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水が僅かながら動き始めた。


鈍いながらも破壊力のある動きだが、依琉は紙一重でひょうひょうとかわす。


かわしたせいか、おかげか。


コンクリートの床や金網には攻撃の跡が痛々しく残っている。


けれどもそのことを気にした様子も無く、依琉はかわしまくる。


――そして。


やがて攻撃の為に引き上げた水の合間から、頭部が出てきた。


それに狙いを定め、スイッチを押す。


「吸引」 


 ぐあああああっ!


頭部と共に、赤い水もレンズに吸い込まれる。


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