記憶保持して輪廻転生した俺はやりまくりの学園生活をおくりたい2
あたたかい水の中にいるような感じがした。
くるしくはないので息はできるようだ。
目は開いているのか閉じているのか真っ暗すぎてわからない。
口は動くには動くが声はでないようだ。
たしか俺はトラックにはねられてグロテスクな死に方をしたはずだ。ならばここは死後の世界なのだろうか?
とりあえず手の指を右手の小指から動かしてみる、その次は足の指だ。どうやら五体満足ではあるようだ。
「観自在菩薩。行深般若波羅蜜多時。照見五蘊皆空・・・」
心を落ち着かすためにとりあえず般若心経をとなえてみる。どうやら記憶は鮮明のようだ。
俺は意を決して脚を動かしてみた。すると近くに壁のようなやわらいかものあったようでそれにすぐぶつかった。
「あら、いまこの子おなかを蹴ったわ。健一君ににてやんちゃな子みたいね」
俺の下の方から女性の声がきこえた。幸いなことに他に人がいるようだ。
「なに言ってるんだ赤ん坊が腹を蹴るのなんて普通のことっだろ。」
「えーひどぉい健一君には生命の感動とかないのぉ」
今の会話を耳にし俺は現状を理解した。どうやら俺は輪廻転生し赤ん坊として生まれ変わったようだ。
宗教というものは信じたことはなかったが。どうやら仏教の死生観はわりと正しかったようだ。
サンキュー釈迦だ。いや正確にはこういった死生観は釈迦が死んだ後に付け加えられた思想だったような気がしなくもないが、そんなことはどうでもいい。
今重要なのは俺が記憶を保持したまま赤ん坊からやりなおせるってことだ。
なぜ記憶があるのかはよくわからないが、もしかしたら魂より先に体がぶっ壊れるような死に方をしたからかもしれない、サンキュートッラクの運ちゃん。そのせいで禁固刑か罰金くらったろうけど。
般若心境を覚えていたということは。今の俺には大学受験のために必死に勉強し、社会人になってからもいろいろと本を読んだ知識が全部あるってことだ。
よしこれならやりまくり学園生活も夢じゃない。
過去に転生してたら般若心境を産まれてすぐとなえて神童コースもありだけどな。