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精霊契約でパーティー追放されたけど、今さら戻ってこいとか言われても遅い!  作者: 夢見叶
第4章 精霊協会と隠された真実

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第3話 精霊協会の研究員たち

 協会本部の応接間に通され――

 椅子に座るよりも早く、俺たちは囲まれた。


「レオン=アークライト君ですね!精霊複数契約者!」

「君の魔力量と精神同期率を計測させて!」

「契約プロセスを再現できませんか!?ぜひモルモッ――」


「モルモ……何?」


「……協力者として!」


 白衣集団が四方八方から迫り、目はギラギラ、笑顔は引きつり、メモ片手に興奮状態。


(歓迎というより、もはや獲物を見る目……)


 ミルは俺の背中にポスッと張り付き、小声で震えた。


「レ、レオン……!あの人たち、瞳の奥にゼンマイ入ってるよ!?」


「機械仕掛けかよ」


「君の脳波を一度見せていただければ」

「感情起因の暴走が起きたら、ぜひ観察させてください!」

「精霊は言語能力を持たないはずなのに、何故会話が!?」


「だから近すぎだってば!」


 俺は後ずさるが、それを追って更に密着してくる。


「カイぃ!助けて……!」


「うん、頑張れレオン。僕は少し楽しんでる」


「薄情か!」


「君、精霊の声が聞こえるって本当?」

「それ、聴覚系の異常ですね?」


「異常扱い……!」


「精霊は資源だ。人格を認めるなど非科学的」


「資源……?」


 胸の奥がカッと熱くなる。


「精霊には心がある。俺は確かに聞いたんだ」


「危険思想ですね。精霊を神格化する者は歴史的に――排除対象です」


(排除……?)


「――失礼、研究区画の見学許可がおりました!」

明るい声の女性研究員が割って入る。

「協会の成果をぜひ!」


 空気を無理矢理、笑顔で塗りつぶすような違和感。


 そのとき。


「おー、こりゃ面白いもの見つけたわ」

ノワールが天井の一点をじっと見つめる。


「監視結界だよ。協会内には至る所にある」

カイが説明する。


「ふぅん。じゃあ――」


 ノワールが指先を軽くひねる。


 カチッ。


 部屋の灯りが瞬き、壁の紋様が波紋のようにぐらつき、魔力の流れが逆転するような痺れが走った。


研究員A「セ、セキュリティログが消去!?」

研究員B「おい、監視画面が真っ黒だぞ!」

研究員C「ありえない!外部干渉は検知ゼロだった!」


 ノワールは悪戯っぽく笑い、俺にだけ聞こえる声で囁いた。


「玩具にしても脆いわね。私を監視しようなんて、千年早い」


(やっぱり、監視してたんだ……!)


 俺は喉が乾く音を自覚するほど緊張した。


「レオン」

カイが俺の肩に小さく触れて、声を潜める。

「ここは……観察対象を見る場所だよ」


「観察って……俺たちをか?」


「特に君を」


 表面上の歓迎の裏で、俺がどんなラベルを貼られているのか――想像が怖い。


「さて、案内します。協会の研究は、魔導文明の未来そのものですから!」


「未来……?」


「精霊を管理し、人類のために使役する未来です」


 その言い方が、どうしようもなく寒気を誘った。


 俺は立ち上がり、息を吸い込む。


(聞こえるはずの声が――)


 廊下に漂う魔力の流れ。

 精霊の気配は確かにある。


 でも……


(……静かだ)


 ほとんど無音。


 囚われた小鳥が息だけしているかのような、かすかな震え。


 ミルがそっと俺の手を握る。


「ここ、嫌……息苦しいよ」


 ノワールは目を細めた。


「封じ込めてる。声を奪う術式……あちこちにね」


 俺は無意識に拳を握っていた。


(ここは――精霊の自由を奪う場所だ)


「レオン」

カイの声が、珍しく震えていた。

「どうか……惑わされないで」


「大丈夫。俺は――精霊の声を聞く者だ」


 たとえ世界中が否定しても。

 俺だけは、絶対に見捨てない。


「さぁ!見学ツアーへ!君の力が、わたしたちの研究をどれほど前進させるか……楽しみですね」


(前進?それって誰のための――?)


 暗い長い廊下を、俺たちは奥へと進む。

 最後までお読みいただきありがとうございます。


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