回収されないフラグ
「終わったのかしら?」
エリザは自らフラグを立てに行く。しかし、そのフラグが回収されることは無かった。フレディが復活する事も、新たな何かが現れることも無く、本当に終わったのだ。
「ああ、倒したようだ。エリザ、私は君の事を見直し、惚れ直したよ」
「あら、ありがとう」
お礼は言うが、ローランドとはまったく付き合う気は無い。
粉々になったフレディの体は、ただの石の破片の様にしか見えないため、討伐の証明が出来ない状態だ。
「ローランド、あなたにお願いがあるのだけれど」
「何だい? 私に出来る事は何でもしよう。結婚して欲しいのかい?」
「違うわ。四天王を倒したという報告を、ノースサイドと王都のギルドにしてほしいのよ」
「君が倒したんだから、自分で行った方がいいんじゃないのかい? Aランクの私ですら倒せる見込みの無かった敵だ。これを報告すればSランクも夢じゃないよ」
「ランクに興味は無いわ。それに、あなたが信じても他の住民はまさか私達が倒したとは思わないと思うもの」
A級で敵わない敵をCランクが倒すなどという事はあり得ない。偶然で倒せない敵を倒せるからAランクなのだ。運よく、高ランクの魔物を倒した程度ではBランクが限度だろう。
「……そうは思わないけれど、分かった。私が報告しよう。それで、エリザはどうするんだい?」
「これで私達は3人の四天王と戦ったわ。レイランには逃げられてしまったけれど、あと一人残っているでしょう? それを探しに行こうと思うの」
エリザが遊べるような相手は四天王くらいしかいないと判断し、残りの四天王を探す事にした。しかし、それでもあと遊べるのは魔王と四天王2人しかいない。一応、敵ではないが勇者と遊ぶという選択肢もあるにはあるが。
「君たちは、世界を救うのかい?」
「そんな高尚な目的じゃ無いわよ」
「ふっ、謙遜しなくてもいいよ。結果的にこの街も救われているのだから」
実際に目的が違うのだが、ローランドの目にはエリザの行動すべてが善行に見えている。
「分かった。私も報告が終わったら向かおう。それに、新しい相棒も探す必要があるからね」
あくまでローランドはエリザ達とは別パーティの為、失った相棒、シルバの代わりの馬がいる。イーストサイドの街は大きいため、馬もある程度の数は居ると思われる。
「さしあたって、どこへ向かうんだい?」
「そうね……ウェストサイドなんてどうかしら?」
「確かに、北側から攻められる街はあとそこぐらいだろうね。分かった、私もそこへ向かうとしよう」
「くる頃には終わっているかもしれないけれど。その時は、王都にでも戻るわ」
「……さすがに、ドラゴンの速度で移動されては追いつけないね」
それからしばらく、エリザとローランドは詳細を詰める。エリザとしても、急いでイベントをこなす必要が無いため、すぐにウェストサイドの街へ向かう事は無い。ただ、街が滅ぶ前には向かわなくてはいけないと思ってはいるが。距離的には、ウェストサイドの街は本当に大陸の一番西側の海に面した場所にあるため、魔王城からはかなり遠い場所にあった。なので、魔王城から同時に出発したと仮定したうえで、進軍スピードも同じであるとすれば、まだ1か月はかかる見込みだ。ただ、イーストサイドの街からウェストサイドの街まで馬で向かった場合は、そのぐらいかかるのだが。




