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封印されていた最古の魔王。――外伝――  作者: 斉藤一


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休み

ローランドに見つからない程度の距離まで飛行した後、着地する。クロンもレランもまだ飛行には慣れていないため、ドラゴンの姿と比べてかなり遅い。それでも、馬よりは早いのでそれほど時間をかけずに戻ってくることが出来た。


「エリザ、無事だったんだね」


「ええ。無事、倒す事が出来たわ」


「石化は何とかなったようだね。心配で、クリムゾンに少し無理をさせてしまったから、休ませてもいいかい?」


「いいわよ。私達も今日はこれ以上行動するつもりは無いわ」


「そうか。ならば我は野営の準備をしよう」


まだ暗くなるには早いが、やることが特にないのでマオは野営の準備を始める。マオであれば、土魔法でどこでもすぐに建物を作ることが出来るので、今の場所をすぐに野営場所へと変える事が出来る。


「それなら、私達は食事の用意をします。ね、レラン」


「あ、ああ」


正直、レランは疲れていたので休みたかったが、同様以上に疲れているはずのクロンが食事の準備をするのなら、休んではいられないとしぶしぶ重い腰を上げる。


「食事の用意なら、私がしよう。君たちはレイランとの戦闘で疲れているだろう」


「そう? それならお願いしようかしら」


「腕によりをかけて作るよ。まだ街でもらった新鮮な食糧があるからね」


イーストサイドの街で無理やり持たされた食料の中には、長旅に向かない新鮮なものも多かった。ローランドはそれを使って料理をするつもりだ。マオは、さっさとキッチンを作るとローランドに明け渡す。


「これで、四天王も残り一人ね。ああ、そういえばドラグルって本当に四天王最強なの? 一番、弱かった気すらするのだけれど」


「単純に、真正面から殴りあえば最強なのですが、フレディやレイランを直接相手した後だと確かに物足りなさがありますね……」


クロンは実際にドラグルと戦ったことがあるため、搦め手や奥の手がありなら最強はドラグルではない様な気がしてきた。


「そう言えば……最後の四天王は会ったことが無いのでどんな方なのか分かりません」


「そうなの? ローランドは何か知ってる?」


ローランドは、料理の手を止めてエリザの方へと振り向く。話しかけられたのがうれしかったのだ。


「せっかく話を振って貰って光栄なのだけど、実は私もよく知らないんだ。立場的には、魔王の参謀という感じだから、力よりも知能で戦うタイプなのではないかと読んでいるのだけど」


「分かったわ、ありがとう」


「どういたしまして」


四天王の話が終わったので、ローランドは再び料理に戻る。今日はさすがに訓練も何もする気が起きなかったので、クロンとレランはローランドの料理が出来るまでに早めのシャワーをあびて汚れを落とす。シャワーからあがるころには料理が出来ていた。


「それじゃあ、おやすみなさい」


食事を終え、エリザとマオはシャワーを浴びると、寝るために建物へと入る。ローランドはクリムゾンの世話があるため、それが終わってからシャワーとなる。周りに何も無い場所なので、夜番の必要は無いだろうと全員で休むつもりである。


次の日は、雨だった。それも、小雨ではなく結構本降りである。


「……今日は、動くのを止めましょうか」


「ウェストサイドへ向かわなくていいのですか?」


「雨に濡れたいの? 私は嫌よ」


「あたしも雨はちょっと……」


「冒険者であれば、このくらいの雨でも活動するのが普通なんだけどね。だけど、雨で地面もぬかるんで危険が増すし、無いと思うけれど体が冷えて風邪を引く可能性もあるから今日は休んだらどうだい?」


「これでは訓練もできませんね。それでは、私は寝溜めします」


「それならあたしも、久しぶりにゆっくり寝ようかな」


「ふあーぁ、私ももう一度寝なおそうかしら。ローランドはどうするの?」


「私もゆっくりと装備の手入れでもするとしよう。クリムゾンも体を休める事ができるだろうし」


「我は魔法の研究でもして時間を潰すとしよう。何かあれば呼んでくれ。新しい建物を作ってそこにこもる」


「分かったわ」


それぞれ、この日はのんびりと過ごす事にした。

だが、この雨はブラドが自分たちの陣営を有利にするために呼んだ雨雲が通過したために降ったものであり、この雨雲がブラドの元へと届いたとき、ウェストサイドへの侵攻が始まるのだった。 

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