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【38本目】男たちの挽歌(1986年・香)

【プロジェクト・グーテンベルク】は大阪まで行って見れました。

まだ普通に別の県に遠出できた頃でした。

 【プロジェクト・グーテンベルグ】観たいのに近場の映画館でやってないんだよなー……




【感想】


 それまでジャッキー・チェンやサモハン・キンポーの功夫映画、あるいはマイケル・ホイのようなコメディ映画が主体だった香港映画界に、【香港ノワール】という新しいジャンルを築き上げた、今や世界の名匠、ジョン・ウー監督による名作映画です。


 1987年の香港アカデミー賞こと香港電影金像奨でも作品賞、主演男優賞を受賞しました。


 香港のみならず世界中で大ヒットしたこの映画は海外のクリエイターにも多くのファンがいる作品です。有名どころでは【マトリックス】のウォシャウスキー姉妹(元兄弟)がジョン・ウー映画のファンを公言しているほか、【カウボーイビバップ】や【ブラックラグーン】など、日本のアニメのリスペクト元にもなっています。


 ちなみに邦題は【男たちの挽歌】ですが、英題が【A Better Tomorrow】、原題が【英雄本色】と、三者三様って感じの様相を呈した異なるタイトルになっています。尚ジョン・ウー監督とプロデューサーのツイ・ハーク共に【男たちの挽歌】という邦題を結構気に入っているそうです。




 演出とか見てて思うのは、各国の色々なクライム映画、ギャング映画のリスペクトが見られるなってことですかね。派手な銃撃戦は西部劇などの伝統的ハリウッド映画から、バイオレンス描写ではアメリカンニューシネマや東映ヤクザ映画からって感じですけど、裏社会に生きる男の孤独や男同士の絆を描き切ったシナリオ、という意味でフレンチ・フィルム・ノワールからの影響が特に強いですね(女性の影の薄さもそう。エミリー・チュウはかわいいけど、シナリオ上必要だったかと言われると……)




 そういった各国ギャング映画のリスペクトを受けた作品だからこそ、定期的に流れる少年時代の思い出をよみがえらせるような穏やかな曲調の主題歌【當年情】がいっそう胸にしみます。ホーとキットの兄弟が対面するシーンで特にこの曲がよくかかるんですけど、【誰も信じられない裏社会で裏切られ、堕ちた人間でも、もしかしたら帰れる場所があるかもしれない】っていうこの映画のテーマを象徴する曲だと思います。




 後面白いのは、同時期のジャッキー映画とかよりよっぽど当時の香港の風俗について色々見えてくるってとこですかね。


 当時の香港の歌謡曲とか、食事シーンとか、帰宅後の家庭での過ごし方とか。


 バイオレンスアクションを印象付けるために平和な日常シーンを挿入した結果なんでしょうけど、それまで香港映画と言えば功夫映画だった自分は、この映画を観て「あぁ、香港の国の人々もしょっちゅう功夫アクションやってるわけじゃないんだな。普通の生活をする普通の人々なんだな」って当然のことに気づかされました。


 マフィア映画、やくざ映画みたいなのが海外でウケるのって、血みどろでインモラルなバトルが見られるからってだけじゃなくて、旅番組で映る海外では味わえないような、【生】とはちょっと違うかもしれないけど【俗】みたいなのが見られるってのも理由として大きいんじゃないでしょうか?




  あと個人的にはオープニングのカンパニーロゴが結構お気に入りです。バンッ……バンッ……バンッ……バンッ……でおなじみのゴールデンハーヴェスト社のカンパニーロゴに心つかまされたジャッキーファンも多いでしょうが、個人的にはシネマシティーカンパニーのロゴも同じくらいテンションが上がります。ピキーン!バーンバーンバーンバーン……ピキーン!バーンバーンバーンバーン……ピキーン!バーンバーンバーンバーン……




【好きなシーン】


 のちに起こる悲劇を知っていると、ホーとマークの中学生みたいなやりとりとか、ジャッキーのオーディションのくだりなど、冒頭部分でやたらコミカルなパートが目立つのが興味深いです。もちろん後から平和だった過去、と思わせるために過剰に明るく作られてるともいえるんですが、この映画が元祖香港ノワールと考えると、その平和でコミカルなパートから一気に血みどろバイオレンス映画へと展開していく流れはそのまま当時のジャッキー映画などのコミカル路線映画への挑戦とも取れるような気がしてきます。




 あと見るの2回目だと、キットなんだかんだ言って兄貴のこと大好きじゃん、ってことに気づきますね。出所後初めて遭った時「二度と顔見せるな!!」と吐き捨てておいて次会ったら「また来るから、香港を離れるなよ!」ってツンデレ発言にしか見えないw


 【Ⅱ】で速攻で前みたいに懐き倒してるシーンとか見ても思うけど、がなり立てては見せても内心では葛藤というか、ぶっちゃけ兄貴と昔みたいに接したい気持ちの方が勝ってたんだろうなって感じで見えてきます。

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