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封印されていた最古の魔王。――外伝――  作者: 斉藤一


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移動の前に

「さて……」


エリザはどうしようかと考える。そういえば、クロンの変身クールタイムはいつだったか、そろそろその設定もめんどくさいなと。けれども、せっかく慣れてきた人型クロンをドラゴンの姿に戻すのももったいない気がする。


「とりあえず、ちゃんと手当てをしましょう」


エリザは、時間を潰すために時間稼ぎをする事にした。今日一日は、フレディ戦の疲れと怪我を取るのに使おうと。

一応、致命傷は無いので軽微な傷な傷の手当、マオのヒールで治す。しかし、体の傷は治せても精神的な疲れと減った体力は治せない。


「ほら、ローランドも」


「ありがとう」


ローランドも致命的な攻撃は受けていないが、回避しきれない攻撃がかすっていたので、多少の傷はあった。その傷もマオが治す。


「マオは優秀な治療術師なんだね。てっきり、攻撃魔法使いだと思っていたんだけど」


マオは別に苦手な魔法が無いので、何と呼ばれようとも構わない。なので、ローランドの言葉を肯定も否定もせず、頷くだけで終わる。


「それじゃあ、私は一足先にイーストサイドの街へ行ってくるよ」


ローランドは、少しでも時間のロスを少なくしようと街へ向かう。そのころには、街の方からもフレディが消えたことが確認されていたため、兵士がちょうど門の辺りまで来ていた。そして、さっそくローランドを見つけ歓迎する。手振りでエリザ達の方はどうするのかと聞いている様だったが、ローランドはきちんとエリザ達は別行動すると伝えていた。


エリザ達は怪我が治ったので移動を開始する。


「クロン、調子はどう?」


「万全です。レランも大丈夫です」


レランも頷く。多少の疲れはまだ残っているものの、もともとタフな種族の為、数日連続で戦ったりしない限りは活動するのにはまったく支障はない。


「それなら、もう少し離れた場所まで移動しましょう。暗くなったら、早めに寝て明日に備えましょうか」


「はい」


エリザは、一応日をまたぐまでクロンを変身させない事にした。それに、急いでイベントを消化する必要もない。ただ、ゆっくりした結果、イベント自体が終了していたという事はあってはならない。なので、エリザは念のために確認することにする。


(万里眼)


エリザは遠く離れた場所を確認する。これは、マオにも話していない能力だ。これによって、エリザは世界のすべてを見通すことが出来る。それがたとえ屋内だろうが洞窟内だろうが遮断結界の中だろうが。


(……まだまだ大丈夫そうね。あとは、戦闘が始まってから行くのか、始まる前に行くのか、どちらが正解かしらね)


「どうしたんですか?」


「何でもないわ」


さすがに、遠くを見ながら近くを見るという事はあまりしないため、クロンからは上の空に見えたようだ。


「そろそろいいかしらね。マオ、この辺で今日は休みましょうか」


「分かった」


マオは、フローターを使って同時に建物、トイレ、風呂など複数のものを作っていく。それによって、はた目には一瞬で準備が出来たように見える。


「すごいです、マオ様」


クロンも、人型の時は排泄はきちんとトイレで行う様に言われているため、ドラゴンの姿の時のように好きな場所でトイレをするという事はしなくなった。レランも同様である。それに、風呂にも出来る限り入るようにも言われている。


「マオ様の魔法、便利ですね。あたしでも覚えられますか?」


「ふむ。レランは魔法が使えるのか?」


ドラゴンも魔法が使える。しかし、それは人間のように体系化したものではなく、本能で行うものばかりだ。なので、なぜ自分が魔法を使えるのかという事は自覚できていない。


「分かりませんが、覚えてみたいと思います」


「我の使い方が、合っているのかどうかは分からぬが……」


マオもこの世界の魔法の体系がどういうものなのかは分からない。なので、自分のやり方をレランに教える。それをクロンも興味深そうに見ていた。それを、マオは寝るまでの暇つぶしに教える。そして、数時間後。


「あたし、火魔法と身体強化しか使えません……回復魔法を覚えて見たかったのですが」


あわよくば自分の翼を治したいと考えていたレランは、マオから回復魔法も教えてもらったが、細胞やら神経やら馴染みのない言葉が多くて断念した。その代わり、火竜だけあって火の扱いだけは得意だったようで、口から火球を吐くだけでなく、手からも発射できるようになっていた。


「むぅ……」


そして、クロンの方は全く魔法に向いていなかった。身体強化は出来るが、遠距離攻撃するような魔法を覚える事が出来なかった。ブレスは使えるが、クロンのブレスは魔力をそのままぶつけるような簡素なもので、レランの火球よりも原始的なものだ。ただ、純粋な破壊力という点ではクロンのブレスの方が威力は上なのだが。なので、魔力を何かに変換するという事が得意では無いようだ。


「いい。私には剣技があるから。ローランドみたいにすればいいもの」


クロンは、誰にも聞かれていないのにそうつぶやくと、アレスに貰った秘伝の書を読み始めた。人間の言語を学んでいないクロンにも読めるように、エリザが翻訳したものなので正確にはアレスから貰ったものとは別になるのだが、内容は同じなので。

クロンは、残りの時間を技の習得に使い、レランは火魔法で遊んでいた。

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