ダンジョンへ
「まさか、Bランクを追い返すとはやるじゃないか」
最初に親切に列について話してくれた男が、クロンを褒める。周りにいた冒険者達も、同様に褒める。あのBランクパーティ―は、よく横入りや新人いじめをしていて嫌われていたパーティーだったのだ。
その後、絡んでくるパーティーも居なかった為、エリザ達の順番が来る。職員にギルドカードを見せると、普通に通してもらう事が出来た。
ダンジョンには、次の階層に近い入り口と遠い入り口があり、Cランク未満の方は次の階層の階段から遠い方だ。Cランク以上は、基本的に5階まで一気に進む。エリザ達は、1階がどんなものか見ながら、先のパーティーに続いて次の階層を目指す。1階は草原の様になっていて、面積も広く、見た範囲では魔物も見えなかったので魔物との遭遇率は低そうだ。草原に生える薬草や、たまに遭遇する魔物の魔石を売って稼ぐしかない。
なお、ダンジョン内の魔物はダンジョンが作り出した仮初の生命体なので、核となる魔石を破壊すると死ぬし、死体は残らず魔力となって再びダンジョンに吸収される。その魔物の特徴となる爪や牙などは、一定の確率で残るため、ドロップ品を手に入れることは可能だ。
「どのくらいの階層があるのかしらね。楽しみたいから調べはしないけれど」
「とにかく最深部を目指せばよいのだろうな。どのくらいかかるのかは分からぬが」
「えー、ずっと野宿するの? 最悪」
ソルナは、ロイ達によって楽な冒険しかしてこなかったため、何気に野営、野宿をするのは初めてだ。地上であれば、いつでも瞬間移動で街や村に戻れるため、わざわざ野宿をしない。
「マオの魔法があるから、結構快適ではあるわよ。恐らく、あなたが想像しているよりはずっと楽ね」
「それならいいんだけど」
話しているうちに2階への階段が見えてくる。階段の周りだけ、草などが無く発見しやすくなっていた。2階へ行くと、1階と同じく草原が続いていた。代り映えしない風景に、エリザは興味を失う。
「早く次の階へ行きましょうか」
まだ下の階層へ向かうパーティーが先行しているので、特に魔物とも戦う事は無い上に道に迷う事も無かった。
「3階は、一気に風景が変わるのね」
「ここは、鉱石が採れるようだな」
3階は普通に洞窟タイプになっていた。ここでも採取する低ランクパーティーがいる。そのパーティーはツルハシを持っているので、採掘しているのだと判断した。どんな鉱石が採れるのかは分からなかったが、特に採掘する予定は無いのでここも無視する。
「暇ね」
「少なくとも5階層までは何も無いようだな」
「普通の冒険者は、どこまで行くんだろうね」
「それは、行ってみれば分かるわよ」
とりあえず、Cランク以上しか入れない5階層を目指すのだった。




