第6話
雪がなぜ怒って帰ってしまったのか分からないままだった雄馬だったが、、、!
朝起きると、身支度をさっさと済ませ、学校へと向かった。学校に着くと、一樹のクラスメイトで親友の勇気が話をかけてきた。
『おはよー、一樹!なんだお前、目の下に隈出来てんぞー、なぁーに、夜更ししてたんだー?』
『別になんもー。』
『もしかして昨日、雪と喧嘩でもしたかー?』
勇気は俺が何も言わずとも察していた。勇気は一樹の親友である訳だし、試しに相談してみようと思い、昨日の学校からの帰り道で雪と話したこと、それから、雪が怒って帰ってしまったことを話した。
すると勇気は、俺に真剣な顔で質問をしてきた。
『お前は雪のことが好きなんだろう?もし、お前が雪に言ったことと同じことを、逆に、お前が雪に言われたらさ、お前はどう思う?』
『どうって、、そんなこと、、雪の気持ちが分からない、むしろ、雪は俺には興味がないんじゃないかって思う。そ、、そっか!なんでこんな簡単なこと、分かんなかったんだろう!あんがと!勇気!』
『おう!大して俺は、何にもしてないけどな!頑張れよ、一樹!』
『おう!本当にあんがとー!』
俺は自分本位でしか考えていなかった。だから、何も見えてこなかった。いくら決まったシナリオがあっても、俺が雪のことを考えようと自分にではなく、雪に目を向けないと、気持ちが届くことも、心が通じ合うこともないことに初めて気が付いたのだった。
“俺が変えようとしないと何も変わらないんだ”
そう思った俺は、今の自分の気持ちを雪に伝えようと、教室の中で、雪の姿を探したが、どこにもおらず、雪は欠席している様子だった。俺は、勇気に、担任の先生には、早退したと伝えて欲しいと頼むと、走って雪の家へと向かった。
雪としっかり向き合う決意を胸に雄馬は、雪の元へと走り出した!