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隠された最強の物語  作者: 沼口ちるの
本編

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第十話:義妹、大魔王となる。終焉と創造のハーレム

時空リセット後の、静かなる宣戦布告

時空リセット後のリビングは、ディスコの痕跡も母のアフロカツラもなく、完全に元通りになっていた。ヒロインたちは皆、「なぜか今日は気分がいい」という表情で帰路についている。


僕と和泉は、キスをした事実を共有し、お互いに顔を見合わせるたびに頬が熱くなる状態だ。僕の「凡人カモフラージュ」は、和泉の前では完全に破綻した。


夜。僕は自室で、佐倉から送られてきた緊急メッセージを読んでいた。


「神代。君がキスで時空を歪めた際、能力の残滓が君の最も親しい人物の『最も強烈な願望』を物理的に増幅させた可能性がある。警戒しろ。」


僕の最も親しい人物――それは、義妹の莉子だ。そして、莉子の最も強烈な願望は、「悠真兄を独占し、未来の自分に勝つこと」。


その瞬間、自室のドアが、稲妻のような光を放ちながら開いた。


「フフフ……目覚めたぞ、悠真よ」


そこに立っていたのは、いつもの制服姿ではなく、黒と深紅の豪華なドレスを身にまとい、頭には漆黒のティアラを戴いた莉子だった。


彼女の瞳は金色のオーラを放ち、周囲の空気が、熱と圧力で歪んでいる。


「莉子……その格好は?」


「驚いているのか、我が最愛の兄よ。この力は、貴様が我に与えたもの。わらわは今、貴様の『運命の管理者』となった。名は、『ハーレム大魔王 リコリス・カミシロ』」


僕の能力暴走が、莉子の中二病的な願望と兄への独占欲を増幅させ、「ハーレム大魔王」というキャラクターを創造してしまったのだ。


「大魔王だと!? ふざけるな! 元に戻れ、莉子!」


「遅い! 兄よ。妾は貴様の力を借りて、世界を『貴様と妾の愛の城』にする! まずは、貴様を誑かす全てのめすを、妾の配下に変えてくれるわ!」


莉子リコリスが手をかざすと、僕の部屋の窓の外に、巨大な魔方陣が展開し始めた。


大魔王の最初の一手と、月島会長の変貌

翌日。学校はカオスに包まれた。


「神代先輩! 佐藤は、魔王様の四天王として、先輩のカメ(メロンパン)の世話を完璧にします!」


メロンパン(カメ)に、小さな漆黒の鎧が装着されていた。カメの進化が、魔王軍の幹部と化している。


そして、職員室の前で、僕は佐倉と、白いローブを纏った月島恵那生徒会長に出くわした。


「神代。最悪だ。君の義妹が『ハーレム大魔王』として、学校の生徒全員に『魔王軍幹部』あるいは『勇者の従者』の役割を与え始めた」


月島会長は、僕の顔を真っ直ぐ見つめた。


「神代くん。私は今、光の騎士団団長『エナ・ツキシマ』よ。あなたの周囲の闇の勢力(大魔王)を打ち滅ぼし、あなたを光の王として導くわ!」


月島会長の規則を重んじる性質が、「正義の騎士団長」という形で増幅されたのだ。


「佐倉、君は!?」


「私は変わらない。私は『観測者』だ。だが、私の役割は今、『魔王軍と騎士団の戦いの記録と、君のハーレム度の計測』に変わった」


佐倉は、抹茶プロテインバーを剣に見立てて構えた。


「神代よ。大魔王リコリスは、君がキスした和泉咲を、『光の王の聖女』として捕縛し、『闇の王妃』に変えるつもりだ。至急、図書館へ行け!」


騎士団長との協力と、強制テレポート

僕は図書館へ急いだ。騎士団長の月島会長が、僕の腕を掴んだ。


「神代くん、行きましょう。私は光の結界であなたの身を守るわ。私の力が、あなたを守る最強の盾よ!」


僕の能力が、月島会長の潜在的な独占欲を増幅させ、彼女を僕の完璧なガード役に変えたのだ。


僕と月島会長が、肩を寄せ合うようにして図書館の奥へ進むと、その通路が、突如として洞窟のような通路へと変わった。


「これは、魔王の罠ね!」月島会長が剣(生徒手帳)を構える。


すると、背後から強い力が僕たちを押し出した。


『ヒャッハー! 兄様を邪魔する光の雌は、許さないぜ!』


それは、バレー部キャプテンだった。彼女は『魔王軍特攻隊長』として、ヘルメットと革ジャンを身に纏い、僕たちに突進してきた。


「神代! 私の特攻体当たりを食らえ! そして、私との愛の契約を結ぶのだ!」


僕は、キャプテンのタックルを避けるため、月島会長を抱きかかえ、即座にテレポートを発動させた。


目的: この場から脱出し、和泉のいる安全な場所へ移動する。


しかし、僕の能力は、「安全」ではなく、「究極のいちゃいちゃイベント」を求めた。


僕と月島会長がテレポートした先は、図書館の古書が山積みになった、狭い秘密の小部屋だった。


そして、その小部屋には、すでに和泉咲がいた。


和泉は、白いドレスを身に纏い、鎖に繋がれて、天井から吊るされていた。彼女は、「闇の王妃」に変貌させられる直前の、「聖女」として捕縛されていたのだ。


「神代くん……」和泉は涙を浮かべた。


そして、僕と月島会長は、和泉の吊るされた真下で、極限まで密着して、倒れ込んでいた。


「神代くん! 私を抱きしめるなんて、大胆ね!」月島会長が顔を赤らめる。


(くそっ! なんでいつも密着なんだ!)


僕の能力は、大魔王の創造と同時に、「ヒロインを助けるフリをして、密着する」という、最強の受難を僕に与え続けた。

神代悠真です。僕は今、大魔王リコリス(義妹)が作り出した「愛のダンジョン」の奥深く、聖女(和泉)の真下で、光の騎士団長(月島会長)と密着しています。


能力が暴走するたびに、僕のハーレムがキャラクター化し、世界がロールプレイングゲームと化しています。僕の能力は、「最強のハーレム展開創造エンジン」として、完全に機能している。


莉子、なんで大魔王なんだよ。しかも、和泉を鎖で吊るすなんて、趣味が悪すぎる。


この状況を打開するには、僕が「光の王」として覚醒して、大魔王リコリスと戦うしかないんでしょうか? もし戦うことになったら、僕の能力はきっと「大魔王と光の王の、公開イチャイチャバトル」を演出するでしょう。


次にこの狭い部屋に誰が乱入してくるのか。そして、この密着をどうするのか。


もう、考えるのはやめだ! 僕は最強の能力者として、この受難を楽しみます!


神代悠真

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