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封印されていた最古の魔王。――外伝――  作者: 斉藤一


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魔物サイド

さすがの魔物とも言えど、疲れを知らないわけではないので休憩をはさみつつ進軍して来ていた。指揮官であるドラグルが居なくなったため、統率はオークキングとグレートオーガが取っている。実力から言えばオークキングよりもグレートオーガの方が上なのだが、指揮系統としてはオークキングの方が優れていた。なので、オークキングが群れの隊長、グレートオーガが副隊長の様な関係だ。言葉自体は人型で無い魔物と話せないが、ウルフ種もワシ型の魔物であるガルダも理解することは出来るのでバラバラに動くという事は無い。


「ドラグル様、戻らねーな」


グレートオーガは、人で言えば総司令官の立場である四天王のドラグルが戻らないことを不思議に思っている。当然、人間にやられたとは思っていない。四天王に対抗できるのは、勇者レベルの強さが必要だからだ。


「あの方も今は忙しい、我々は予定通りにかの街を占領しに行くだけだ。ブラックドラゴン様と一緒に飛び回っているのであろう」


オークキングには、街を占領しろという命令が下っていた。それが撤回されない限りは命令通り動くしかない。それに、オークキングもブラックドラゴンの強さは知っている。命令を無視すればそのエサになるだけだと恐怖する。


「そろそろ街が見えてくる頃だ。オークジェネラル、部隊を編成しろ」

「はい」


オークキングは、オークジェネラルに命令する。オークジェネラルは、ウルフ種に命令して隊列を整える。横幅広く歩いてきただけの大群が、きちんと隊列を整える様は、人間にとっては不気味な事であった。それは、人並みの知能があるという証であると同時に、一筋縄では行かないという事も分かる。ただただ突っ込んでくるだけの魔物と、連携を取ってくる魔物、どちらがやっかいかは誰しも分かる事だ。


「見ろ、グレートオーガ。城の城門が破壊されているぞ。きっとドラグル様が破壊したに違いない。今もきっとどこかで暴れているのかもしれぬな」

「それなら心強い。俺達も暴れるか」

「ウルフとガルダを先行させる。ウルフはドラグル様が作った城門の隙間から入り込み攪乱させろ。ガルダはやっかいな城壁の上の人間どもを蹴散らせ」


ガルダは単体ではEランクの冒険者と同程度の強さしかないが、それはあくまで地面で戦えばの話だ。空中という有利性を使えば、単体でDランク、複数でならCランクパーティでも苦戦する強さがある。


「あれが俺達の新しい餌場になるのだな」

「ブヒッ、人間のメスはあまり殺すなよ。俺達オークの繁殖に使うんだからな」

「それなら、肉の柔らかいガキは俺達が貰うぞ」


オーガとオークは、すでに街を占領した気になっていた。見える範囲の人間が思っていたよりも少ないからだ。さらに、人型の魔物には簡易的な剣と盾が支給されていた。それによって矢や弱い魔法を防ぐ事が出来る。本来なら、魔物が武具をきちんと使うことなど無いが、オークキングは部隊の知能を向上させる能力も持っていた。それは、オークだけではなくオーガにも適用されていた。オーガも、ただ素手で戦うのではなく、剣と盾を使える。それだけで、人型の魔物たちは一ランク上の強さになっていた。




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