表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊契約でパーティー追放されたけど、今さら戻ってこいとか言われても遅い!  作者: 夢見叶
第5章 灼熱の灼熱の砂漠と炎帝の影

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/109

第9話 儀式の準備

  ――深く、静かに息を吸った。


 目の前に広がるのは、火山遺跡の最奥部。

 赤黒い岩肌が重くのしかかるように圧を放ち、空気そのものが灼熱に震えている。


 その中心で、リアが膝をつき、両手を胸の前で組み、祈りを捧げていた。


 継承儀――炎帝イグニスの力を正しく受け取るための、唯一の道。


 彼女の透き通るような声が、古代語の詠唱を震えのように響かせる。

 炎の精霊たちが円を描いて舞い、光の粒子が天井へと吸い込まれていく。


「……レオン。緊張してる?」


 俺を振り返ったリアの瞳は、揺るがない光を宿していた。

 俺は無理に平静を装いながら返す。


「そりゃ、これから炎帝の力を継ぐんだ。緊張しないほうがどうかしてる」


「大丈夫。レオンなら……できるから」


 その言葉が、熱気よりも心を熱くした。


 イグニスとの対話。

 そして、あの巨躯が試すように放った問い――覚悟。


 逃げない。

 もう、誰も見捨てない。


 俺は握り締めた拳に力を込めた。


「よし……始めてくれ」


 リアは頷き、深く目を閉じた。


 次の瞬間、地面の紋章が鮮烈な紅に輝く。

 柱のような炎が立ち昇り、俺を飲み込み――熱が血肉に流れ込んできた。


「っ……!」


 焼ける痛み。しかし――不思議と耐え切れないものではない。

 イグニスが、じっとこちらを見下ろしている感覚があった。


(見ていろよ……俺はやる)


 そう誓いを立てた、その時だった。


 ――カチリ、と耳の中で魔導通信のスイッチが入る。


「レオンっ、大変だ!」


 カイの切迫した声。

 嫌な予感が一気に背筋を冷やした。


「何があった!」


「他所でも……継承儀が始まってる! 強制的に、だ!」


「な……!」


 思い浮かぶのはただ一人――ダリオ。


「そっちは祭壇の魔力が膨張してる! このままじゃ――」


 一拍置いて、カイの声が震えた。


「二重継承だ!どちらかが暴走する!」


 喉が凍りつく。


 二人が同時に炎帝の力を取り込めば……

 イグニス自身の存在が引き裂かれ――世界規模の崩壊もあり得る。


「レオン! リア! すぐ儀式を止め――」


「止められない!」

 リアが振り返り、悲痛な声を上げた。


「始めてしまった以上、途中で中断すれば……レオンの魂ごと燃え尽きる!」


 俺の心臓が嫌な音を立てる。


 逃げ道は、無い。


 このまま続ければ、ダリオ側が危険に陥る。

 だが止めれば、俺が死ぬ。


 最悪な選択肢が並ぶ中、カイの声が追い打ちをかける。


「レオン……どうする……?」


 答えは決まっていた。

 決めなければならない。


 でも、本心は――迷いだらけだ。


 誰かが犠牲になる。

 それは……もう嫌なんだ。


 リアが苦しそうに俺を見つめる。


「……信じて。あなたなら、きっと……」


 まるで俺自身よりも、俺の強さを信じている瞳。


 背中を押された気がした。


「……やるしかないだろ」


 俺は小さく笑った。

 震える声を、意思で押し止めながら。


「ここで俺が諦めたら、全部終わる」


 ダリオには――絶対に負けられない。


 その瞬間、炎の輪が強く脈打ち、イグニスの声が響く。


『ならば――急げ。破滅の時は、既に動き出している』


 視界の端で、炎の精霊たちがざわめき始めた。


 嫌でも分かる。

 暴走の引き金が、どこかで引かれたことを。


 カウントダウンは、もう始まっている。


(待ってろよ、ダリオ……絶対に止めてみせる)


 俺は牙を剥く炎の中を睨み返した。


 ――次に燃えるのは、お前だ。

 最後までお読みいただきありがとうございます。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークすると更新通知が受け取れるようになります!


ブクマ、評価は作者の励みになります!


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ