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封印されていた最古の魔王。――外伝――  作者: 斉藤一


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新しい弓技

「シューティング・スター!」


エリザは心臓のある場所が弱点じゃ無いと分かると、頭、右手、左手、右足、左足と目立つ場所を攻撃する。しかし、フレディが自ら弱点は無いと言っていた通り、それらは穴が開いてもすぐに塞がる。フレディ自身の魔石を攻撃する事が出来れば倒せるが、身長30メートルもあれば体積もかなりあるので、小さな魔石を正確に撃ち抜くことは不可能だ。マオならある程度魔力で位置が分かるが、マオに頼ってばかりでは面白くない。


「本気を出す場面でもないわよねぇ……」


イーストサイドの街の人たちには悪いが、すぐにフレディを倒す理由もない。今のところ、街に被害が出ているわけでもないので。なので、本気の攻撃……大鎌による消滅攻撃を行うつもりはない。いくら再生速度が速いといっても、魂を消滅させれば復活は不可能だからだ。弓は飾りの攻撃武器ではあるが、今のエリザはレンジャー気取りなので、弓での攻撃をメインとする。


「レイン・アロー!」


多面的攻撃で上空から矢の雨を降らせる。しかし、貫通力はシューティングスターの比ではないくらい弱いので、フレディの体の表面を針のようにするだけで、倒せる威力は無い。


「新しい技を考えるべきかしら」


エリザは、弓は初心者なので今のところシューティングスターとレインアローしか使っていない。技はあくまでイメージなので、貫通と範囲攻撃を目的とした技としてイメージしたものだ。しかし、今はその両方がフレディに効果が無い。


「今必要なのは、何かしら?」


この間も、クロンとローランドがフレディに攻撃を仕掛けている。しかし、どちらも有効打は無いようだ。そして、レランの補助にはマオが入っている。マオの炎の槍が、レランを掴もうとしていた指を燃やし尽くす。その指の再生は、シューティングスターで貫通させた時よりも遅い。だが、今現在もフレディは周りの魔物を吸収し、大きくなってきているので、そのダメージも誤差だ。


「燃やせばいいのね? ファイア・アロー!」


魔法にも同じ名前の炎の矢があるが、エリザが使ったのは矢自体に炎を纏わせる技だ。正直、魔法が使えるならばあまり意味のない技ではあるが、今はあくまでレンジャーなので。

そして、矢が刺さった場所が燃え広がる。しかし、その炎もすぐに肉に押しつぶされて消える。


「あら、効果が低いわね」


マオの時と違い、フレディには炎の矢にそれほど効果は無かった。それなら、逆に冷やすのはどうか。


「アイス・アロー!」


今度は矢に冷気を纏わせて放つ。矢が刺さった場所が凍るが、それだけだ。行動の阻害にもならないし、再生の邪魔にもなっていない。そして、しばらくすると氷がはがれていくだけだった。


「……思ったよりも難しいものね」


そうしているうちに、レランがフレディのデコピンで弾き飛ばされる。ただのデコピンでも、レランの身長以上の指の太さでの攻撃なので、存外に威力があった。一応、マオの魔法でレランが受け止められ、遠くに飛ばされることは防いだが、鎧にひびが入るほどのダメージを受けている。レランの鎧はドラゴンの鱗なので、ドラゴンの姿であってもダメージを受けるような攻撃という事だ。


「ぐぅっ!」


隙を突かれ、クロンがフレディの両手に挟まれる。フレディ自身の手がそれほど硬くなかった事もあってぺちゃんこに潰されることは無かったが、衝撃を全身に受け、クロンは脳震盪を起こしてふらつく。ローランドはさすがに攻撃を食らう事は無かったが、月光刃ですら効果がないとあれば、攻撃する手段がない。効きそうな目や関節を狙うが、やはり効果が無い。


フレディの身長が50メートルほどになった。ここまで巨大化すると、ただの腕の振りだけでも攻撃範囲が広く、十メートルは動かないと避ける事が出来なくなる。クロンとレランはさすがに危険を感じて離れている。ローランドは、フレディが攻撃するというタイミングを読んで、あらかじめ回避する事によって何とか躱しているが、クロンとレランが抜けたために集中攻撃を受ける羽目になっていた。


「私もそろそろ限界だ! エリザ、一度撤退してはどうか!」


とうとう、ローランドが撤退を提案する。これ以上続けても、どんどんと追い込まれるだけで勝機が薄いと判断したのだ。


「私に任せて貰えるかしら。ブレイク・ショット!」


エリザは色々と考えた末、ブレイクショットを放つ。その矢がフレディの肘に当たる。


「な、何なのだ?」


フレディは、自分の肘に違和感を覚える。肘が破壊されたわけでもないのに、動かなくなったのだ。


「ブレイク・ショット!」


エリザはそれをフレディの各関節に向かって放つ。矢に当たったフレディの腕はダランと下がり、膝に当たれば膝をつく。


「馬鹿な、なのだ。動けないのだ!」


巨大なフレディの体が横たわる。それだけで、地震が起きたかのような衝撃が街を襲い、古い建物が崩れ落ちるほどだった。


「何をしたのだ!」


「あなたが体を動かしている魔力の筋を破壊したのよ」


フレディは当然、体を神経を使って動かしている訳では無い。そんな事をすれば、手足の先に命令をするのに時間がかかり、まともに体を動かすどころじゃ無いからだ。なので、体を魔力を使って違和感なく動かしていた。エリザは、その魔力の網を破壊したのだ。


「そんなもの、また張り直せば……」


フレディは、破壊された魔力の筋を回復させようとするが、うまくいかない。なぜなら……。


「無駄よ。持続的に破壊し続けているもの」


エリザの矢は、その場にとどまり破壊を続けていた。その矢を抜かない限り魔力の筋を張り直すことは出来ないが、抜こうにも手足が動かない。


「終わりね」


あとは、体のどこかにあるフレディの魔石を破壊するだけで終わりだ。

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