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封印されていた最古の魔王。――外伝――  作者: 斉藤一


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人化の呪い解除

エリザは、御者ヴァンパイア改め男爵ヴァンパイアの攻撃をジャンプで躱し、そのままクロンの横へと着地する。


「運よく躱せたようだが、そう何度も奇跡が起きると思わない事だ」


男爵ヴァンパイアは、エリザが回避できたのは単なる運であると考えた。屋敷でエリザが戦った眷属の数倍のスピードを誇る攻撃を回避できるはずが無いと思っているからだ。実際、男爵ヴァンパイアの動きだしと同時にエリザはジャンプしていた。


「ところでクロン。こいつらとドラグルってどちらが強いのかしら?」


「ドラグルの戦闘力は、四天王で一番でした」


「そう。つまり、こいつはドラグルよりも弱いのよね」


「はい。比べるまでもありません」


クロンは、自信満々に答える。クロンは、そのドラグルを倒している事を知っているため、今更ヴァンパイアに負けるとは思えないことを再確認したのだ。


「それなら、あなたでも倒せるって事よね?」


「え? はい、そうですね。ただ今の姿では……」


「分かっているわ。人化の呪い解除」


「何をしている?」


男爵ヴァンパイアは、エリザとクロンを攻撃することなく待っていたわけではなく、マオに攻撃しないように牽制されていた。そして、エリザがクロンの頭に手を乗せたので、改めて注目したのだった。そして、紫の煙がクロンを包み、同時にクロンが巨大化しドラゴンの姿に戻る。


「馬鹿な、変化魔法だと? まさか、その様な高度な魔術を人間が使う事が出来るなど……」


男爵ヴァンパイアにとっては、エリザがクロンをドラゴンに変身させたように見えていた。そして、クロンはすぐに大きく息を吸い込む。


「だが、そう長くは持つまい? 不本意ではあるが、変身が解けるまで――」


男爵ヴァンパイアは、そこまでしか話すことが出来なかった。クロンから放たれたブレスの直撃を受けたからだ。それも、クロンのブレスはヴァンパイアの霧化を阻害したため、男爵ヴァンパイアはそのまま復活することなく消滅した。


「ぐるぁ?」


クロンは、これで終わりなのかとエリザに尋ねる。


「いいえ。そこの岩山に敵が居る事を忘れてはいけないわ」


クロンは岩山の頂点を見る。すると、そこにブラドが姿を現した。


「やはり、奥の手を持っていたか。それを確認するために男爵を当てたのだが、まさかあっさりと倒されるとは思わなかったぞ」


「それで、あなたは姿を現しても平気なのかしら? 今のヴァンパイアの様に消滅させられるかもしれないのよ?」


「ふっ、吾輩の実力を、それこそ男爵程度と比べられても困る。だが、舐めてかかるつもりも無い。眷属にするために殺しはしないが、意識を保っていられると思うなよ? ワーウルフキング、ワーキャットキング、出番だ」


「やっとか。待ちくたびれて俺様の体がなまっちまうぜ」


「あたしも待ちくたびれたわ。ブラド様。後で新鮮な人間の生肉を食べさせてよね?」


「分かった、分かった。念のためにもう一度言うが、こいつらは殺すでないぞ? 腕や足くらいならいいが、致命傷を与えることは禁じる」


「分かってるって。アオオオーッ」


「ニャーッ!」


ワーウルフキングとワーキャットキングがそれぞれ吠えると、ワーウルフとワーキャットが集まってくる。そして、続いてヴァンパイアも蝙蝠の姿となって集まってきた。


「吾輩も戦力の出し惜しみはしない。階級もちを随時投入などせんぞ」


公爵以下子爵までのヴァンパイアが勢ぞろいする。それに加えてワーキャットとワーウルフ、ジャイアントバットも居るため、戦力的にはフレディの軍を夜の間だけ上回る。


「それがあなた達の全力って事かしら。それなら、レラン、あなたも」


「はい!」


レランは喜んでエリザの元へと行く。そして、レランもドラゴンの姿へ戻った。翼は無いが、すでに風魔法を自在に使う事によって空を飛ぶことが出来るので今となっては飛行に支障はない。


「ドラゴンが2体だと? ワーキャットキング、ワーウルフキング、あの女を手に入れられるなら他は殺しても構わん」


ブラドも、エリザがドラゴンへ変化させることが出来る魔法の使い手だと判断した。そして、2体もドラゴンに変えられるならば、エリザ一人いれば十分だと考えた。ただ、ブラドの頭の中では最初から自軍の敗北は計算に入れていなかった。ブラドの中では、これだけの戦力が居ればたとえドラグルですら倒せる自信があった。ただ、ブラドは直接ドラグルと戦ったことが無いため、その実力を測りかねてはいた。


「行け!」


一斉にヴァンパイア、ワーウルフ、ワーキャットがエリザ達へと襲い掛かる。それらを、クロンとレランは尻尾攻撃やブレスで排除する。マオは速度重視の魔法で攻撃し、接近されないように対処する。エリザは、主にジャイアントバットと矢で撃ち抜き、レインアローで地上部隊を足止めしていた。


「何をしている! 順次戦力を削げ! まずはドラゴンの一匹を片付けろ!」


ブラドの命令により、攻撃の対象はレランに向いた。レランのメインの攻撃手段が炎であり、クロンの闇のブレスよりも対処しやすい様に見えたからだ。レランは、空へと向かう。それによって空を飛べないワーキャットとワーウルフからは攻撃を受けない。


「援護しろ!」


ジャイアントバットが超音波によってレランを墜落させようとしたが、効果が無かった。風壁によってレランが守られていたからだ。そうしているうちに、ジャイアントバットはエリザに撃ち抜かれ、地上部隊もクロンとマオによって減らされていった。


「ええい! こうなったら吾輩直々に手を下す! 死にたく無いものは離れていろ」


ブラドは、部下の返事も聞かずに攻撃の準備をする。空に雨雲が集まり、ブラドはそこへ血の塊を飛ばして混ぜる。すると、雨雲はすべて血で出来たツララ状へと変化した。


「ブラッド・アイシクルレイン」


血のツララは、逃げ遅れたワーキャットやワーウルフも巻き込んで攻撃する。血の霧になったヴァンパイアには血の攻撃が効かないため、ヴァンパイア達は無事だが攻撃はできない。血のツララは、クロンの鱗は傷つけることは出来なかったが、クロンよりも弱いレランには多少の傷をつけていた。エリザは、マオが張った風のバリアで防いでいる。


「この攻撃を防ぐか。ならばお前達、時間を稼げ。吾輩はあれをやる」


「はっ!」


「あ? あれって何だよ。俺様の部下も巻き込みやがって。これが終わったら相応の賠償はしてもらうからな!」


「あたしの分もね!」


ワーウルフキングとワーキャットキングは、ブラドが何をするのか分からないが命令に従うことにする。力関係的に、逆らう事が出来ないからだ。


「面白そうね。とりあえず、クロンはレランの援護を」


「ぎゃお」


クロンは、弱ったレランの援護を始めた。

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