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封印されていた最古の魔王。――外伝――  作者: 斉藤一


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テンペスト

「ふぅ、やはりゴブリンの魔石を埋め込まれた程度では大した戦力にならなかったわね。次は、魔物の死体に魔物の魔石を埋め込んだ奴らよ」


レイランは、再び微量の魔力を放出する。すると、今度は地面の中から複数の魔物が現れる。その戦闘力は、オークキングが魔物の魔石を暴走させた時の魔物を超える。


「一体一体が、オークジェネラル並の強さに感じます」


「あたしにとってはまだ余裕だな」


「別に強いと言っているわけじゃ無いから。私も余裕」


ドラゴンの姿の半分のステータスしか無いとはいえ、ドラゴンの中でも強いレランとクロンにとってはオークジェネラルは雑魚だ。しかし、元がウルフやオーク、ホブゴブリンがその強さになるというのは人類にとっては脅威だ。そして、まだ何もしていなはずの魔物の何体かが勝手に倒れる。


「やっぱり、魔物に魔物の魔石を組み込むと、相性が悪いやつは拒絶反応が出てダメみたいね。それなら次は……」


「もういいだろ、あたしがあんたを倒す。似た名前をしやがって!」


名付けられたのは、確実にレランの方が後なのだが、似た名前のレイランの事を最初から気に入らなかったようだ。しかし、レランのナイフの双剣をドラグルが防ぐ。その手には、いつの間にか黒色の大剣が握られていた。


「危ないわね、私は後衛タイプなんだから近づけさせないでよね」


「はい。申し訳ありません」


ドラグルは悪くないのに、従順なのでレイランに謝る。レイランは、レランが危険と見て距離を取る。ちなみに、エリザの弓に対抗するために、すでに風魔法で矢避けの障壁は張っていたのだが、近接攻撃には効果が無い。


「エア・ショット」


「はん、この程度の魔法じゃあたしを倒す事はできないぜ」


レランはナイフを使って風の弾をはじいていく。人間の体にはまだ慣れ切っていないが、戦闘の勘は元々良かったので適応が早い。


「ドラグル、時間を稼いで」


「はい」


ドラグルは、レランに突進して大剣を振り下ろす。しかし、レランはそれを両手のナイフで受ける。しかし、レランの足首が地面に陥没するほどの衝撃があった。


「なっ、なんて力だ!」


「レラン、気を付けて。ドラグルは強い」


ドラグルは、見た目を遥かに超える力を持っていた。もともとブラックドラゴンのクロンに騎乗を許されていた竜人だ。クロンは本気で戦ったことは無いが、本気で戦えばお互い無傷では済まないと思える実力があった。ドラゴンの時ですらそうなので、今のステータス半分のレランやクロンでは力で勝つことは出来ない。


「援護する。エア・カッター」


マオは、レランの不利を察して援護に入る。フローターを使って4重起動した風の刃は正確にドラグルの両手両足を狙う。そのうちの2つ、右手と右足を狙ったものは大剣で防いだものの、ドラグルの左手と左足に切り傷が出来る。しかし、ヒドラの魔石の能力で、その傷はすぐに塞がった。


「すごい再生能力だな。それなら、焼いてしまうか。ファイア・ランス」


続いてマオは炎の槍を複数ドラグルに放つ。威力の高い炎の槍は、ドラグルでも1つをはじくのがやっとで、3つの槍が直撃した。


「マオ様、ダメです! 竜人には火はあまり効果がありません」


竜人の火炎耐性が高いこともやっかいなところであった。クロンのブレスの直撃ですら致命傷を与えることはできない。ドラグルは、すぐにマオの炎の中から出てきたが、皮膚は再生が追い付かないほど焼けただれていた。


「……すごいです、マオ様。まさか、火炎耐性の高い竜人にそこまでダメージを与えることができるなんて」


クロンは驚いてマオを褒める。しかし、マオとしては納得がいかなかった。今の魔力量なら、ブラックドラゴンの姿の時のクロンですら焼き尽くす威力が込められているはずだったのだ。


「ヒドラの魔石を埋め込んであるのに、なんで炎でダメージを与えることができるのよ!」


逆に、レイランは驚いていた。ただでさえ火炎に強い竜人に水属性の魔物の魔石を埋め込んであるのだ。防火扉に水をかけてあるようなものだ。

ドラグルは、何とか皮膚を再生させる。そして、ドラグルはクロンやレランよりもマオの方が危険を判断し、レイランの護衛に入る。もし、さっきの炎の槍が直接レイランに向けられた場合、耐えられないと判断したからだ。それに、クロンやレランが近くに居れば、遮蔽物としても利用することが出来る。クロンとレランも、マオの魔法の威力を見て、フレンドリーファイアが怖く、積極的に攻められなくなった。マオの援護が逆に足かせとなってしまったが、マオにとっては一人でも何とかなるので気にしていない。


「……準備が整ったわ。まとめて吹き飛びなさい。テンペスト!」


魔法の発動と同時に、自分たちが巻き込まれないように、ドラグルはレイランを担いでその場を離れる。巨大な竜巻は、クロンとレラン、マオを巻き込む。エリザは、逃げるか受けるか迷った結果、入ってみるのも面白そうだと感じてテンペストを受ける事にした。その辺の建物を巻き込んで、竜巻の中のものを真空の刃で切り裂いていく。


数分もかからず、竜巻は消える。それと同時に巻きあげていたものがすべて地面へと落ちる。


「痛い、痛いー!」


「くっ、私もさすがに全身無傷では済みませんでした」


「……この程度か」


「ぐるぐるまわって面白かったわね」


レランは、鎧部分が少ないため、肌の露出していた場所が結構切り裂かれていた。クロンも、鎧部分は大丈夫だったが、肌の露出した部分は切れている。ただ、二人とも致命傷は無い。マオは、自分を風でコーティングしたため無傷で、エリザも同様に無傷である。


「そんな、私の最強の魔法で生き残っているなんて……」


レイランは、自分が持つ中で最強の魔法でも倒せなかったことにショックを受ける。


「二人とも、今、治してやるぞ。ヒール」


マオは、レランとクロンに回復魔法を使う。多少切れただけで、欠損などは無いため最低限の回復魔法だ。ドラゴン自身も回復力は高いので、放っておいてもそのうち治る。

そして、最強魔法のダメージをあっさりと消されたレイランは、完全に放心していた。


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