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封印されていた最古の魔王。――外伝――  作者: 斉藤一


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石化対策

「見えた、あれがローランドの言っていた魔族の姿になったレイランね」


エリザ達の見る先には、平原を素早く移動する人型の姿があった。レランはすぐに追いつき、少しだけ追い越して着地する。


「見つけたわよ、レイラン」


「なぜ私がレイランだと知って……? まあいいわ、自分から来てくれるなんて探す手間が省けたわね」


「それで、あなたの目的は私への復讐かしら?」


「当然よ。私のすべてをめちゃくちゃにしてくれたお礼はきっちりとしないと、ね!」


レイランが、帽子の隙間から蛇の頭を出す。対して、エリザ達は持っていたものを装着した。


「……なぜ石化しないのかしら? まさか、その眼鏡で防いだというの?」


「これは眼鏡じゃ無いわ、サングラスよ」


この世界にはまだサングラスは存在しない。普通の眼鏡であれば、視線を合わせたのと同じことになるため石化するが、光を反射する偏光サングラスであればメデューサの石化の視線を防ぐ事が出来る。


「あなた、もしかしてメデューサと戦うのは初めてじゃないのね。そんな対策を知っているなんて」


「いえ、初めてよ。ただ、似たような魔物をいくつか知っているだけね」


「それなら……冒険者ども、あいつらのサングラスとやらをはずせ!」


「へいっ!」


レイランは、ひそかに地面に隠していた5人のレイス冒険者を呼び出す。ある程度はエリザ達を探しに遠出させているので、すぐ近くには何人かしか残していなかった。それでも、エリザ、マオ、レラン、クロンで4人なので、それぞれ一人ずつ相手にできる。


「くっ、この!」


「やっ! すり抜けた!?」


「アイス・プリズン」


レランとクロンのナイフと剣は、レイスの体を素通りしてしまう。ただ、マオの魔法を受けた一人だけは、氷の中に閉じ込められた。エリザは、レイスが近づけないように回避する。


ここでレイスの特徴を示す。レイスは魔力の塊に意志が乗った疑似生命体であり、物理的な攻撃は通らない。しかし、あくまで魔力の塊なので魔法は効く。しかし、見た目的には魔力が少し減るだけなのであまり効いている様には見えない。また、レイランの様に何かに憑依していない限り、魔力は徐々に抜けて行き、放っておくと消滅してしまう。日光に弱いとかは無いが、魔力だまりやダンジョンの様な空気中に魔力が多い場所でないと存在し続けることが出来ない。そして、自らが魔法を使う時は空気中の魔力を使うが、自らの体の魔力を使えば威力が上がる代わりに寿命と言える魔力が減る事になる。


「あっ!」


「うっ!」


そして、攻撃の隙を突かれてレランとクロンのサングラスがレイスに奪われた。こちらの攻撃は素通りするのに、向こうからは触れられるのは卑怯な気もするが、実際は触れているのではなく魔力を消費して動かしているだけなので寿命が減る。


「よくやったわ! それっ!」


「しまった!」


レイランはサングラスの無いレランを頭の蛇でぐるぐる巻きにして、他の蛇で視線を合わせる。同様に、クロンにも視線を合わせるよう蛇を操った。


「……が、体が……動かしづらく……」


「……私は、少しぴりぴりしますが大丈夫そうです」


レランは徐々に石化し始めているのに対し、クロンは魔力が高いせいか石化に抵抗力があった。レランも多少は抵抗力があるが、完全には抵抗しきれていなかった。しかし、マオが石化を解けることが知っているので、絶望はしていない。クロンは自分の体を確かめている。


「レラン! アイス・ニードル」


マオは、とっさにレイランに向かって氷の針を飛ばすが、避けられてしまった。逆に、その隙を狙っていたレイス冒険者にサングラスを奪われる。


「あなたも石化しなさい! ……? 石化しなさい!」


レイランは、何度かマオに石化の視線を向ける。この石化の視線は、目をつぶった程度では防ぐことは出来ない。真後ろを向けば避けられるが、今は普通にマオと蛇の目が合っていた。


「ふむ、やはり我のユグドラシルの肉体には石化は効かぬようだな」


「くそっ、そっちの黒い娘にも効果が無いとは想定外よ! レイス冒険者達よ、そっちはもういいわ。エリザを集中して狙いなさい!」


「うおぉぉぉ!」


残った4人のレイス冒険者達は、レイランの命令通りにエリザに集中して攻撃をしかけるのだった。



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