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【71本目】アンタッチャブル(1987年・米)

 カポネ役が直前まで実写スーパーマリオことボブ・ホスキンスだったと知って衝撃だった、と同時に彼の役で真っ先にこれが思い浮かんだ自分に悲しくなった。




【感想】


 【キャリー】や【殺しのドレス】などで知られ、アクション映画監督としても【スカーフェイス】などの名作を世に出したブライアン・デ・パルマ監督が、1987年に発表したのが【アンタッチャブル】です。


 主人公の相棒兼兄貴分を演じたショーン・コネリーはこの映画でアカデミー助演男優賞を受賞し、アカデミー賞では他にも3部門にノミネートされています。


 僕がこれ見たの大学生くらいですが、びっくりするぐらいの王道物語に一気に心を掴まされましたね。


 


 この【アンタッチャブル(UNTOUCHABLE)】は本作の主人公であるエリオット・ネスの自伝を基にしており、同自伝を基にしたテレビドラマが1950年代に人気を博したことも、この映画が製作された理由となっているようです。


 ケビン・コスナーをスターダムへとのし上げ、アンディ・ガルシアの出世作にもなった本作ですが、公開当時はショーン・コネリーとロバート・デ・ニーロくらいしか有名じゃなかったっていうんだから笑っちゃいますよ。この映画がいかに当時の映画界に影響を与えたかっていうのがよくわかります。




 【アンタッチャブル】で面白いのは、本筋はわかりやすい勧善懲悪の物語でありながら、文脈は完全にギャング映画、という点です。むしろブルーレイでのインタビュー映像を見る限り、スタッフはギャング映画として作ってて勧善懲悪のシナリオの方が後にできた、という印象すら持ちます。


 デ・パルマ監督自身がギャング映画の金字塔【スカーフェイス】を製作しており、若い頃のヴィトー・コルレオーネことロバート・デ・ニーロが暗黒街の帝王の役をやってるんだからそりゃどう作ったってギャング映画の文脈になるだろという話なんですけど、実際に議員がギャングと癒着してたり、ウォレスが血みどろでつるされてる映像を見ると、改めて実感してしまいますね。


(デ・パルマ監督の最新作【ドミノ-復讐の咆哮】もグロ描写がめっちゃ気合入ってました)




 そして【タクシードライバー】のデ・ニーロが出演している映画なので、やはりギャング映画以上に、60年代、70年代のアメリカンニューシネマの匂いもうっすら漂っています。過剰ともいえる流血描写もその影響っぽいですね。


 ですがそんなニューシネマの雰囲気を漂わせるデ・ニーロ演じるカポネ相手に、ニュージェネレーションのケビン・コスナーが、007を演じたショーン・コネリー(=ニューシネマ以前の時代の象徴)に後押しされて立ち向かう、と言う構図は正に新しい世代が古い世代を打ち倒すという【革新】の構造で美しいんです。【ロッキー】とか【スター・ウォーズ】とか、アメリカンニューシネマを過去のものにしたって言われる映画って色々ありますけど、僕はある意味でこの【アンタッチャブル】こそがその称号にふさわしいと思っています。




【キャラについて】


 それぞれ性格や出自、劇中でたどる運命が異なるアンタッチャブルのあの4人のキャラクターも印象的なんですが、誰よりもデ・ニーロ演じるカポネが一番キャラが立っていた、と思うのは僕だけではないでしょう。


 自分に従わない店を平気で爆破する非道さや、幹部を集めた会合でいきなり制裁を加える残虐さに加え、ちょっとばかりのユーモアも備えているという、正にお手本のようなラスボスっぷりです。野球とかボクシングとかを喩えに出したりして、意外と大衆的な娯楽も好きなのかな?って思わせるところも意外性があっていい。


 一歩間違えれば陳腐になりかねないくらいベタベタな悪役ではありますけど、主人公のエリオット・ネスが公明正大で真っ直ぐな人物だからこそ、その真逆を行っていると思えば納得もできます。




 関係ないけど、デニーロって初めて知ったのがこの映画だから、【タクシードライバー】のトラヴィス観た時、「嘘だろ!?痩せすぎwwww」って思ったんだよな……カポネの方が太りすぎだっただけですね。




【好きなシーン】


 純粋な少女が犠牲となる冒頭の爆破(あれで一気にカポネ許せん!!ってなるからすごい)、ミスをした幹部への後頭部連続バッティングなど、挙げて行ったらキリがないかもしれませんね。




 でもなんといっても映画史に残る駅階段での銃撃戦のシーンは自分も手に汗握りましたね(死ぬまでにあの駅行きたいんだよなー……)。【戦艦ポチョムキン】のオマージュとして語られることが多い乳母車が階段を落ちていく(でそれをネスたちが救う)下りは、実はオマージュと言うだけではなく、基本真っ直ぐな正義漢でネス捜査官のキャラにもぴったり一致したアクションシーンだ、とデ・パルマ監督がインタビューで語っていたのには感動しましたよ。




 あの銃撃戦はもう一秒一秒が名シーンとして扱われてもいいレベルなんですが、


 個人的にはあのシーンで最も脳汁吹き出まくったのはネスの拳銃が弾切れになったところで即座にストーンが駆けつけて替えの銃をパス→ネスが受け取って柱に隠れた敵を倒す、って場面でしたね。


 仲間二人の死に報いようとして芽生えた絆が、あの高等過ぎる連係プレイに現れていたような気がしました。

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