ブラドの奥の手
ブラドに攻撃されないように、ヴァンパイア達の攻撃が激しくなる。そして、スピードを生かしてワーウルフとワーキャットがヒットアンドアウェイで時間稼ぎをする。エリザは、その思惑に乗ってブラド以外のヴァンパイアとの戦闘に集中する。マオはスピードの速いワーウルフ達へ牽制の魔法を撃つ。クロンはレランと一緒にまわりの敵を排除する。
「準備が整った」
ブラドがそう宣言すると、ヴァンパイア達がエリザ達から離れる。それを見たワーウルフキングは、ワーウルフとワーキャットにも同様に離れるように命令した。
「さあ、何を見せてくれるのかしら?」
「吾輩の奥の手を特別に見せてやる。だが、最後にもう一度聞いておこう。吾輩の眷属になる気は無いか?」
「無いわよ。あなたは、自分よりも弱い主人に仕える気はあるのかしら?」
「ふっ、確かに自分よりも弱い主人に仕えるつもりはない。だが、その問いは今は無関係だ、吾輩の方が強い」
ブラドの魔力が高まり、それと同時に波の音が激しくなる。ブラドの後ろに高い壁がせり上がる。
「……水?」
「ただの水では無いぞ、吾輩が時間をかけて血を練り込んだ海水だ。潰れてしまうがいい。ブラッド・ダイダルウェーブ」
大波がエリザ達を襲う。それは、雨水で作った時よりも強力な魔力が含まれていた。
「ぎゅあー!」
「ぐるっ!」
クロンとレランがブレスを撃ち込むが、波は少し凹むだけで効果が薄かった。マオは凍らせようとするが、海水だからなのか凍りにくく、凍った部分があっさりと飲み込まれるだけで終わった。
「エリザ、どうするのだ?」
「とりあえず、本体を狙ってみようかしら。ピアシング・アロー」
エリザはブラドに向かって矢を放つ。だが、その矢はブラドを守るように動いた波で防がれた。
「マオ、クロンとレランを守って頂戴」
「分かった。エア・シールド、クレイ・シールド、フレア・シールド、アクア・シールド」
マオは複数属性のバリアでクロンとレランを守る。
「これは、回避するのは無理ね」
エリザは、周り全てを囲った波を見てそうつぶやく。一応、矢で攻撃するがやはり効果は薄い。そして、大波はエリザ達を飲み込んだ。




