乗って戻ろう!」
と言うとローレンは白竜にまたがり、空に手を差し伸べた。
空は手を取り白竜に乗った。
白竜は翼を広げ大きく空に飛び立った
満天の星空の中とても美しい白竜が夜空を飛んでいる光景は幻想的で一生忘れないであろう光景であった。
王国に着くと北の大門の上に騎士団、冒険者、そしてリルの姿がみえた。
大門の上には竜は着陸できないので中央広場で着陸した。
するとローレンの竜を目撃していた北門の人たちが中央広場に押し寄せた。
「団長ー!!」
「おかえりなさいー!」
「敵は!敵はどーなったんだ!?」
など声が殺到する中、副団長カインが前に出てきてローレンの前に跪いた。
「お早いお付き心から感謝申し上げます。戦況の報告を…」
カインがこれまでの経緯を話そうとしたときローレンが口を開いた
「カイン!お前の働きとてもよかったぞ!!犠牲も最小限で減らし、その戦術見事!!そして!!皆のものよく聞け!この戦いは我らの勝利だ!!魔人の脅威は去ったのだ!!」
すると
「ウォォォォォ!!!」
と全員が雄叫びを上げた。
そこにリルが駆けつけ、空のもとへ走って、抱きついた。
「こんなにボロボロで!本当に心配したんだから……お帰り空。」
と涙を流しながら言った。
「ただいま。リル。」
空はそう言って返した。
ローレンはカインに言った。
「俺はこのまま国王の護衛任務に戻る!国王にこのことを伝え、明日夕方には戻ってくる。そのあとは会談を行うことになるだろう!カイン。そのつもりで段取りを組んでおけ!他の兵士、冒険者には休暇を与える!全員しっかりと休んでくれたまえ!」
「かしこまりました。」
と返事をするカイン
「空!明日の会談お前も参加しろ!団長として俺が許す!とりあえず今日はその子と一緒に宿に帰って休んでくれ。」
空と2人の時とは妙に口調が違うローレンに戸惑った空だが、団長としての立場があるんだろうと察した。
空はリルに肩を借りて宿まで歩いて行った
宿についた2人はそれぞれの自室で眠りに入った。
連日の疲れが溜まったのか次の日の昼まで2人とも寝ていた。
昼になり宿屋の主人に起こされた空、要件を聞くと騎士団が宿の前に来ているらしい。
騎士に会うと今日の会談の日程と場所、そして王国宮殿立ち入り許可書が2人分入っており、リルも参加していいとのことだった。
騎士は立ち去り、リルが起きてきたので事情を説明した。
「嘘!私も行っていいの?」
「そうみたいだね!少し緊張するなぁ」
「それよりも私たち装備も武器もボロボロね。これじゃ恥ずかしいわよ。」
「たしかに…ロックウルフ討伐のクエスト報酬もまだもらってないし、ギルドに行って報酬と素材を売ろう!」
「そうね!そのお金で装備一式とできれば武器も買いましょ!」
2人はギルドまで歩き出した。
街は昨日とは打って変わっていつもの明るい光景になっていた。
ギルドに着くとクエスト報酬、それにロックウルフ討伐と魔王軍の雑魚兵のドロップアイテムを売った。
素材になるものや鉱石などは武器に回すため売らずに取っておきギルドを後にした。
まずは装備を整えるためアンデル王国東の商店街にやってきた。
ここでは主に防具や服、鎧などが売っている
この世界では鎧などではなく硬度な素材で作った服に錬金術で付与魔法をかけるのが一般的らしい。
リルは2、3店舗ほど店を回ると
「これにするわ!」
と服を手に取って決めた。
黒のノースリーブのタートルネックに黒のスキニーパンツそれに赤のベルトが巻かれ腰から下がっている、そして靴は茶色のロングーブーツだ、ヒールはないので靴になっている、それと黒く赤の線が入った指が出てる手袋、そして最後に服の上からオーガの皮で出来た赤く黒の模様が入っているポンチョのようなものを着て完成だ。
どうやらオーガの皮は耐久性や防御力、防水、耐熱に優れているらしい。
鑑定で調べたところランクはBだった。
少し値段はしたが今回の戦いで懐に相当余裕ができたリルは迷わず購入した。
続いて空の買い物だが、空は母からもらった黒青白のコートが気に入っていて、これを修繕できないかと聞いて回っていた。
そのついでに青い線が入った黒のパンツに黒の靴に青い模様が入った靴、コートの下に着る暗めの灰色のシャツを買った。
空のコートの修繕は錬金術でもレベルの高い者ならできると情報をもらい2人はトルゴの元へ向かった。
トルゴの武器屋に着くと空のコートの事を相談した。
するとトルゴはすんなり受け入れ、錬金術で修繕、それに魔鉱石を使って精錬もしてくれた。
そしてリルの武器のことを相談し、フィレック鉱山で見つけた大量の鉱石を見せた。
「お、お前さん達!こりゃ相当レアなもん見つけたな!!」
トルゴは腰を抜かすほど驚いていた。
それは超レアアイテムとされるアダマント鉱石だった。
「アダマント鉱石で打った剣は刃こぼれしないと聞く!この量なら二本分は打てるから、空!お前のも製作してやる!」
2人は大喜びし、他の鉱石も置いていきトルゴに要望を伝えると会談に向かった。
そして身支度を整えた空達は、アンデル王国中央都市にそびえ立つアンデル宮殿に足を踏み入れた。




