表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

隠す理由

作者: 伊月煌

twitterでのやり取り第二弾。

短いです。すみません。

グレイが怪我を隠すようになったのはいつ頃のことだったろうか。

ああ、そうだ。

俺を庇って怪我して以来だっただろうか。


***


俺シャラとグレイがコンビを組んで共闘するようになったのは1年ほど前のことだった。

俺たちの任務は基本的に2人一組で行動する。1年前にお互い空きができてしまって、仕方なく組んだのがきっかけだった。

お互い干渉しすぎない性格だったのか、気が合った。

そんなときとある戦闘時に俺を庇ってグレイが腕を撃たれた。

「っ!?」

「おいっ!!グレイ!!」

慌てて駆け寄った俺をグレイはうっとおしそうに見た。

「んなもん、なんともねえから。」

止血帯をぎゅっときつく縛ったグレイは立ち上がった。

俺を、庇ったから。

俺は何も考えられずにただ、立ち尽くしていた。

「シャラ!!」

グレイの大きな声でふと我に返る。

「しっかりしろ。なんともねえから。」

ぽん、と肩を叩いて再び戦闘態勢に入る。

「片づけんぞ。」

グレイの姿を見て、俺も戦闘態勢に入った。

ああ、そうか。

これを見て、俺が呆然としているさまを見て、こいつは怪我を隠そうとしているのか。


***


「おい、グレイ。」

ある日、隊舎に戻った後、俺はグレイに声をかけた。

「んあ?」

「お前さ、隠しきれてると思ってんの?」

腕をつかんでそう言うと、何を言われているのかわかったのか、途端に機嫌が悪くなった。

「っ…うるせえな…」

「今日、足庇って任務してたろ。」

「うっせえっつってんだろ!?」

グレイの声が大きくなる。

後ろめたいことがあると(俺限定だが)機嫌が悪くなるのがグレイの癖だ。

俺は大きくため息をついた。

そして、

「お前…いい加減にしろよ。怪我されてるとこっちが迷惑なんだよ。」

声を低くして、こう言うとグレイが一瞬怯む。

「っ…お、俺が死んだとしてもシャラには関係ないだろ!?」

「関係ないだぁ…?」

さらに低いトーンの俺の声にあ、まずいとグレイが顔をしかめた。

「本気で言ってんのか、貴様?」

「っ……」

黙り込んだグレイを見て俺は再びため息をついた。

「足、見てやるから。俺の部屋な。」

「っ……」

黙り込んでしまったグレイを見てしまったかな、と思った。

「……痛く、すんなよ。」

グレイの顔を覗き込むと小さな声でそう言った。

「はは、わかったよ。」

俺はグレイの肩をポンポンと叩いて一足先に部屋に戻った。




本当はシャラ側の気持ちも書きたかったんですけど、ちょっと体力が持ちませんで。すみません。

気が向けばまた何か書くかもしれません。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ