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封印されていた最古の魔王。――外伝――  作者: 斉藤一


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洞窟

マオは、自分たちの前に風魔法でシールドを張る。これで風だけでなく、鳥や虫などの障害物がぶつかる事もない。クロン自体は仮に鳥や虫にぶつかっても何の障害にもならない防御力を持っているので問題は無い。クロンは一度羽ばたくと、高速で山へ向かって飛ぶ。


「高いし、は、はやすぎるぅぅぅぅ!」


ドワングは、横の風景が高速で流れていくのをみて恐怖を覚える。しかし、体は魔法で拘束されているので動くことは出来ない。


「思ったよりも早く着きそうね」


エリザは、実際にクロンが飛ぶのを見た事が無かったため、想像していたよりも早くてうれしく思う。マッハを越えて飛ぶクロンは、あっという間に山に着いた。木が無い少し広い場所にクロンは着地する。そして、ドワングは転げ落ちるようにクロンの背中から降りた。マオとエリザは普通に飛び降りる。その後エリザは、クロンを人化の呪いで人にする。


「クロン、ご苦労様。思ったよりも早く着いて助かったわ」

「いえ、これが私の役目ですから」


クロンは褒められて少し照れる。


「はぁ、はぁ、はぁ、死ぬかと思った」

「なにで死ぬのよ。魔法で障壁は張ってあるし、落ちないように拘束もしてあったのに」

「心臓が爆発するかと思った」

「あっそう……」


ドワングは、自分の胸を押さえてドキドキを抑えようとする。無駄であるが。


「それよりも、入り口は山のどこらへんなの?」

「へへっ、俺が見つけた秘密の場所だ。案内するが、他言無用だぞ」

「言わないわよ。それより、近いの?」

「山を少し登ったあたりだ」


その場所は、木々に覆われていて、あると知らなければ分からないような場所だった。


「今、ランタンを点ける」

「要らないわよ。ね、マオ」

「ライト」


光る球体が空中へと浮かぶ。入口はドワーフが普通に立って歩くには問題ないが、エリザにとっては少し背伸びしただけで頭をぶつけそうなくらい低い。エリザは、バレないように少しだけ身長を低く変身した。

光る球体を先行させて、暗い洞窟内を確認しながら歩く。


「それで、この狭さでどうやって護衛すればいいのよ」

「ああ、もう少し行けば広くなるから、そこまでは挟むように守ってくれ」


クロンが先頭に立ち、一番後ろをエリザが務める。マオは、一応いつでもバリアを張れるようにドワングのすぐ後ろだ。ドワングが案内をしながら少し進むと、人が3人くらい歩けるような広さと、高さが3メートルくらいになったので、光る球体を上へと動かす。


「本当なら、一人で掘れれば誰にもバレないんだが、残念ながら魔物が先に住み着いていてな。ワシは命からがら逃げだしたんだ」

「ちなみに、住み着いている魔物は何?」

「ワシが見た限りでは、吸血蝙蝠とウルフだな。他にも居るかもしれんが、見て無いから分からん」

「よく逃げ切れたわね」

「念のため持ってきた魔物除けの煙球を持っていたからな。それに、何故か洞窟の外までは追いかけてこなかった」

「そんなの持ってるなら、掘っている間使えばいいじゃない」

「馬鹿いえ、そんなことしたら赤字も赤字、大赤字だ」


魔物除けの煙球はエリザが思っているよりも高い。そして、効果もそれほど長続きしないので護衛を雇った方が安く上がる。


「先に探知魔法を使うぞ。ソナー」


マオは洞窟の奥を調べるため、探知魔法を使う。すると、この洞窟が迷路のように枝分かれしている上に、複数の魔物が住み着いていることが分かった。


「おかしい。明らかに、洞窟の入口よりも大きな魔物が住み着いているぞ」

「洞窟の中で成長したんじゃないの?」

「それに、魔物同士が争う様子もない」

「何だと? そんな事が分かるのか。まさか……ここはダンジョンなのか? どおりで、珍しい鉱石があるわけだ……」

「ダンジョンですって? それは面白そうね」


ただの鉱石掘りがダンジョン攻略になりそうな予感がして、エリザは喜んだ。



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