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封印されていた最古の魔王。――外伝――  作者: 斉藤一


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討伐褒賞

「魔王の討伐を確認しました」


突然、無機質な女性の声が響き渡る。魔王が倒されたことがスイッチとなっていた。


「誰かしら?」


「この声は、召喚されたときに聞こえた気がする。多分、女神様」


「だが、姿は見えぬな」


「エラー、エラー。魔王討伐に勇者が関与していません。帰還用シークエンス、停止中。エラー、エラー」


無機質な女性の声が、エラーを繰り返す。


「エラー、エラ……」


突然、ブツリと声が途切れ、代わりに光る粒子が集まってきた。


「あの……すいません、このバリアを解いてもらえませんか?」


粒子は、ソルナの張ったバリアを通ろうとするも、通り抜ける事が出来ずに漂う。


「女神様、かな? バリア解除」


ソルナがバリアを解除すると、光は再び集まりだし、女性の姿をかたどる。


「直接姿を現すのは初めてかしら、勇者様。それと、あの、すみません、異界の神様ですよね?」


女神は、ソルナに挨拶するのもそこそこに、エリザを見て挙動不審になる。


「一応、そういう事になるのかしら? こっちとはシステムが違うからなんともいえないけど」


この世界は女神一人が管理しているが、エリザの世界は複数の神が存在している。しかし、その神はとくに世界を管理していないので神と呼ばれることは特になかった。


「挨拶が遅くなり、すみません。私はそう簡単に人前に姿を現すわけにはいかないので」


「今は良いのかしら?」


「はい。魔王討伐までが私の重要な任務でしたから。ただ、そこに勇者様が関与していなかった事が問題になっているみたいで……」


女神いわく、本来は勇者が魔王を倒した時点で勇者が帰還できるようにプログラムされていた。しかし、そのプログラムには勇者以外が魔王を倒した場合が想定されていなかった。なので、プログラムが途中でエラーになり、勇者の帰還までのプロセスが止まった。


「よく分からない単語が多いのだけど、とりあえず問題が起きたという事は分かったわ」


「私も、上司からそう説明されているだけでよくわかっていません、エヘヘ……」


女神は、ごまかし笑いをするが、それにつられて笑うものが居なかった。それどころか、微妙な視線が女神に注がれる。


「結局、私が帰れないって事?」


「そう、なりますね、すみません」


「まあ、もともと帰れるとは思ってなかったし、今の状態じゃ帰れても問題が起きそうなんだけど」


ソルスとルナは合体してしまい、もとに戻れなくなっている。つまり、日本の戸籍上もどうなるのか分からない。名前も、何と名乗ればいいのか。


「ソルナがいいなら、私が面倒を見てあげても良いわよ。勇者なら面白そうなイベントもありそうだし」


「私も、特に行く当てもないから、助かるかな」


「あの、すみません」


「まだ何かあるのかしら?」


女神の用事はもう無いはずだ。魔王は倒され、帰れなくなったという事もエリザが解決できる。女神は、言おうかどうしようかと逡巡したのち、口を開く。


「本当に、言いづらいのですが、実はもう一つイベントがありまして……」


イベントと聞いてエリザが興味を持つ。


「へぇ、いいわね。何かしら」


「実は、魔王を倒すために本来はあるダンジョンをクリアする必要があったのです。そこで、装備を手に入れて魔王を倒すはずなのですが、今回の勇者は異例の2人となっていて、そこもプログラムが異常になった原因なのかもしれません。なので、出来ればダンジョンをクリアして貰えませんか?」


「でも、魔王を倒した後なら、大したことなくクリアできそうよね。あなたがクリアすれば?」


「私は、この世界に直接かかわる権限がありませんので無理です。詳しくは私も知らされていないのですが、噂では魔王以上の脅威が存在するとも言われています」


「女神でも知らない脅威、ね。それは面白そうね」


「よかった、行ってもらえるんですね。それで、場所なのですが……」


女神が示した場所は、ちょうど今いる場所の正反対の場所だ。南極と北極の様に、一番遠い場所となる。


「遠いわね」


「大体の場所が分かるなら、私が瞬間移動で行けるよ」


「あの、出来れば私にも活躍の場が欲しいです」


ソルナの提案に、クロンが異を唱える。それに便乗して、レランも。


「あたしたちに乗っていきませんか。それとも、急いでいますか?」


「別に急ぐ必要は無いわね。久しぶりに、クロンもレランも元の姿に戻りたいでしょうし」


「あの、出来れば上司にエラーがバレる前に早くクリア……いえ、何でもありません」


エリザは、何かを言いかけた女神を、ひとにらみで黙らせる。この女神、普通に戦えば恐らく四天王以下の強さしかない。だからこそ、勇者召喚に頼って魔王を倒そうとしたのだろうけれど。それに、たとえ女神が怒られようが何だろうが、楽しいイベントよりも重要だとは思わない。


「それじゃあ、クロンとレランに乗って移動しましょう。ここは天気も悪いし、早く移動したいわ」


「分かりました!」


エリザはクロンとレランの人化を解除し、ドラゴンに戻す。その姿を初めて見たソルナは興奮し、クロン達は照れる。そして、しばらくしたのち、移動を開始した。



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