05 第四話 永き眠りから覚めし戦姫
謎の軍艦があるドックにて・・・
大和
「何かないかなぁっと・・・おっ、いいのがあった」
そう言って大和がガラクタの山を漁ると、古ぼけたハシゴを見つけた
大和
「今にも折れそうだけど、これしか無いからな」
大和がハシゴを軍艦に向かって倒した、ハシゴは軍艦に架かり、なんとか渡れるようになった
声
「(それを渡って・・・)」
大和
「分かったよ」
そう言って大和がハシゴを渡り始めた、一歩一歩足を踏み出すと、ハシゴはギシギシ音を立てて、今にも折れそうな状態だった
大和
「これは・・・スリルがあるな・・・ん」?
大和が渡っていると懐中電灯が下を向いた、照らし出された下の海面にある物を見付けた
大和
「あれは・・・っ!?ほ、骨」!?
海面の中に照らし出されていたのは人間の頭蓋骨だった、
大和
「な、何であんな所に骨が・・・」
声
「(それを恐れず進んで・・・)」
謎の声が大和を励まし、大和はゆっくりと進み始めた、そして・・・
大和
「わ、渡ったぁ~」
バキッ!バッシャアアアアアン!!!
大和がハシゴを渡り終えた、すると架けてあったハシゴが、真っ二つに折れて、下の海に落ちた
大和
「後一歩遅かったら俺も落ちてたな・・・」
そう言って息を飲む大和、大和が乗った場所は、艦尾の長い大砲の近くだった
声
「(・・・ようこそ我が艦へ、その場所の近くに扉があります、その扉の中に入って下に一つ降りてください、後はその降りた所から艦橋側に向かって来てください、その先に扉がありますので、そこに入って来てください)」
大和
「扉?・・・あれか・・・」
大和が扉を見つけ、その扉を開けて中に入った、中には先ほどの海面で見付けた骸骨が沢山転がっていた、壁には血しぶきの後がある
大和
「これは酷いな・・・一体何があったんだ」?
大和が骸骨を見て呟いた、骸骨の近くには銃の空薬莢がちらほらと落ちている
大和
「・・・銃撃戦かな」?
そうこうしている内に、謎の声で言われた扉に着いた
大和
「ここか・・・」
ギイィイイイ・・・
大和が扉を開けて中に入った、その部屋は軍艦の中としてはとても広い部屋だった
この部屋にも骸骨がちらほらとあり、血しぶきの後もあった
大和
「これは酷いなぁ・・・銃撃戦じゃなくて虐殺されたんだろうか・・・ん」?
大和が辺りを照らしていると、ある物を見付けた
大和
「棺」?
大和が懐中電灯で照らして見付けた物は、白い棺だったその棺は丁度部屋の真ん中に置いてあった
大和
「何でこんな所に棺が・・・」?
声
「(その棺を開けてください・・・そこに私がいます)」
大和
「何だって?・・・ヨシッ」!
ギギ、ギィィイイイイイイイイイイイイ・・・・・・
大和が棺に手を掛け、ゆっくりとその棺の蓋を開けた
大和
「ふぅ・・・んん」!?
大和は棺を開けて驚いた、中には水兵服を着ている少女が眠っていたのである、その姿はまだ生きているようにも見えた
大和
「この娘は一体・・・他の骸骨とかじゃ無いな・・・ミイラでも無いし・・・でも・・・綺麗な顔をしている・・・」
大和は少女を見て呟いた、すると・・・
少女
「ん・・・」
大和
「っ」!?
大和が少女を見つめていると、少女はゆっくりと目を開けた
大和
「な、な、な、な・・・」
大和が驚いて声も出なかった
少女
「・・・・・・・・・」
少女は無言のまま、大和を見た
大和
「あ・・・あぁ・・・」
少女
「・・・(ストンッ)」
大和は驚き過ぎて後ろに後ずさりした、少女は棺から出て大和に近づいた
少女
「・・・貴方は、どなたですか」?
少女は大和に近づいて、そう聞いた
大和
「お、俺の名前は矢野大和・・・き、君は」?
大和は少女の名前を聞いた、少女はゆっくりと答えた
少女
「・・・私の名前は時風・・・大日本帝国海軍試作駆逐艦時風型一番艦時風の艦魂です」
大和
「時風?・・・艦魂・・・」?
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