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精霊契約でパーティー追放されたけど、今さら戻ってこいとか言われても遅い!  作者: 夢見叶
第3章 雷鳴の都と導きの魔導士

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第18話 精霊協会からの密命

朝日が差し込む雷都の街は、昨日までの地獄が嘘みたいに穏やかだった。

瓦礫はまだ残っているけど、そこかしこに復興のための笑い声が響いてる。


ミルは子供たちに囲まれ、パンを高く掲げていた。


「はいっ、ミル特製! 復興風パンチー! できたよーっ!」


「ミル姉だー!」

「風パンチー!どりゃー!」


子供たちがお互い殴り合い――いや、楽しげに真似している。

……ネーミングセンスはともかく、元気になってくれて何よりだ。


少し離れた場所では、カイが魔導障壁の出力調整をしている。


「これで街全体を守れるはずだ。雷精霊の暴走は抑制できる」


「さすが雷都の天才魔導士だな」


「今は君の参謀だよ、リーダー」


そう言って小さく笑うその顔は、どこか誇らしげだった。


ーーやっと休める。

仲間と笑っていられる。

そう思った矢先だった。



ドンッ


ギルドの扉が乱暴に開かれた。

黒い封筒が差し出される。

封蝋には、見覚えのある紋章。


――精霊協会。


ギルド長の表情が険しくなる。


「……レオン。お前宛てだ」


嫌な予感に喉が渇く。

封を切る手が震えた。


──精霊契約異常について調査を行うため

ヴァルデン支部へ出頭せよ。


一文を読んだ瞬間、空気が重く沈んだ。


「は?どういうことそれ?」


ミルが不安げに僕を見る。


「なぜ僕ではなく、君なんだ……?」

カイの眉がきつく寄る。


ギルド長が手を組み、大きく息を吐いた。


「精霊協会はな、管理が第一だ。お前みたいな例外は、危険視される」


「危険……?」


「多重契約、融合契約……前代未聞だ。あいつらが放っておくわけねえ」


ミルが俺の袖をきゅっと掴む。


「いやだよレオン……行かないでよ。また怖い目に遭うかもしれないじゃん……!」


視線を落とすと

ミルの瞳がひどく揺れていた。


言いたい。

「行かないよ」と。

でも、それは嘘になる。


握った封筒が音を立てた。


「……俺は行くよ」


「レオン!?なんでっ!」


「逃げてばかりいたら、何も変えられない。――この力の意味を知りたい」


ミルは唇を噛みしめる。


「じゃあ……ミルも行く!レオン一人なんて、絶対だめ!」


「僕もだ。僕の理論が間違ってないと証明させてくれ」


二人の言葉が胸に刺さる。

怖さよりも、頼もしさが勝った。



バチッ……


突然、空気が震える。

街の空を貫くような雷光。


その中心から、白銀の女性が現れた。


ゼルフィア。


「クク……まだ英雄気取りは抜けぬか?人間」


「相変わらず、現れ方が派手だな」


「雷鳴は、ただの合図よ」


視線が突き刺さる。

魂をのぞき込まれるような感覚。


「その封書は罠だ。だが同時に、扉でもある」


「扉……?」


「運命と真実をつなぐ扉。開けば後戻りは叶わぬ」


ミルが震える声で叫んだ。


「そんなの、レオンに押しつけないでよ!」


「ミル……やめ」


ゼルフィアは細めた目でミルを見る。


「小さき風よ。お前の想いは知っている。だが、人間が力を持つ時それが災禍か光か――見極めねばなるまい」


その視線は、確かに優しさを含んでいた。


「レオン。写し取る者の未来は、雷雲の如く変わりやすい。光を掴むか、闇へ堕ちるか――その覚悟、しかと示せ」


胸が熱くなる。


「俺は……俺の大切なものを守るために進む。それが、苦しい道でも」


ゼルフィアは満足げに笑った。


「よかろう。雷鳴が響く時、お前の選択を見届けよう」


雷光と共に、彼女は消えた。


残った空には、渦巻く黒雲。

精霊たちがひそひそと怯えるほどの異常。


嵐が、確実に近づいている。


俺は仲間たちを振り返った。


「ヴァルデンへ行く。全部、確かめるんだ」


ミルとカイが強く頷き、

ノワールが肩の上でため息をついた。


「やれやれ、また厄介ごとだな……まぁ、主に付き合ってやるよ」


ギルド長も静かに言う。


「戻って来い。英雄なんざ肩書きはどうでもいい。お前は、お前でいい」


胸がじんわりと熱くなる。


「……はい。絶対に」


そして俺たちは、嵐へ向けて動き出した。


知らなかった。

この決断が、精霊と人間の歴史を揺るがす一歩になるなんて――

 最後までお読みいただきありがとうございます。


「面白かった!」


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「今後どうなるのっ……!」


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