勇者敗北後
「ちょっとルナ、たいきゃくするの早すぎない?」
「なにいってるのよ、あれだけのはんいこーげきだとグレンたちがあぶないでしょ」
「あっ、そっか」
ソルスはルナの説明にポンと手を打ちつつ納得する。ソルスもルナも、自分のみを守るだけであれば何とでもできるが、グレンとロイを守る事には長けていない。前衛として戦う事には全力を出せるが、味方を守るタンクとしての経験は無かった。その攻撃に特化したスタイルでは、敵を瞬殺してしまうので守るという事に慣れないのだ。それに、多少の怪我であればロイが治せるし、周囲はすべてルナが把握できるので不意打ちなども防げていた。
「こーなったら、なんとしてもあいつをぎゃふんと言わせたいわ」
「うんうん、ぎゃふんと言わせたいね」
ロイとグレンは、ギャフンが何か分からないが、とりあえず頷いて同意する。それに、まだ負けてはいないとはいえ、あれをまともに受けていては無傷という事はなかったということも理解しているので、腹ただしく感じていた。
「今度は油断しねー。俺も全力で戦ってやる」
「そうですね。今回は、僕のサポート魔法を使えていませんし」
ロイは、多少はステータスアップの魔法が使える。ただ、効果は素のステータスを1割ほどアップさせるだけだ。この世界の強化としては破格のステータスアップだが、マオの強化魔法の10分の1程度である。
「それじゃあ、もーいちどたたかいましょう。ルナ、けっとーをもうしこんできて」
「いいわよ。それじゃー、ばしょとかじかんとかきめる?」
4人は、ある程度の計画を決めることにする。今回は足手まといとなってしまったグレンとロイは、特に念入りに自分たちが狙われないように思考を巡らせる。そして、ある程度の計画が決まった段階でルナが影を渡って決闘を申し込みにいった。
「つたえてきたわよ」
「それじゃあ、あしたにそなえてねよー」
ソルスはすぐにベッドへとダイブする。4人が居るのは、エリザ達とは別の宿屋であるが、すぐ近くにあった。というか、宿の様な施設は似たような場所に集まるほうが普通だろう。そして、グレードとしてもほとんど変わらなかった。つまり、もうすでにマオ達から部屋を奪う必要は皆無である。そして、不幸な事に、なぜ戦う必要があるのかと疑問に感じたのはマオだけであった。




