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【49本目】アウト・オブ・サイト(1998年・米)

【感想】


 【ルパン三世】の銭形警部が20~30代くらいの美女だった場合、急にロミオとジュリエット感が出てきて不二子やクラリスと双璧をなすほどのヒロインになると思いません?


 それをやったのが、ジョージ・クルーニーとジェニファー・ロペスという二大スターが共演したこの映画です。




 犯罪小説に定評のある作家エルモア・レナードの小説を、【オーシャンズ】シリーズでおなじみのスティーブン・ソダーバーグか映画化した作品です。ちなみに【オーシャンズ】シリーズで名タッグとなる同監督とジョージ・クルーニーが初めてタッグを組んだ映画でもあります。


 1998年の全米映画批評家協会賞で作品賞を受賞したほか、アカデミー賞で脚色賞と編集賞の2部門にノミネートされた映画でもあります。




 【オーシャンズ】シリーズや2000年の映画【トラフィック】を観た方ならわかると思いますが、とにかく群像劇を書かせたらハリウッドではピカイチの監督です。この映画でも、一山当てようとする脱獄囚、脱獄囚を追う警官、脱獄囚と同じ目的で対立するチンピラ集団、という三つ巴の展開となり、ちょっとした宝探しものの様相を呈しています。




 でそこまでなら普通のクライムサスペンスかもしれませんが、その三つ巴の対立に男女の恋愛を絡めたところがこの映画の面白いところです。


 小説で主人公の男を魅了し、結果的に破滅させる女性のことを「ファム・ファタール」って言って、ギャング映画にもそういう女性がよく登場するんですけど、この【アウト・オブ・サイト】のジェニファー・ロペス演じるヒロインのカレンは、主人公の脱獄囚・ジャックを追う捜査官のライバルと、ジャックに惚れられるファム・ファタールを同時に担うキャラクターになっているのです。





【キャラについて】


 犯罪者と捜査官、決して交わることのないはずの二人の恋愛を軸にしていれば、当然キャラクターの相関図もその恋愛関係を中心に形作られることになります。


 犯罪者のジャックは捜査官のカレンをものにしようとしてしょっちゅう犯行計画から脱線するし、カレンも捜査という名目でジャックを追って、彼との駆け引きを楽しんでる。そこがこの映画のキモなわけですけど、簡単に結ばれると面白くないからジャックにはバディが、カレンには公権力の仲間たちがいて、両者をあくまで犯罪者と捜査官たらしめている、というのがキャラ設定として上手いです。


 そうういう脚本では、捜査官として応援しつつもちゃんとした彼氏を見つけてほしいと思っている、カレンの父親の独自の立ち位置も光りますね。中盤のマイケル・キートン演じるFBI捜査官とのやりとりを見る限り、明らかに娘の状況を見抜いてましたね。




 独自の哲学から、銃も何も使用せずに言葉だけで金を奪う、というスタイルで強盗を行うジャックの手法も、クルーニーの演技と相まって銀行強盗らしからぬスマートさでかっこいいですね(【さらば愛しきアウトロー】のレッドフォードもこの手のスマートな強盗だったな)。あと嫌なことに逢った後偶然銀行の看板が目に入って、秒で強盗やる決断力の早さもいい。




 あとダメキャラのグレンが、「あいつのサングラス姿を見たら俺はキレる」とか「あんな奴によく話したな」「あいつの話なんか誰も信じないさ」とか「あいつが計画を話しても、計画を変更したから問題ない」とか散々な言われようで、本人その場にいないのに勝手にキャラが立っていく光景がツボでしたw




【好きなシーン】


 初めてこの映画見た時から冒頭のシーンがずーっとツボにはまっていましてね……


 待ちゆく人々が皆整然としたリズムで歩くビジネス街のど真ん中で、我らがクルーニーがやけくそ気味に外したネクタイをおもっくそアスファルトにたたきつける光景をロングで撮った絵面と、そこで表示されるタイトルが……さらにタイトルロゴからその後まで延々流れてる、どこか間の抜けたBGM……


  後半であのブチギレにはちゃんとした理由があったことがわかるし、あの場面は前科者は簡単には足を洗えないっていうことを表現したそこそこ切ないシーンでもあります。でもそれはそれとして、クルーニーが演じるようなクールなおじさんが白昼堂々ネクタイを投げつける光景はインパクトデカすぎて思わず吹き出しましたし、あの絵面の強さが冒頭に来ることで一気に引き込まれましたね。そういう意味ではあのシーンだけで、この映画は【勝ち】ですね。




 あとはジッポライターを点ける現在のジャック→ジッポライターを点ける過去のジャックという具合に、時間軸の転換がスタイリッシュだったところ、後半のカレンとジャックの再会の場面で窓ガラスに映るジッポライターだけで誰が来たのかわかるところも高ポイントでした。

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