第4話
1度間違えてオール削除してしまいましたが、めげずに、もう一度書きました!
読んでみてください。
学校に着くと、雪と俺が二人で日直であることが黒板に書かれていた。
それを見て、見覚えのあるシチュエーションが頭の中に浮かび上がった。
この世界の元になっているアニメでは、雪と一樹が一緒に日直の日、教室で教卓の前に出て、ホームルームの進行を任されるのだが、その時にクラスメイトに、ラブラブな二人などと冷やかされ、頭に血が上った一樹は、こう言った。
『ちげーよ!誰がこんな男勝りな気の強い女!彼女にするなら、もっと、おしとやかで可愛い女を彼女にするよ!』
その後、一樹のその言葉で傷付いた雪は、一樹と距離を置くようになっていくというストーリーだった。
そのシチュエーション通りになることを想定して俺はホームルームまでに、乏しい恋愛経験ながらも、死に物狂いで、雪を傷付けない言葉を考える決意をした。
数十分後、考えに考え抜いた結果、言葉が浮かんだが、その考え抜いた言葉にすらまだ、迷っていたが、全く時間はなかった。
そんな中、教卓の前に立ち、俺の想定通りの展開となり、クラスメイトは雪と俺を冷やかし始めた
。
『ヒューヒュー!ラブラブじゃないの〜!お二人さん!』
その冷やかしを担任の教師は、咳払いを二つして
、聞こえないフリをしていた。
隣にいた雪は、今回ばかりは顔を赤らめて、下を向いていた。
そして俺はここぞとばかりに、考え抜いた言葉を吐き出した。
『うるせー!こいつには俺なんかより、もっとふさわしい男がいるし、とにかく、すげー優しくてイイ女なんだよ!だから、笑い者にするなら、俺だけにしとけ!』
『ちぇ、なーにムキになってんの?ちょっと冗談言っただけじゃん。』
クラスメイトはばつが悪そうにしていたが、その場は、おさまったのだった。
それから数時間後、授業などを終えて、帰宅しようとすると、雪が一緒に帰ろうと俺を誘ってきた
。
その帰り道、先に口を開いたのは雪だった。
『朝は、ありがと。』
『いいんだ。思った通りのこと言っただけだし。あんなガキの言うこと気にすんなよ!』
『ガキって、、同い年だけどね。』
『そ、そっか、そうだったね!』
『そんなことよりさ、一樹が言ってた、私にはもっとふさわしい男がいるって、どういう意味?
『いや、それは、そのままの意味だよ。雪は気が強いけど、優しくてイイ女だ。』
『何それ。答えになってないよ。一樹にとってさ
、私ってどういう、、もういい、一樹の馬鹿!』
そういうと雪は走って行ってしまった。
俺が短時間でだが、死に物狂いで考え抜いた言葉は、結局、雪を傷付ける結果となってしまったのだった。