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精霊契約でパーティー追放されたけど、今さら戻ってこいとか言われても遅い!  作者: 夢見叶
第4章 精霊協会と隠された真実

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第12話 脱出の奇跡

「ここまで来たら――やるしかねぇ!」


俺――レオンは、ぐらつく意識を無理やり引き戻し、拘束具に繋がれたカイへ手を伸ばした。


彼は額から汗を垂らしながら、魔封装置を睨みつけている。

巨大な魔力抑制塔。その中心で禍々しい光が渦を巻いていた。


「逆転起動……できるのか?」


「原理は……たぶん……逆にすればいいだけ……」


「たぶん!?」


「うるさい、俺を信じろ!」


カイは震える指で魔法陣に触れ、歯を食いしばった。


その刹那――。


「闇は我らを覆い隠す。ノワール、いくぞ!」


俺の呼びかけに、影からひらりと黒猫の姿が飛び出した。

精霊ノワールは尻尾をぶん、と振り、空間に濃厚な闇が広がる。



「キュイーンッ!!」


甲高い金属音と共に、魔封装置が逆回転を始めた。

封印された魔力が、逆流して俺たちの身体に帰ってくる。


「ッ……! 全身が熱い……!」


「成功したんだよ! 文句言うな!」


カイが叫ぶと同時に、拘束具が弾け飛んだ。


「よっしゃああああ!!」


俺が叫ぶと、ミルが風の精霊の翼をひろげて笑う。


「脱出なら、ミルにおまかせですー!!」


「ちょ、待てミ――」


「風のウィンドパス――フルパワー!!」


――ドゴォォォォン!!!


俺たち全員、塔の外に向けて 吹っ飛ばされた。


「ぐぇぁぁぁぁああ!!」


「ひゃっほおおおお!!」


「ミル!! 出力!! 出力間違ってるぅぅぅ!!」


「風って……怖い……」

(カイ、白目)



ゴロゴロゴロゴロッッ!


石造りの廊下を転がりながら、ようやく停止。

起き上がると――ルミナが不安そうに俺の肩を叩いた。


「……レオン。なんか……光が、勝手に……」


「え?」


ルミナの手が淡く輝き、床に刻まれた魔法陣がビキビキと割れた。


「ちょ、おま――」


「ピカァァァァァッ!!」


塔全体が光り、警報が鳴り響く。


『警告、魔力暴走。対象を確認せよ!』


「やべぇ!!」


カイが泣き叫ぶ。


「なんで起こすんだよおおお!? ただでさえヤベェのに!!」


「わ、わたしのせい!?」


「いや可愛いから許す!! 今は走れ!!」



ドタドタドタドタ!!


精霊たちを連れ、階段を一気に駆け下りる。

その間も、警備兵が次々と押し寄せてくる。


「いたぞ!! 捕えろ!!」


「ノワール!」


影が伸び、兵士たちの視界を包み――


ズバババッ!!


その隙に俺たちは風に押され、逃げる!逃げる!


「はぁ……はぁ……もう無理……」


階段を走りきった俺が膝に手をついた瞬間。


「レオン!」


ミルが両腕を広げる。


「風の道、第二弾!」


「絶対にやめろぉぉぉ!!」


――バシュゥゥゥン!!


俺たちは再び空へと飛翔した。


「ぎゃあああああああ!!」


真夜中の首都の上空に、大量の悲鳴が響き渡る。



なんとか着地――というか、落下した。


砂埃を上げて転がる俺たちに、ゼルフィアが衝撃波を張って止めを刺す。

いや助けてくれた、のか?


「なんとか……逃げ切れましたね……!」


カイが地面に突っ伏しながら笑う。


俺は息を整え、仲間たちを見回す。


誰も欠けていない。

それだけで、胸が熱くなる。


「よし――次は追って来る奴らを倒して突破するぞ」


ゼルフィアが大きな雷槍を形成し、ニヤリと笑った。


「来るみたいですね」


遠くから、鎧の金属音が迫る。


「レオン、ボクたち、また戦う?」


ルミナが震える手で俺の袖を掴む。


俺はその小さな手をしっかり握り返す。


「ああ――仲間を守るために」


闇がうねり、雷光が唸り、疾風が吹き荒ぶ。


「みんな、準備はいいか!!」


「「「当然!!!」」」


敵部隊が視界に現れた。

迎え撃つように、俺は剣を構えた。


――俺たちは、絶対に負けない。

 最後までお読みいただきありがとうございます。


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