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06 第五話 菊の紋章を掲げし駆逐艦

大和

「時風?・・・艦魂?・・・」


少女こと時風

「そう、私はこの駆逐艦の艦魂、時風です」


時風は大和に近づきそう言った


大和

「(ち、近い・・・)えっと・・・時風さんだったけ?、艦魂ってのは一体何なんだい」?


大和は時風に艦魂とは何か聞いた


時風

「艦魂を知らないですか、でも艦魂を初めて見た人だから仕方無いか・・・」


艦魂とは?


それぞれの船には人格が宿り、船の航海の安全をいつも伺っている精霊と言われている

船舶せんぱくの魂なら船魂せんこん艦艇かんていの魂なら艦魂かんこんと呼ばれる

その容姿は若い女性と言われており、艦魂を見える者はある条件を満たしてなければならないのである

軍艦を深く愛している者、霊感が強い者、艦魂との波長が合う者など、これらの条件を一つでも満たしていれば艦魂を見れると言われている


時風

「これが、人間の人達に言い伝えられてる伝説です」


大和

「で、でもなぁ・・・いきなり艦魂だなんて言われてもなぁ~・・・」


時風

「信じませんか」?


時風が大和の顔の近くまで、自分の顔を近づけて言った


大和

「な、何か証拠を出してくれなきゃあ・・・ね」


大和がそう言うと、時風が手のひらを出した、すると・・・


ポトッ!


大和

「んん」!?


何も無い空間からリンゴが時風の手のひらに出て来た


時風

「私達艦魂の能力です・・・空間から私が思った物を出せる事が出来るんです、どうぞ」


そのリンゴを渡しながら時風が言う


大和

「食べても大丈夫・・・なんだよね」?


時風

「害はありません、夢の中で食べてると解釈して頂ければいいでしょう」


大和

「成程・・・」


そう言って大和がリンゴを口に入れた


大和

「(シャクッ、モグモグ)・・・う、旨い」


時風

「これで私が艦魂だって事を信じてもらえましたか」?


大和

「あ、あぁ、信じるよ・・・時風さん」


時風

「時風でいいですよ」


大和

「分かったよ時風・・・所で、君に聞きたい事があるんだけど」?


リンゴを全部食べて、大和が時風に質問した


時風

「何ですか」?


大和

「君がこの艦艇の艦魂ならどうしてここにいるんだ?・・・その前に、どうして君は俺を呼んだんだい」?


大和が聞くと、時風は答えた


時風

「・・・私との波長が合う人が貴方だったんです、でも中々届かなくって・・・今日やっと私の声が届いたんです、そしてここに呼んだんです、何故だか分からりませんけど、貴方はあの人とも波長とそっくりでした」


大和

「あの人」?


時風

「・・・次の質問をお答えします」


時風が話しを逸らした、大和はこれ以上聞かない方がいいと思った


時風

「私がここにいるのは、私が極秘設計された駆逐艦だったからです、ここはその施設の一つで、陸海軍共同で使ってました、陸軍はこの地下ドックで試作戦車や航空機、海軍は新型の砲弾やドイツから伊号潜水艦で運んで来たドイツ製の銃器などを改良して日本人仕様にしたり、色々な研究、開発がされてました・・・私はその内の一つです」


大和

「ちょ、ちょっと待ってくれ、さっき懐中電灯で全部見たけど航空機や戦車なんて無かったぞ」?


時風

「ここでは無くて私の後ろにある空間に置いてあります、最終的に全部ここに置いて行きましたから今でも残ってる筈です・・・」


大和

「へぇ~・・・」


時風

「よかったら私の性能表がありますけど、見ますか」?


そう言いながら、空間から紙を出す時風


大和

「性能表」?


大和はそれを受け取って読んで見た


試作特殊駆逐艦しさくとくしゅくちくかん時風ときかぜ

性能

基準排水量 2500トン 満載 3400トン

全長 120メートル

全幅 12メートル

速力 38ノット(時速約68キロ) 噴流機関使用時60ノット(時速約108キロ)

機関 五式艦本式タービン2基 五式試製ごしきしせい噴流機関ふんりゅうきかん2基

航続距離 20ノットで約8000海里

装甲 甲板6センチ 舷側12センチ

乗員 220名

武装 

14センチ80口径連装主砲2基

60センチ4連装魚雷発射管2基

80センチ爆雷投射機2基

40ミリ8連装機関砲4基

25ミリ3連装機関砲10基

25ミリ単装機関砲4基

13ミリ連装機関銃4基

同型艦 一番艦・時風ときかぜ 二番艦時波・(ときなみ) 三番艦・とき


大和

「これって・・・」


大和は性能表を見て驚くしかなかった


時風

「これが私の性能です・・・試作用の兵器や機関を大量に塔載しているんです、簡単に言えば実験艦です」


大和

「これは凄いな・・・」


時風

「それだけではありません・・・私の船首には・・・」


大和

「船首には」?


時風

「・・・付いてきてください(ガシッ)」


大和

「えっ」?


そう言って時風が大和の手を取った


すうると、二人は光に包まれて部屋から消えた


駆逐艦時風艦首部分にて・・・


時風

「ここが艦首です」


大和

「い、今のは・・・」?


時風

「艦魂の能力の一つ、転移能力です・・・艦から艦へは自由に行けますけど、それ以外だと制限されてしまうんです、それよりこれを」


そう言って時風が艦手部分を指した


大和

「ここに何が」?


大和が艦手部分を覗き込んだ、そこには・・・


大和

「こ、これは・・・」


大和は言葉を失った、金色に輝く16文菊の紋章だった


大和

「・・・大日本帝国海軍の艦艇では、戦艦、航空母艦、巡洋艦にしか付ける事を許されなかった16文菊の紋章・・・どうして君の艦艇にこれが」?


時風

「私がそれ程重要な艦艇だったのでしょう・・・駆逐艦としては初めて私に付けられました、戦局を打開する最終兵器として・・・」


大和

「最終兵器・・・・・」


次回へ

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