第11話 雷塔決戦
雷環の塔――雷都の中心にそびえる、巨大な螺旋の塔。普段は雷精霊と魔導士が共存する象徴だ。しかし今は違う。塔の上空で迸る紫電が、まるで世界を裂こうとしていた。
「雷魔力濃度が……レベル10を突破した……!? こんなの、塔そのものが爆ぜる!」
カイが珍しく声を荒げる。空気が焼け、皮膚がひりつくほどの異常事態。
「とにかく急がないと!」
ミルの叫びに頷き、俺たちは塔の入口を駆け抜けた。
◆◆◆
内部はすでに戦場だった。狂ったように浮遊する魔導機械。
青白い稲妻を纏った自律魔導兵が襲いかかる。
「敵だ!レオン!」
「任せろ!」
剣を抜き、前方へ飛び込む。
剣先が雷を裂き、火花が散った。
「《ウインドスラッシュ》!」
風を乗せた一閃がオートマトンを叩き斬る。だが、後ろからもう一体――!
「《ゼ・ファスト・ボルト》!」
ゼルフィアの咆哮と共に、雷の槍が直撃。機体が爆ぜる。
「動きが鈍いわね。ここを守る気あるの?」
「十分厄介だよ……!」
休む間もなく、さらに三体。
セリナの氷の鎖が地を這い、敵を凍結させる。
「走りながら戦うのは骨が折れるな」
「弱音は禁止!」
ミルの風が弧を描き、凍った機体を粉砕する。
隙のない連携。俺たちは強くなっている――そう実感できた。
◆◆◆
最上階手前。
雷を幾重にも重ねた壁が、煌々と輝き立ちはだかる。
「……雷障壁」
「しかも多層式だ。僕の設計思想を……完全に悪用している」
カイの拳が震える。
「カイ……」
「僕はここで、雷の使徒たちを抑える。術式の逆算も必要だ。だから君たちは行け」
「一緒に行こう。置いていけるわけない!」
ミルが涙目で叫ぶ。しかしカイは首を横に振った。
「ここは理論で戦う場所だ。君たちは理論の枠外にいる。だからこそ、突破できる」
「そんな言い方ズルいよ……!」
ミルが唇を噛む。
「レオン。君が道を選べ。どうする?」
俺は深く息を吸う。
怖い。だけど――退けない。
「……任せたぞ、カイ。俺たちは前に進む」
「ありがとう。……絶対追い付く」
ほんの一瞬、笑った気がした。
「感傷に浸るのは後! 突破するわよ!」
ゼルフィアが前に出るが、すぐに首を振る。
「これ、ただ力をぶつけるだけじゃダメ。雷精霊の悲鳴が混じってる」
「じゃあ……私が」
ミルが一歩、前へ。
「守りたいって気持ちで……突破してみせる!」
涙を拭き、彼女は風をかき集めるように両手を広げた。
「世界に満ちる風よ……雷を導き、穏やかな空へ還れ――!」
髪が舞い、足元に陣が展開される。
「《雷風結界破砕陣》!」
雷と風が螺旋となり、反発を超えて共鳴する。
耳を裂く爆音――
視界を白い閃光が埋め――
道が、通った。
「あ、あれ……!? できたの……?」
「よくやったわミル。……誇りなさい」
ゼルフィアがそっぽを向きながら、そっと褒める。
それだけでミルは目を潤ませる。
「ゼルフィアお姉ちゃん……!」
「だから姉じゃな――まぁ、いいわ」
ふん、と照れる精霊。
俺たちは笑い合いながら、開いた道へ踏み込んだ。
◆◆◆
そこには――
金属光沢の巨大装置。そして――
複数の雷精霊が鎖に繋がれ、魔力を搾り取られている光景。
「やめろ……」
怒りが沸騰し、喉から漏れた。
「どうして……ひどい……!」
ミルがその場に崩れ落ちる。
「これが……人間の野心よ」
セリナの声にも震えが宿る。
ノワールが低く唸り、獣の目を光らせた。
「レオン。殺していいか?」
「駄目だ……犯人は俺が倒す」
握った拳が震えていた。
「精霊を道具扱いする世界なんて……絶対に間違ってる!」
ゼルフィアが雷の翼を広げる。
「なら――証明しなさい。雷と風を統べる、新たな契約者として!」
稲光が轟き、装置が悲鳴のような警報を上げ始めた。
来る――!
「全員構えろ! ここからが本当の戦いだ!」
雷塔決戦――
今、最高潮へ達する。
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