第13話 追撃戦!協会兵VS精霊連携
「……来たな」
振り返ると、月夜を裂いて黒い外套の魔導師たちが一斉に降り立った。
協会の追撃部隊――精霊討伐専門のエリートだ。
魔導兵長が一歩前へ。
硬い仮面のような顔で俺を指さす。
「無断契約者レオン=アークライト。そして、不正に運用された精霊たち。全員拘束する」
ミルが俺の後ろで翼を広げ、露骨にムッと頬を膨らませた。
「不正ってなによ!わたしたちはレオンの家族なの!」
ゼルフィアは冷静に構える。
『家族扱いは照れるが……同意だな』
ノワールは影に溶けるように消えた。
『初っ端からやる気満々の顔だな、人間ども』
俺も負けずに睨み返す。
「こいつらは兵器じゃない。仲間だ」
魔導兵長は嘲笑した。
「くだらん幻想だ。精霊は感情を制御しなければ、人間を滅ぼす災厄になる」
「あんたらがその感情を奪ってきたんだろうが!」
声を張り上げたと同時に、敵の詠唱が始まる。
金属の光、装甲化した魔力障壁。
完全に戦う気だ――!
「来るぞ!」
◆ ◆ ◆
最初に跳ねたのは雷だ。
『任せろ、今しの雷鳴は我が楽曲ッ!』
ゼルフィアが杖を振り下ろし、大地を這う巨大な稲光が敵の防御障壁を一瞬で焼き切った。
「なっ――防御が!?」
次に、ミルの風が唸る。
「レオン、いっちゃえーっ!!」
竜巻のような突風が敵隊形を崩し、重装兵まで空へ舞い上げた。
「ぐあっ!? な、なんだこの風圧は!」
『その隙だ、動け』
ノワールの声がすぐ耳元に落ちる。
心臓が跳ねた。影の分身が敵の死角を完全に覆っていた。
そして――俺は踏み込んだ。
「うおおおお!!」
俺の剣が魔力を帯び、光を纏い始める。
――ルミナ。
振り返ると、小さな光が震えながら俺に寄り添っていた。
《……助けたい。あなたと一緒に》
その声が剣に流れ込む。
刃が眩い光柱へと変わった。
「や、やめ――」
一閃。
敵の装甲が一瞬で吹き飛ぶ。
魔導兵たちは恐れを露わに後退した。
「こんな……力の連携、理論上ありえない……!」
俺は息を吐き、吠える。
「ありえなくなんてない。俺たちは――チームだッ!!」
『ふふん!もっと褒めなさいよね!』
『言葉より結果を』
『我らの返答は、永遠に勝利だ』
精霊たちの声が重なり、俺の心は熱に包まれた。
◆ ◆ ◆
「まだだ……!」
魔導兵長が未知の魔法陣を展開。
塔の研究で使われていた制御刻印だ。
「精霊は支配するもの――それが人類の生存法だ!」
俺は剣を構え、叫ぶ。
「支配じゃない!力は――信じ合うためにあるんだ!」
ゼルフィアとミルとノワールと、ルミナ。
全員の力が俺の足元へと集まり――
光と風と雷と闇が融合する。
「喰らえぇぇぇ!!」
地を裂く爆発的な衝撃。
魔導兵長は膝をつき、杖を手放した。
「……貴様……なぜそこまで……」
「仲間だからだ」
短い答えが、すべてだった。
兵長は歯噛みしながらも、部下に撤退を命じる。
「……退け。これ以上は無益だ」
夜の闇へ消えていくその背に、俺は最後まで睨み続けた。
◆ ◆ ◆
戦いが静まると同時に、塔の中心から轟音が響く。
ドォォォンッ!
塔全体が揺れ、青白い光が迸る。
「レオン……」
ルミナの光が、不安にふるえていた。
カイが蒼白な顔で叫ぶ。
「精霊結晶が臨界寸前だ!このままじゃ塔ごと爆発する!」
ゼルフィアが空を睨んだ。
『ルミナの力が……引っ張られている』
「行かなきゃ!」
俺が走り出そうとした時、ルミナが俺の手を掴む。
《……怖い。でも、止めなきゃ》
小さな体から光がこぼれる。
俺はその手を握り返す。
「怖くても……一緒に行こう」
ルミナは少し、泣きそうな顔で笑った。
《うん》
夜風を切り、俺たちは塔へ駆け出した。
――次の恐怖と喪失が待ち受けているとも知らずに。
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