奇跡〜何度でも君と巡り会う
私高畑凛花は大学を出て平凡な暮らしをしていた。
友達もそこそこいた。夢だってあった。でも、その夢は
かなわなくなった。大学を出てはや一年順調にいっていた
はずなのに、どうして自分だけこんな目にあわなきゃいけないのと嘆きそうになることもあった。今考えると前触れもあった
ような気もする何度か体調を崩して病院に通ったこともあった。
でも、先生には単なる風邪と判断された。それから数ヶ月一向に
体調は良くならなかった。体調は悪くなるばかり耐えきれなく
なった私はまた病院に行くことにしたが前に行った所にまた、
行っても同じ診断をくだされるだけだと思い今度は家から少し
離れた所にある大病院に行ってみることにした、ここなら大丈夫
だろうと思った、受付を済ませた私は待合室で呼ばれるのを
待っていた。そして私の順番が来たので先生にこれまでのことを
こと細かく話し検査を受けることになった先生は一応と言っていたが、私も自分自身自信がなかったので精密検査を受けることに
した。全ての検査が終わり結果が出るのを待っていたとき、そんなときにナースから呼ばれ先生のとこに行くと先生は厳しい顔をしていた私の病気はそんなに重い病気なのだろうか私は気になり
先生に聞いてみた。
「先生私の病気はそんなに深刻なのでしょうか」すると先生は顔をあげ私にはっきり言った。
「高畑さんこれまでに風邪以外の症状はなかったですか」
聞かれて見るとそんなこともあったきもした。でも、ただの軽い
偏頭痛だと思っていた。そんな事をふと考えているときに
「どうでしたか、ありましたか」と先生に聞かれたので私は我に
帰り「ありました」とこたえた。私がそうこたえた瞬間一瞬だけ
先生の顔がやはりと言う顔をしていた。しばらく間が空いて先生がきりだした「検査の結果あなたの脳と肺に悪性の腫瘍があることが分かりました」そう言われた途端私の頭は真っ白になった
そんな中先生はたんたんと説明を続けた「またこの腫瘍を取り除くには手術が必要です、もし手術をするのであれば早急に入院の
手続きをして下さい、自分で少し考えたいでしょうが今はそれどころではありません、一刻も早く手術しなければ手遅れになります」そう言われたところで気がついた、その中で一つだけ気になることがあった。
「先生もし手術を受けた場合後遺症は残りますか」私がそんな風に聞くと先生はこたえた。
「残らないとは限りません」「残らない」残らないの?
でも、命に変えることはできない私は迷わずこたえた。
「先生私手術受けます」「そうですか、分かりました我々も全力を尽くします」「はい」私は入院することに決めた。
それから数日して手術を受けた私はあの日先生が言っていた
ことを思い出した。「後遺症は残らないとは限らない」
あの言葉通りになった。お見舞いに来てくれた友人達のことは
覚えているのに何か大事なことを忘れている気がした。
でも、それが何なのかは思い出せない何か大事な記憶を忘れている気がするそんな気がしてたまらない。
でも、思い出そうとするたび頭が痛くなるのでやめにした
また、新しい記憶を作ることにした、そうすることで思い出せなかった記憶を埋めれると思ったからだ。
体調もよくなり退院することになった日のことだった
家に帰ると自分とその自分の隣には知らない男性が写っている
写真が飾られてあった。
その写真を見た瞬間なぜだか分からないけど涙が出てしまった。
思い出せないし記憶もない、なのに涙が出たもうわけがわからない。
でも、このままにしておくのは自分の中で嫌な気持ちがしたので
友達のあみに聞いてみるとそのは人は私の恋人だったそうだ。
私の入院中も見舞いに来ていたと言っていた。
あみに記憶が無いのかと聞かれて私はないとこたえた。
あみはびっくりしたようにして無言で黙りこんでいたが逆に
驚いていたのは私だった。その時思った私が忘れていたのは
この人ではないのかとそう思うと急に気になり始めてあみに
思わず聞いてみた今この人はどこにいるのかとするとあみがこたえた「今は仕事で北海道にいると思うよ、北海道に行くって
言ってたから」「ありがとう」そう言い終えると私は電話を切り
銀行に急いで向かい貯金していたお金を全て下ろし北海道に
向かった、飛行機の中で一人悶々と考えていた、例え北海道に
行ったとしても彼がどこにいるのかすらも分からないのに私は
何をしているんだろうともし入れ違いになっていたらどうすると
それでも構わないこの人に逢いたい会って確かめたい私達は一体
どうやって知り合って仲良くなって付き合いだしたのか。
そんな事を考えているといつの間にか空港に着いていた
私はありとあらゆる街を歩いた見つからないかもそう思っていた。
だけど見つけた。写真の彼を公園のベンチによりかかっていた。
私は彼に近づき声をかけ聞いてみた「あのー私のことどこかで
見た覚えありませんか」。
そう聞くと彼は驚いた顔をして言った、「ああ、あるよ君は僕の
恋人だ」やはりそうだったのか「でもなぜ僕が北海道にいるって
分かったのかい?」「友達のあみに聞きました」「ああ、なるほどそう言うことか」彼はほっとしたような顔をして言った
「退院できたんだねおめでとう体調も良さそうだ」「はい」
そう言い終えた彼は私にハグをした。そして私達はお互い見つめあい笑みをこぼしながら笑った。彼と見つめあい笑っている時に
突然前の記憶がフラッシュバックしてきた。
私は頭が痛くなりそのままうずくまってしまった。
すると彼が心配したように覗きこんで私の名前を呼んだ「大丈夫か凛花」その時私は痛みに耐えながらも全ての記憶を思い出した。
私はこたえた「大丈夫だよ雅也今まで心配かけてごめんね」。
雅也は涙をこぼしながら言った「やっと思い出してくれたんだな凛花」「ありがとう」。「うん思い出したよ全部私達がどこで
出逢いどんな風に仲良くなり付き合い始めたのか」
「雅也今まで辛い思いさせてごめんね」「これからは二人で
仲良くやっていこうね」「ああ」やっと、やっと思い出せた
私の人生の中で一番大事な人で忘れちゃいけなかった人。
私の恋人雅也例えまた記憶がなくなっても思い出す
そして何度でも巡り会うだろう。
雅也これからは二人で幸せになろうね。 [完]