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精霊契約でパーティー追放されたけど、今さら戻ってこいとか言われても遅い!  作者: 夢見叶
第2章 ギルド昇格試験編

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 サイドストーリー:セリナの心、揺らぐ光(9話の裏側です)



暗い。

冷たい。

胸の奥まで凍えるような闇。


レオンさんが突然いなくなった瞬間から、頭の中が真っ白になった。


「レオンさん! どこですか!」


声が掠れて、自分でも驚くほど必死だった。


(どうしてここまで焦ってるの?レオンさんは強い。きっと大丈夫なはず……なのに)


胸の奥に黒い不安が渦巻く。

光精霊ルーチェが袖を引いて心配そうに首をかしげる。


(セリナ、落ち着いて…!あなたの魔力が乱れてるの)


「だって……っ、私……」


言葉にならない。

この気持ちの正体を認める勇気がない。


けれど、走る足は止められなかった。


***


ようやく──見つけた。


闇に取り込まれそうな彼の姿。


レオンさんが、頭を抱え、苦しげに肩を震わせている。


「レオン……!?」


ミルさんが駆け寄る。

その瞬間、胸が痛んだ。


(私が……一番に駆け寄りたかったのに)


ミルさんが彼を抱きしめる。

細い腕なのに、彼を守るように強く。


レオンさんも、その背中を返すように抱きしめた。


その光景は──綺麗すぎて。

眩しすぎて。


「……あ……」


息が漏れただけで

声にならなかった。


二人の呼吸が近すぎる。

涙がレオンさんの服に染み込んでいく。


「レオンは……無能なんかじゃない!だって……私が見てきたレオンは、誰より強くて、優しいんだから!」


レオンさんが顔を上げ、震える手でミルさんの涙をそっと拭う。


「ミル……ありがとう」


その言葉に、ミルさんがまた泣いて笑った。


その全てが

私の心を締め付けた。


(私も──そう言われたい)


レオンさんの手の温度

その瞳の優しさ

全部、欲しいなんて…思ってしまった。


「……レオンさん……」


私の声なんて

二人には届かない。


ミルさんの存在は強い。

レオンさんの心に深く根付いている。


(私は……どう見られているんだろう)


仲間?

協会の職員?

試験の補助?

それとも──ただの「第三者」?


胸が苦しい。

光の魔法が心と連動して、暴れ出しそうになる。


ルーチェが不安そうに浮かぶ。


(セリナ、大丈夫?)


「大丈夫……だよ。ちょっと、びっくりしただけ」


強がりの声が震えた。


(ねぇレオンさんあなたの目には、私はどう映ってる?)


***


レオンさんが立ち上がり、剣を強く握る。


決意の炎が宿った瞳。


「もう迷わない。俺には……支えてくれる仲間がいるから」


ミルさんの笑顔

ノワールさんの無言の佇まい

そして……少し遅れて合流する、私。


それを見ながら、心の奥底で誓った。


(なら、私も……その一人になりたい)


追いつきたい。

あの笑顔を、自分に向けてほしい。


だから──


「私も……必ず隣に並んでみせる」


届かなくても

報われなくても

構わない。


この気持ちだけは、

もう誤魔化さない。


私は、あなたが好き。


いつかこの想いを

光にして届けるために。


レオンさんの背中を追いながら、そっと呟いた。


「必ず、追いつくから……レオンさん」


闇の中で

小さな光がゆっくり瞬いた。


それは私自身の覚悟。

まだ誰にも、見えなくていい。


いつか──あの人に届けば。

 最後までお読みいただきありがとうございます。


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