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精霊契約でパーティー追放されたけど、今さら戻ってこいとか言われても遅い!  作者: 夢見叶
第4章 精霊協会と隠された真実

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第11話 牢獄の中の声

意識が戻ったとき、世界は暗闇に沈んでいた。


天井はなく、壁も曖昧。

黒い霧が空気のように満ちていて、どこまでが床かもわからない。

魔力が薄く膜のように絡みつき、息をするたびに胸が痛む。


ここは――精神抑制牢。

協会が反逆者を処理するための、禁忌の拘束魔術。


「……っ、はぁ……」


体は重力以上の圧力に押しつぶされているようだ。

思考も濁る。

意識が何度も沈みかける。


だけど、どうしても眠れなかった。

俺が眠ったら、彼らは――奪われてしまう気がした。


ミル、カイ、ノワール。

大切な仲間。


「……俺は……諦めない…!」


声が震えたその時だった。


──チリッ。


暗闇に、針の先ほどの光。

それが、ゆらゆらと迷子のように漂っている。


「……誰だ?」


光は怯えた子供のように震え、距離を詰めてきた。


「……たすけて……」


か細く、掠れた声。

言葉になっている。

俺は息を飲む。


「精霊……なのか?」


光は一度だけ強く瞬き、


「……わからない……ここに、捨てられた……気がする……」


自分の存在すら曖昧な、意識だけの精霊。

俺は無意識に一歩近づいた……つもりだった。

体はほぼ動いていない。


「君、名前は?」


光は長く沈黙し、


「……ル……ミ……ルミナ……多分……」


その声は、自信より願いに近かった。

自分の輪郭を必死に繋ぎ止めている魂の呻き。


「協会に……捕まったのか?」


「みんな……捕まって……ちぎられて……抜き取られて……声が……泣いてる……」


ゾワリと背筋が凍る。

脳裏に浮かぶのは、研究区画で見た結晶。

無数の魂の断片。


そしてアステルの吐き捨てるような理念。


「精霊は感情があるからこそ、制御しなくてはならない」


ふざけるな。

俺は奥歯を強く噛み締める。


「……助けたい。お前だけじゃない。全部取り戻す。精霊の心を」


光がふるりと揺れた。

恐怖の震えが、少しずつ安堵へ変わっていく。


「……でも……もう戻れない……身体も……名前も……壊された……」


「壊されてない。こうして話せてる。心がある。だから、お前は精霊だ」


「……っ」


光の表面に、露のような輝き。

それは涙なのだと、俺には分かった。


「お願い……消えたくない……誰かの中に……帰りたいの……」


その声に、俺は思考するより先に動いていた。


指先を伸ばし――触れた。


パァン――!

牢獄を縛る魔術回路が火花を散らす。

抑制された魔力が逆流するように脈打ち、

胸の中心へ光が吸い込まれた。


「っ……!」


痛みと熱。

だけど、不思議な充足感が重なる。


俺の胸の奥、心臓のあたりで

小さな声が震えた。


『……ありがとう……レオン……』


契約の証。

微弱だが確かな結びつき。


「ルミナ……お前はまだ壊れてなんかいない。ここに、生きている」


光が胸の内側から暖かく灯る。


『わたし……まだ、わたしのまま……?』


「そうだ。協会の思い通りになんてさせない」


『……うん……信じる……あなたを……』


その瞬間――


ドォォォォォン!!!


衝撃。

床が揺れ、闇が波打つ。

警報の赤い光が暗がりに散っていく。


誰かが戦っている。

俺のために。


「ミル……カイ……ノワール……!」


歯を食いしばり、立ち上がる。

未だ重圧は消えない。

でも――


胸の光が、闇を押し返してくれる。


『……レオン……生きて……』


「生きてここから出る。お前も一緒に連れて行く」


遠くで扉が破られる金属音。

誰かの気配が近づく。


闘いが始まる。

俺の反撃も、ここからだ。


拳を握り、俺は呻くように笑った。


「上等だ協会。精霊を――俺たちを舐めるなよ」


ルミナの光が、強く輝いた。

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