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封印されていた最古の魔王。――外伝――  作者: 斉藤一


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Cランクパーティ

全員がCランクとなったことでダンジョンに入る許可をギルドで貰う。ダンジョン自体は、港町からさらに馬車で1日ほどかかる場所にある。目立つため、クロン達に乗って移動する事は出来ないが、ダンジョンと港を往復する馬車はそれなりに出ているため、移動自体には困らない。


適当な素材をギルドで売り、路銀の足しにする。食料などを適当に荷物にしてクロンに持たせる。さすがに、手ぶらでダンジョンに潜るのは不自然だろう。


馬車には、ダンジョンを目指すパーティがいくつかいて同乗したが、お互い干渉することなく目的地手前の村へと着くことが出来た。


「移動だけで1日が終わってしまったわね」


「そういう冒険者の為の村なのだろう。思ったよりも賑わっているようだぞ」


「宿屋を兼ねた酒場があるみたいね。軽く食事をしてから寝ようかしら」


酒場を覗くと、冒険者らしき酔っ払いがまあまあ居た。エリザ達を見るが、宿屋を兼ねているからか見た目で絡んでくる者は居なかった。


「宿泊と、食事をお願いするわ」


「はいよ、料金は先払いで、1部屋あたりの料金になるけどいいかい?」


恰幅のいいおかみさんに1日分の宿泊費と食費を渡す。酒のつまみのような料理だったが、これから寝るだけなので我慢する。そもそも、手の込んだ料理は無いようだ。エリザは若干、絡まれたりするようなイベントがなにもないことを残念に思うが、明日からダンジョンなので大人しく部屋へと行った。


次の日、パンと牛乳だけの簡素な食事を宿で食べ、ダンジョンへ歩いて向かう。ダンジョンへは村から30分ほど歩いた位置にあった。


「まだ朝も早いのに、結構冒険者がいるのね」


「そんなに、早くはありませんけど……」


エリザがなかなか起きなかった為、他の冒険者よりも1時間ほど遅い出発となっていた。なので、入場待ちの列が結構長くなっていた。そして、列は2つあった。


「入口は2つあるようね。見た所、右側は弱そうで左側は強そうに見えるわね」


「どうやら、ランクに応じて入場口を決めておるようだな。右の列は低ランクなのだろう」


「それじゃあ、私達は左ね」


エリザ達が左の列に並ぶと、すぐ前の男が呆れたような顔をしながら話しかけてきた。


「お前ら、初めてここにくるのか? 知らないなら教えてやるが、1階層から3階層までは確かにCランク未満でも入れる。ただ、Cランク未満は向こうの列だぞ」


「そうなのね。Cランク未満でも入れるとは知らなかったわ」


「魔物が強くなるのは5階層からだからな。採取や雑魚魔物の素材なんかでも低ランク冒険者にはいい収入になるからな」


「だから、列を分けているのね」


「ああ」


そこで会話は終わったが、エリザ達が移動しないので、男はもう一度話しかける。


「移動しないのか? いくら列が短いからってこっちに並んでいてもランクを確認されるから入れないぞ」


「大丈夫よ、私達はCランクだもの」


すると、いつのまにかエリザ達の後ろに並んでいた男が話に割り込んできた。


「はぁ? お前らがCランクだと? 分かりやすい嘘をつくんじゃねーよ。女子供だけじゃねーか」


「ギルドカードならあるわよ」


エリザはCランクのギルドカードを男に見せるが、それを一瞥するだけで不快そうな顔を変えない。


「どんなコネを使ったんだ? それとも、その体でギルマスを垂らし込んだのか? ギルマスの権限で、Cランクなら簡単に与える事が出来るからな」


「実力よ」


「ちっ、さっさと退散すればいいものを。痛い目を見たくなければ今すぐに俺らに場所を譲れよ。俺達はBランクパーティだぞ」


男のパーティは4人組のようで、全員がエリザ達を舐めたような態度をとっている。こういうことは日常茶飯事なのか、誰も止める様子は無い。


「ランクと順番を待つのは関係ないと思います」


「あん? ガキが何を言ってやがる。まさか、お前もCランクとか言わないよな、荷物持ち」


エリザ達の荷物をすべてクロンが持っていたので、荷物持ちと判断された。荷物持ちは、ランクに関わらずパーティに同行する事が出来る。


「私もCランクです」


クロンは、ギルドカードを男に見せる。だが、男はそれを信じなかった。


「どこで拾ったんだ?」


「私のです」


「へぇ、だったら、俺の攻撃を受けてみろよ」


男は、なかなか去らないクロン達にイライラしていたため、とうとう武器を抜いた。さすがに、周りがざわつくが、脅すだけだろうと思い、まだ誰も止めに来なかった。


「ほらよっ」


男は、大きく剣を振りかぶると、クロンの頭……正確には顔の10センチほど手前を狙って振り下ろす。さすがに、当てるのは不味いと男も分かっていたので、脅しならこれで十分だろうという判断だった。


「なっ!」


しかし、それを見てクロンは、後ろに下がるどころか1歩前にでた。男は、不味いと思ったが、振り下ろす手を止める事は出来ず、ヘルムがあるとはいえ、クロンの頭に剣ががつんとぶつかった。クロンは衝撃で前のめりに地面に倒れる。それを見て、周りの冒険者が騒ぐ。


「やりやがった! おい、誰か回復魔法か回復薬を!」


クロンが怪我をしたと見て、何人かの冒険者が集まってくる。


「俺は当てるつもりは無かったんだ。こいつが勝手に当たったんだぞ」


言い訳をする男に、周りの冒険者は呆れた顔をするが、クロンの手当てが先だと思い、無視する。しかし、クロンはすぐに起き上がると、鎧についたごみを払う。


「大丈夫なのか?」


「この程度、何ともありません」


心配して見に来た冒険者に、クロンは平気だと説明した。


「それで、まだ何か用があるのかしら?」


エリザは、攻撃してきた男に話しかける。男は、さすがにまずいと思ったのか、パーティメンバーを引き連れて離れていった。






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