ブラドサイド
「なんで、逃がしたんだ? 殺す事も無理やり眷属にする事も出来たんだろ?」
ワーウルフキングがブラドに尋ねた。ワーウルフキングは、戦いの場は見ていないが、匂いが屋敷から離れたのでエリザ達が生きていることが分かっていた。
「念のためだよ。吾輩の眷属が4人もやられたからな」
「4人もか? まあ、昼間だから仕方ないだろ。夜の数分の1の力しか出せないんだから」
「いや、あやつらは魔法によって本来の力を取り戻していたのだよ」
「はぁ? 冒険者程度、あいつらの力なら一人でもおつりがくるだろ? 実際、ギルドに居たBランク冒険者だとかいう奴らも余裕で捕まえていたじゃ無いか」
「実際、殺されたのだ。まあ、死因は日光によるものではあるが」
「なんだよ、たまたまか。それなら、人員補充を兼ねて殺さなかったのか」
「まあ、そんなところだ」
実際は、ブラドはエリザ達の実力を測りかねたために、全力を出せる夜まで戦いを避けたのだ。ブラド側にとっては、夜になって戦力が強化されることはあっても、逆は無いので損が無い。
「さらに念には念を入れる。ワーキャット、ワーウルフ達を呼べるだけ呼べ」
「必要か? 一応、街から人間どもが逃げないように配置しているが、逃げるのを諦めたのか出入り口はおろか、壁の方へすら近づいて来なくなったから、ある程度の部下は集められると思うぜ」
「万が一、あやつらがランクA冒険者だという可能性を考えておくべきだろう。ギルドの配下をやったのも恐らく奴らだ」
「そりゃあ、楽しみだな。ランクC冒険者だと自信満々で俺様に歯向かってきた奴は雑魚だったからな」
「新たな配下になった者からの情報では、ランクBとランクAの実力差はかなりあると聞いた。だから、吾輩はあ奴らがランクA冒険者だと判断したのだ」
「そんじゃあ、俺様は夜まで寝るぜ。おい、そこのお前、人員を集められるだけ集めておけ」
「はっ!」
話を聞いていたワーウルフの一人が指名され、すぐに部屋を飛び出していった。それを確認して、ワーウルフキングは自分の部屋へと戻る。ブラドは、同様に配下を集めるために眷属に指示すると、部屋を移動した
ブラドの移動先には、鎖につながれた冒険者が何人か居た。一度の吸血では配下に出来なかったBランク冒険者達だ
「はぁ、はぁ、はぁ。また来やがったか。俺は死んでもお前の配下になんかならん!」
「心配するな、これから不死者になるのだから、死ぬことは無い」
ブラドはそう言うと、冒険者の首筋に牙を突き立てる。冒険者の血により、自身の魔力が満ちていくのを感じる。その後、自身の血を冒険者に送り込む
「あ、ああ……、体が、あつい、俺が、俺じゃなくなって……」
Bランク冒険者の一人が、そのまま気を失った。そして、ブラドは次の冒険者に近づいていくのだった




