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精霊契約でパーティー追放されたけど、今さら戻ってこいとか言われても遅い!  作者: 夢見叶
第4章 精霊協会と隠された真実

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第2話 王都エルドリアへ

 魔導列車の汽笛が響き、俺たちを未来へ引きずり込むように走り出した。


「レオン!見てアレ!角にランプつけた巨大ウシが荷物運んでる!!」


「……ミル、それ貨物車。ただの貨物車」


「でも乗れる!!?」


「いや、絶対怒られるやつ」


 興奮のベクトルが宇宙。これがミルの通常運転。


 一方、真逆のテンションでカイが目を輝かせる。


「この列車……流動魔力型の最新式か……。王都は本気で魔導革新を推し進めているんだ。胸が高鳴って仕方がないよ!」


「カイ、お前が一番テンション高ぇよ」


「僕はいつだって冷静さを忘れないタイプです」


「完全に矛盾してんぞ」


 くすりと笑ったその時――

 ノワールが、窓の外をじっと見たまま口を開いた。


「……妙だ。風が全く笑っていない」


「風、笑うんだ……?」


「当たり前だろう。我は風の精霊王ぞ?」


 ちょいちょいこうやって王アピールが入る。

 だがその視線には確かな警戒が宿っていた。


***


 そして降り立つ――王都エルドリア。


「すっげぇ……」


 巨大魔力塔、空中レーン、空を舞う魔導ゴンドラ……

 世界の中心が、目の前にあった。


「レオン!観光だよ!写真だよ!かっこつけて立って!」


「おい、服引っ張るなミル!落ち着け!」


「よし、まずは屋台!次にかっこいいもの!最後においしいの!」


「順番の概念どこいった」


 カイはというと、


「……感動で涙が出そうだ。ここに来るために僕は学んできたんだ」


「カイが感情的……珍しいな」


「え、僕いつも超感情豊かですよ?」


「だとしたら表情筋が仕事放棄してる」


「表情筋は無能なんです」


 ミルとカイ、ボケとボケが会話してる……。


 そしてまた、ノワールの声が低く響く。


「この街……精霊が黙している」


「……黙してる?」


「声がない。ただの魔力装置のようだ」


 文明の光が、一気に仄暗い影へと変質した。


***


 協会の特使に案内され歩く廊下は、

 見事に温度も空気も心臓に悪い。


「冷蔵庫か?ここは」


「レオン、黙って。変なこと言うと、ホントに閉じ込められるかも」


「いやもう既に閉じ込められてる気分なんだが」


 受付嬢が笑顔のままカイへ小声で囁いた。


「監査対象者は笑顔で接せよって通達されてるのよ」


「それ笑顔の意味変わってるからぁ!」


 ミルのツッコミが刺さる。


 やがて部屋へ通され、重い扉が閉ざされる音。

 金属的な響き。


 監獄の到着音。


「うわ、完全に見られてるやつだねこれ」


「ミル……俺も思った」


 カイは静かに説明する。


「この部屋、魔力計測と監視の両用途です。歓迎というより解析」


「解析対象は……俺とノワールたち、か」


「そう。あなたの存在は協会にとって研究対象」


 冗談めかして言っているが、笑っているのは口だけだ。


 ノワールが壁を見据える。


「我を物として扱うなら……風は牙を剥くぞ」


 ミルが俺の袖をキュッと掴む。


「……置いてかれたら、泣くからね?」


 その言葉が、胸を縛った。


「置いていくかよ。俺が守る。絶対に」


 ミルが照れ隠しに小さく舌を出す。


「んもう、もうちょいカッコつけていいよ?」


「今ので十分カッコよかったよ。得点は……60点」


「低っ!?カイ採点厳しっ!」


「僕、審査員なので」


「なんの?」


「レオン=アークライトの未来」


「キザかよ」


 笑いながら――

 背中には氷が這い続けていた。


***


 夜。

 王都の空に細い雷が走る。


「カイ、明日は?」


「適合検査。契約構造の解析。そして……尋問」


「最後が本命だろ」


「……止めろと言っても無駄なんだよね?」


「もちろん。来たからには逃げない」


 カイがゆっくり頷く。


「なら、僕も逃げない。僕は君を理論で守る」


 ノワールが、夜気に囁く。


「嵐は近いぞ」


 俺は小さく息を吸う。


(どう転んだって――俺は精霊と共に歩む)


(この街に、それを壊させはしない)


次の戦場がすぐ傍で口を開けていると

空の雷が告げていた。

 最後までお読みいただきありがとうございます。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


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