表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊契約でパーティー追放されたけど、今さら戻ってこいとか言われても遅い!  作者: 夢見叶
第3章 雷鳴の都と導きの魔導士

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/109

第5話 雷の上級精霊ゼルフィア

 暴走していた雷精霊たちを鎮めたけれど、街の空気はまだ不穏だった。

 建物の灯りが一つ、また一つと戻り、歓声も聞こえ始める。

 でも――胸のざわつきは増すばかりだった。


「レオン? どうしたの……?」


 ミルが俺の手を握ってくる。

 小さな手なのに、力の伝わり方は純粋で――愛おしい。


「嫌な予感がするんだ。まだ終わってない」


 その瞬間――大気が震えた。


 ゴォォォォォォッッ!!


 風が吸い上げられるみたいに上へと流れ、空が渦を巻いた。

 空気がビリビリと痺れ、喉の奥が焼けるような感覚。


「ミル、下がれ!」


「……っ! でも……!」


 ミルが俺の背中にしがみつく。

 ノワールも影から飛び出し、低く唸った。


「来るぞ。とびきりの化け物が」


 稲妻が雲を引き裂き、

 光が螺旋を描いて一点へと集束する。


 そして――


 雷と風を纏った女王が降臨した。


「な、なにあれ……っ」


 夜を照らすほどの雷光。

 銀に煌めく長髪。

 その眼差しは嵐の王そのもの。


 彼女は一歩、地を踏みしめる。

 その度に大気が揺れた。


「姉……ちゃん」


 ミルの声が震える。

 小さな肩がびくりと跳ねた。


 その言葉に、女王の視線がミルへ向く。


「ミル……弱々しい波動。昔と変わらぬな」


 姉だと……?

 この圧倒的存在が?


 彼女の眼が、今度は俺を射抜く。


「人間が……精霊を従える?歪だな」


「従わせてるんじゃない。ミルは――」


「仲間、だと言いたいか?」


 嘲るような声音。

 喉が焼けつくほどの殺気。


「人間など、精霊の力を利用するだけの寄生者。違うというのなら――証明してみせろ」


「なら――証明する」


 俺は一歩、彼女へ踏み込んだ。

 膝が震えても、背筋だけは折らない。


「ミルは俺の大切な仲間だ。家族みたいに――守りたい存在だ」


 その言葉に、ミルが息を呑む。


「れ……レオン……」


 ぎゅっと背中を掴んでくる手が熱い。

 その温度が勇気をくれた。


「分析開始ッ!精霊エネルギー観測モード!!」


 空気の読めない天才魔導士・カイが突然割り込み、

 無数の魔導球を展開した。


「なんというエネルギー密度!このデータは歴史を変える――!」


「やめろ馬鹿!!」


 叫ぶより早く、ゼルフィアの指が弾かれた。


「身の程を知れ、人間」


 バリィィィィン!!!


「ぎゃぁあああああああ!!!」


 カイは一瞬で黒焦げ。

 煙がふわりと立ち上る。


「……へへ、すごい……これは……論文が……(バタッ)」


 懲りてねぇなあいつ……。


 だがゼルフィアの視線はまた俺へ戻る。


「ミル。お前は昔から弱い。だから欺かれる」


「違う!レオンは違うよ!!」


 ミルは泣きながら頭を振った。


「怖かった時……ひとりで震えてた時……レオンは手を伸ばしてくれた。私を――信じてくれた」


 ミルの涙は、雨粒より澄んでいた。


 ゼルフィアが眉をわずかに寄せる。

 その感情は――迷いか?


「……ならば」


 空へ手を掲げる。

 雷がその腕に吸い寄せられていく。


「試してみよ」


「試す……?」


「風と雷を調和させてみせろ。成功すれば契約を認め、力を貸す。失敗すれば、その命――奪う」


 ノワールが前に出て、俺の肩に手を置いた。


「主よ。本気で言ってるのか?あれは本気で殺しに来るぞ」


「知ってる。でも――」


 俺はミルの涙を指で拭った。


「守るって決めたんだ。ミルと、ノワールと――俺の仲間を」


 ミルの瞳が強く瞬いた。


「レオン……」


 ゼルフィアの冷たい横顔。

 雷鳴が腹を震わせる。


「夜明けと共に試練を始める。覚悟しておけ、人間」


 嵐の王女は、雷光の渦へ溶けて消えた。


 静寂。

 雨がぽつり……ぽつりと降り始める。


 ミルは俺の胸に顔を押しつけ、

 小さく震えた声で言った。


「怖いよ……死んじゃったら、嫌だよ……」


「死なない。約束する」


「ほんとに……?」


「ほんとだ」


 俺は彼女を抱きしめた。

 雷鳴が遠くで轟いた。


(大丈夫。大丈夫だ――)


 雨は強くなり、風が泣き叫ぶ。

 でも俺の心は、不思議と静かだった。


(風と雷の調和――必ず成し遂げる)


 守りたいものがある。

 そのために俺は強くなる。


 ――どれほどの嵐が来ようとも。


 最後までお読みいただきありがとうございます。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークすると更新通知が受け取れるようになります!


ブクマ、評価は作者の励みになります!


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ