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【130本目】コーカサスの女虜、もしくはシューリクの新しい冒険(1967年、ソ)

 誘拐婚、コーカサス地方じゃ今でも割とメジャーな結婚方式なのか……




【感想】


 ソ連映画でいきます。


 ソ連時代の映画スタジオ・モスフィルムで製作された映画はその多くがYouTubeで無料で公開されています。


 尤もそれらの映画のほとんどは日本語字幕なし、あって英語字幕なんですけど、この映画だけなぜか日本語字幕付きで視聴できます(タイトルは微妙に違って【カフカスの虜、およびシューリクの新たなる冒険】だけど)。




 ソ連映画と言えばエイゼンシュテインの【戦艦ポチョムキン】みたいなプロパガンダ映画、タルコフスキーの【惑星ソラリス】【ストーカー】みたいな難解なSF映画(ストーカー某シアターの特集上映で見たけど眠気との戦いだった……)など重い内容の映画のイメージがあったんですが、こちらの長ったらしいタイトルの映画は当時大ヒットした大衆向けのコメディ映画です。かの独裁国家では、こんなノリの映画も製作されていたんだな、と思う程度のプチカルチャーショックはありました。




 物語は民俗学者、シューリクが民間伝承の調査のために赴いた北コーカサスで、様々な出会いとトラブルを経験する……という話です。途中までは明るい作風で物語のテンポもよく、僕も楽しく見てました。




 しかし中盤くらいで、悪役の一人から【嫁さらい】という言葉が飛び出し、この映画がいわゆる誘拐婚をテーマにした映画だと理解し、【えっ、これ滅茶苦茶重いテーマじゃない?こんな軽いノリで描いていいもんなの?】という戸惑いを持つことになります。その後ヒロイン(コーカサス出身)は結婚のために誘拐・監禁され、反抗した主人公は地方長官(花婿)に精神病院に入れられる、というイーストウッド映画を思わせるハードな展開にもかかわらず作品のトーン自体は明るいままなので、後半は結構長い時間感情が迷子になってましたw




 多分僕が60年代のハリウッド映画ほどには同時期のソ連映画をあまり見ていないせいで、同国の【ノリ】みたいなのを理解できていなかったことも関係してるんでしょうけど。




 結局ヒロインはシューリクによって救出され、意図せぬ結婚をさせようとした地方長官たちは法の裁きを受けるので映画らしいオチはつくんですけど、作風のわりにテーマが重すぎるためモヤモヤ感は残ります。




 またソ連の裁判所が、人権無視とはいえ北コーカサスの習慣を裁いてめでたしめでたし、というラストには(善悪は抜きにして)帝国主義的な要素を感じなくもない映画でしたね(まあここんとこは同時期のハリウッド映画も同じなんだけど)。




【好きなシーン】


 誘拐婚を画策してる地方長官とヒロインの叔父との、


「(結婚祝いに)無料旅行にも行きたい」


「シベリアへな」


「(微妙な反応)」


という会話がツボでした。当時からシベリアはそういう扱いだったんだなって感じでw




 あとヒロインの誉め言葉として「コムソモール(共産党の青年組織)にいる」が当たり前に使われてたのはいろいろ深読みしてしまうシーンでしたね。当時のモスフィルムというか、ソ連の検閲団体にとっては、そういう組織に所属する若者こそ「できる若者」として表彰したい人物像だったんだろうなー。

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